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岩波新書「飛鳥の都」を読んだ感想。私には内容が難しかった

本の感想
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ぽこ
ぽこ

超久しぶりに奈良に行きたい~!

…という病にかかっている私は、奈良旅行の計画がしっかり立っていないうちから、奈良旅行に関する本をちょこちょこ読んでいます。

ちょっと前に中公新書の「奈良時代」を読みました。

この「奈良時代」は非常に面白く読んだのですが、「奈良時代」というのは平城京に都が置かれた710からの100年弱の時代を指します。

奈良旅行に行くなら、平城京に都が置かれる以前の、飛鳥を中心とした7世紀の時代も学び直しておいた方が面白いはず…。

ぽこ
ぽこ

飛鳥行きたいし!

というわけで、「奈良時代」よりも前の時代、通称「飛鳥時代」の本を読んでみました。

「飛鳥の都」はどんな本?

読んでみたのはこちら。岩波新書の「飛鳥の都」です。

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タイトル通り、飛鳥が政治の中心地であった7世紀の日本の歴史を扱っています。

この本は岩波新書の「シリーズ日本古代史」の3巻目にあたります。

「日本の古代史」は同じ著者さんが続き物として書いているわけではなく、巻によって著者が変わるため、いきなり3巻目から読んでも大丈夫です。

「飛鳥の都」の内容は難しい?

さて、「飛鳥の都」の内容の難易度ですが…中公新書の「奈良時代」とくらべて、難しく感じた…というのが本音です。

その理由のひとつは、中公新書「奈良時代」が政治史に話をしぼっているのに対し、「飛鳥の都」は日本の7世紀史全般を扱っているというのが理由のひとつです。

「奈良時代」は時系列に沿った政治史に集中した話なのでスムーズに進みますが、「飛鳥の都」は中国や朝鮮半島の情勢、寺院や遷都にまつわる考古学的な話、律令政治の完成度…など、多岐なテーマに話が飛びます。

そう考えると「飛鳥の都」は高校日本史で使う教科書を、さらに専門的・学術的にした内容になっているんですね。

歴史は多角的に学ぶものではありますが、いろんな要素を一緒に考えるのが苦手な私みたいなタイプには、テーマ史にしぼった方がわかりやすい…というのはあります。

「飛鳥の都」は政治史にテーマをしぼっていない分、飛鳥時代の重要人物、蘇我氏親子や聖徳太子、天智天皇、天武天皇、持統天皇…などの人物の記述も非常にクールで、あまり人物像に近づけなかったかなあ…。

本当は歴史はクールに学ぶべきものなのでしょうが、私のような素人にとっては、歴史的人物を身近に感じて、物語風に読むほうが理解しやすいんですよね。

ただし実際の歴史は、人間にとってわかりやすい物語などではなく、事実の羅列…だと思っています。

わかりやすく歴史を学ぶという姿勢自体が、たぶん歴史学とは相容れないのだろう…。

その意味で、この本は私のような素人や、ちょっと飛鳥時代を学びたいという人ではなく、結構ガッツリと骨太の飛鳥の歴史を学びたいという人に向いているのだと思います。

女性天皇が「中継ぎ役」という見解は「奈良時代」と共通

古代の日本には女性天皇が存在しますが、「飛鳥の都」が扱っている時代にも、印象的な三人の女性天皇が登場します。

ひとりが聖徳太子と同時代を生きた推古天皇、二人目が日本史で二人しかいない重祚(=一度位を降りた天皇がもう一度即位)した皇極/斉明天皇、三人目が天武天皇の皇后から即位した持統天皇です。

中公新書の「奈良時代」にも書かれていましたが、女性天皇は直系の男性天皇にバトンタッチするための中継ぎとしての役割だったというのは、「飛鳥の都」の著者さんも同じ見解です。

斉明天皇は百済救援のために北九州まで赴いて客死していて、持統天皇は天武天皇の国政をしっかり引き継ぐなど、この時代の女性天皇はかなり主体的に政治に関わっているイメージがありますが、それでも中継ぎ役なんですね。

自分が女性ということもあり、基本的には女性が政治に関わらない時代に(天皇以外の女性の政治家の名前はほとんど出てこない時代)、彼女たちはどういった心持ちで、男性だけに囲まれて政務を執ったのだろう…と思いを馳せてしまいます。

女性天皇にスポットを当てた本も何冊かあるようなので、機会があったら読んでみたいな…と新たな興味が沸いてきました。

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まとめ

岩波新書「飛鳥の都」を読んだザックリとした感想でした。

私が勉強不足というのもあるのですが、奈良旅行に行く前にサッと読むには内容が難しかった…というのが本音です。

日本の古代史にもともと興味があり、さらに深く骨太に学びたいという方に向いているかなと思いました。

ぽこ
ぽこ

やっぱり岩波新書は難しい本が多いな~。

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