奈良に行きたいっ!
…ので、最近は奈良に関する本をよく読んでいます。
奈良といえば、仏像ですね。
奈良での仏像鑑賞をできるだけ深く楽しめるように、この本を読んでみました!
「駒澤大学仏教学部教授が語る仏像鑑賞入門」です!
さっそくレビューを書いてみます。
「駒澤大学仏教学部教授が語る仏像鑑賞入門」はどんな本?
「駒澤大学仏教学部教授が語る仏像鑑賞入門」は、集英社新書というレーベルから出ています。
新書とは、文庫より少し大きめのコンパクトで軽い本で、学問の入門的内容、ノンフィクション、さまざまなノウハウ…などを扱います。
集英社新書は名前の通り、大手出版社の集英社が出しています。
集英社新書はシンプルで硬すぎず緩すぎず…という感じの本が多く、個人的に好きなレーベルです。
新書は集英社の他に、中公新書、ちくま新書、光文社新書などが好きです!理系の講談社ブルーバックスも面白いです。
「駒澤大学仏教学部教授が語る仏像鑑賞入門」は、日本の仏像の歴史を時代順に追いながら、仏像をちょっとアカデミックに楽しむためのポイントを教えてくれる本です。
「駒澤大学仏教学部教授が語る仏像鑑賞入門」の難易度は?
気になる「駒澤大学仏教学部教授が語る仏像鑑賞入門」の難易度ですが、小難しくなくてかなり読みやすいという感想です。
ですます調で書かれている語り口がソフトで、しゃべり口調に近い形で書かれているのが読みやすさのポイントでしょう。
本を読んでいるというより、大学でわかりやすい講義を受けているような感じです。
大学入試参考書のベストセラー「実況中継シリーズ」に似ています。
私は高校で日本史を取っていましたが、高校日本史を習っていない人でも、じゅうぶん読みこなせます。
だからといって内容が軽いのではなく、小難しい用語や言い回しをなるべく使わずに、「インフルエンサー」など、現代の私たちが日常的に使う言葉で解説しているのがわかりやすさの秘訣だと感じます。
あと、文章全体に明るさが漂っているのも、読みさすさの一因です。
「仏像や日本史について何も知らない」という場合でも、躊躇なく読める本です。
本の中で取り上げられている仏像一覧
「駒澤大学仏教学部教授が語る仏像鑑賞入門」で取り上げて、解説されている仏像を一覧にしてみます。名前が出ている程度、写真はあるけど詳細な解説はない仏像は省略します。
赤文字にしてあるのが、奈良にある仏像です。
そもそも奈良といえば仏像ではあるのですが、本書で解説されている半分くらいの仏像は奈良にあります!
奈良に行く前に読むのに、かなりオススメです!
仏像は顔だけでなくて全体像を見よ!
私はもともと仏像がちょっと好きなんですが、「仏像の顔は無表情でコワイなあ…」と思っていました。
その中でも表情がやさしかったり、少しかわいかったりする、たとえば広隆寺や中宮寺の半跏思惟像や、興福寺の阿修羅像は好きでした。
ですが本書を読むと、仏像の顔はコワイだけではないことが見えてきます。
たとえば白鳳時代の仏像は、どこかすがすがしい感じがあるのですが、顔が童子化=かわいくなったといわれると、なるほどなあ…と思います。
この「かわいさ」は、平安時代にはもっとかわいくなる…遣唐使の廃止で和様が進み、もっと日本人好みになるとのことですが、その例として出されているのが平等院の阿弥陀如来像。
この阿弥陀如来像、高校の修学旅行で見たときは、むしろ顔はコワく見えて、あまり好きだと思えませんでした。
ですが本書で仏像を時系列順に解説つきで見てみると、あら不思議、平等院阿弥陀像の顔はやさしく見えてきます。
おそらく平等院で阿弥陀如来像を見た時、私は顔だけしかみていなかったのでしょう。
そうではなくて、丸みのある体つきや顔型などを入れて全体として眺めてみると(写真でですが)、それ以前の仏像にくらべてやさしさが感じられます。
仏像は顔だけを見てはいけないんですね。体つき全体や、そこから醸し出される内面性なども見なければ本当の姿は見えてこないのかもしれない。
…って、男性を顔で判断していけないのと一緒じゃないの。うん、イケメンにだまされてはいけませんね。話がおかしいですね。この辺で終わりますよ。
まとめ
というわけで、「駒澤大学仏教学部教授が語る仏像鑑賞入門」を読んだ感想でした。
読みやすくて面白く、日本史にくわしくない方でも楽しめる1冊です。
奈良の仏像がたくさん出てくるので、奈良旅行前に読むのもおすすめです!
仏像鑑賞関連の本は、小学館新書の「仏像図解新書」も読んでみました。
こちらは時系列ではなく、仏像を種類別に解説しています。
難易度的は今回読んだ「駒澤大学仏教学部教授が語る仏像鑑賞入門」の方が読みやすいので、「仏像鑑賞入門」→「仏像図解新書」の順に読むのがおすすめです。