HUNTER×HUNTER読者の私ですが、少し前に仕事の同僚が「読んでみたい」というので最新刊までお貸ししました。
その同僚が、最近
ハンターの続き出ないんですね~。続きがすっごい気になっているんですけど。
と、言っていました。
ハンターと言えば「日本一いつ連載が再開するかわからないマンガ」として有名ですからね!
そこで
たぶんしばらく続巻はでないので、「レベルE」でも読んでみます?
と、冨樫義博先生がハンターの前に描いた「レベルE」をすすめてみました。
「レベルE」ってどんな漫画?
「レベルE」は人気漫画家の冨樫義博が、二大ヒット作の「幽遊白書」と「HUNTER×HUNTER」の間に描いた全3巻のコミックです。
こうやって見ると「冨樫仕事しろ」で有名な冨樫先生ですが、仕事してますよね。
幽白とハンターという大作の間に、短めの漫画を書き上げているわけですからね!
内容は、天才宇宙人の「王子」が地球にやってきて、地球人や自分の護衛をおちょくるストーリーです。
…って、文章で書いたら全然面白くなさそうな物語なんですが、これがなかなか読ませるストーリーなんですよね。
宇宙人を登場させることで、普通の人間だと倫理的に問題が出そうなテーマを描きながら、物語が重くなっていません。
「重くて深いテーマを、軽いノリでコミカルに描く」という点に、やはり冨樫先生の力量を感じます。
「レベルE」は、幽白やハンターよりギャグ要素が多いです。
ちなみに「斜め上を行く」というネットでよく見る言い回しは、たぶんこの「レベルE」でのクラフトのセリフが発祥なんじゃないかな。
レベルEは少年ジャンプの作品に見えない!
レベルEは週刊少年ジャンプの作品に見えない点がいくつかあり、いわゆる少年漫画の王道ではありません。
どのような点が少年ジャンプらしくないかというと…
…ザッとこんな感じですかね。
物語の主人公は、私は最初は熱血高校球児の筒井雪隆かと思いましたが、筒井はいくつかのエピソードにしか登場しません。
やはり主人公はバカ王子でしょう。
バカ王子は天才だけど、その頭脳を「民衆の支持を下げずいかに苦しめるか」という意地悪に浪費します。
で、そのバカ王子が無駄にわざわざ作り出す「面倒ごと」に周囲が振り回さるという…
「熱血主人公が難易度の高いミッションをクリアしていく」という少年漫画の王道とはかけ離れていますね。
また、わかりやすいセクシー美女、イケメンも登場しませんし、だいたい倒すべき敵キャラも存在しません。
「レベルE」で描かれているテーマは何か?
主人公が主人公らしくないし、特にクリアすべき目標もない…。
では「レベルE」はただのカオス漫画で、特に描いているテーマはないのか?
確かに「レベルE」はカオス的なストーリーですが、一貫して描かれているテーマがあると感じます。
それは「知的生命体とは何か?」という深い洞察です。
宇宙人マンガなので、地球人とは違う生態を持った宇宙人が多数登場しますが、その生態には「あ…そういう生命の摂理はありそう…」と、リアリティを感じます。
レベルEに登場する宇宙人の多くは知性を備えています。
生態=本能は、知性でコントロールすることが難しいものです。
宇宙人たちは自らの生態を、知性でどう捉え、どう納得して、どのような行動へとつなげていくのか…。
一見このテーマとは関係のなさそうなカラーレンジャーの話も、「人工的な知的生命体が自らをどのようにプログラムするか」というテーマが含まれます。
「レベルE」自体は全く堅苦しい話ではなく、作者さんが大きなテーマを意図しているかどうかはわかりません。
ですが「特殊な生態を抱えた知的生命体である宇宙人がどう生きようとするのか?」という物語を読んで、自然と人間である自分に思いを馳せる…哲学的な何かを感じずにはいられない作品です。
まとめ
「ハンターが待てない方にレベルEをおすすめ」という観点で書いた記事なので、ネタバレ一切なしで「レベルE」を紹介してみました。
3巻と短い巻数ですし、「ハンターのエピソードの元になった?」と思われるような部分もあり、ハンター好きな方は面白く読めるコミックだと思います!
「ハンターの続きマダ~?」と思ったら、ぜひ「レベルE」を読みながら待ってみてください!