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よしながふみ「大奥」の感想!史実を巧みに取り入れているストーリーが面白い!

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電子書籍ストアを使うようになって、最近はコミックばっかり読んでいる私。

ぽこ
ぽこ

だって「読んでみたい」と思っていたコミックが無料公開されているのによくぶち当たってしまうんだもん…。

「大奥」が電子書籍ストアで3巻まで期間限定で無料公開されていたので、読んでみました!

「大奥」はどんな漫画?

大奥」は手塚治虫文化賞マンガ大賞をはじめ受賞歴がたくさんあり、映画化やドラマ化もされています。

そのため作品の大筋はご存知だという方が多いと思います。

大奥とは、江戸時代に徳川将軍をとりまく女性たちが住んでいた場所のことです。

そのため「女のドロドロした世界」があったと推察され、大奥を描いたフィクション作品は多いです。

ぽこ
ぽこ

大河ドラマ「篤姫」の舞台が大奥でしたね。

しかし、よしながふみさんの漫画「大奥」が、数多くある「大奥もの」の中でも異彩を放つのは、何と男女が逆転した「大奥」なのです。

フィクションとしての歴史になり、江戸時代に若い男性だけを襲う病が大流行し、男性の人口比が極端に減ってしまいます。

男性は流行病にかからないように家の奥で大切に育てられ、女性が実務を取り仕切るようになり、将軍家もついに男系がとだえて女性将軍が立ちます。

その女性将軍のための大奥ですから…イケメンが数多く集められた大奥ということになります。

「女のドロドロした世界」というよりは、不本意ながら大奥入りした「男の屈折した世界」が描かれるという感じですね。

「大奥」をなめていた…

ここからは「大奥」のネタバレを多少含みますのでご注意ください!

さて、私もよしながふみさんが描く「大奥」の存在は知っていましたし、評価の高い作品だということも知っていました。

ですが今の今まで買って読むまでに至らなかったのは、作者のよしながふみさんが、BL系コミックの大御所だという理由です。

といっても、私は特にBLが苦手ということではありません。

BLが苦手なのではなく、少女漫画一般が苦手なのです。

私にとってBLと少女漫画はあまり変わりのないジャンルです。

恋愛が至上だったり、キャラの見た目と性格が比例してたり(美男美女はだいたい性格も魅力的)、作者が気に入っているキャラが読んでて伝わってくるとか、線の細い画とか…そういったあたりが趣味に合わず、少女漫画はほとんど読みません。

なので「大奥」も、

ぽこ
ぽこ

どうせ美しい男女もしくはイケメン同士が困難を乗り越えて愛を育むストーリーなんだろうなあ…。

と、読まず嫌いだったわけです。

そのくせ、完全に興味がないわけではなかったので、今回無料公開を機に読んでみたのんですが…

すみません、めっちゃ面白いです。

「大奥」で描かれる人間模様は、美男美女もしくはイケメン同士が単に惚れたの妬いたのといったものではありません。

それぞれの立場、個人的に抱えているもの…そういった部分から深く描かれていて、愛情の形とは時代や個人によって違うのだと考えさせられます。

一応「大奥」は少女・女性向け漫画というジャンルになりますが、女性だけでなく男性も楽しめるのではないかと思います。

ぽこ
ぽこ

BL要素も少しはありますが、江戸時代の風俗からかけ離れすぎてはいません。

「大奥」がなるべく史実に沿って描かれているのがスゴイ!

また「大奥」の何が面白いって、時代考証がスゴイです。

江戸時代に大奥の男女が逆転するフィクションなので、史実など無視してフィクションを書き上げることもできたはずなのですが、なるべく史実を取り入れて物語を組み立てているんです!

鎖国の理由が「日本で男性が減っていることを諸外国に知られないため」だなんて、実際の史実としての鎖国の理由よりも、ずっとスンナリ頷けてしまいます!

男性が極端に少ない時代に、男性による家督相続では家の存続が危機となりますが、大名家の数が減ると、大名家が統合されて徳川家によって脅威となる家が現れるかもしれない…。

そういった幕府の思惑や、徳川家自体が男性将軍を継承していくのが難しくなり、女性の家督を認める…といった流れが非常に自然で頷けます。

ぽこ
ぽこ

フィクションなのにまるで本物の歴史を勉強しているみたい。つーか、こっちの方が面白い!

また、有功(=お万)とか、玉栄(=お玉)とか、お楽、お夏といった大奥の男性の登場人物も、モデルとなる実在の女性がいると知って驚きました!

しかも史実でもお玉はお万の部屋子だったとか、本当によく調べて練られているストーリーです。

作者の鋭敏な歴史感覚と、史実をなるべく取り入れたストーリー構成が、男女逆転の大奥という奇想天外な物語に、恐ろしいほどのリアリティを与えていて、引き込まれるように読んでしまいました。

まとめ

そんなわけで、読まず嫌いで申し訳ありませんでした!「大奥」めっちゃ面白いです!

特に2巻のラストは泣けましたね~。

漫画であまり泣かない私、何だか意地になって涙をこらえていたんですが、それでもティッシュが必要なくらい泣いちゃいました。

既に最新刊は18巻まで出ていますが、先のストーリーもゆっくり読んでみようと思っています!

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