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「奈良で学ぶ寺院建築入門」を読んだ感想!難しかったけど面白さもあった

本の感想
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ひそかな(別に隠しているわけではないが…)奈良ファンの私は、久しぶりに奈良に行きたくて、奈良に関する本を読んでいます。

書店で「奈良で学ぶ寺院建築入門」という本を見つけたので、読んでみました。

「奈良で学ぶ寺院建築入門」はどんな本?

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奈良で学ぶ寺院建築入門」は、奈良に残る寺院を題材にして古建築について学ぶ本です。

古建築の定義は本書で触れられていませんが(見落としたかな?)、たぶん古代(平安時代まで)に作られた建築のことだと思います。

著者さんは建築史が専門の海野聡さん。

「古建築は学ぶより、現地で実見して感じ取るべし」という考えの方で、本書は1泊2日の奈良旅行をモデルとして、奈良の寺院めぐりをするという設定で書かれているのがユニークです。

取り上げられている寺院は…

  • 唐招提寺
  • 薬師寺
  • 興福寺
  • 東大寺

この4つです。

建築オンチの私には難しかった!

さて、私は日本史がめっちゃ得意ということはないですが、古代史だけは好きで、奈良時代の大まかな流れは頭に入っています。

なので「奈良時代の建築を解説する本は楽しく読めるだろ~」と思っていたのですが、大切なことを忘れていました。

私は建築オンチだったのですよ!

中学に「家庭科」とは別に、「技術」という科目がありましたが、もうアレが苦手で苦手で…。

教科書の内容もサッパリわからないし、実技も全然ダメ。ノコギリとか怖くて触りたくもない。

技術の課題とか、いつも仲の良い男子にコッソリ頼んでやってもらってましたね…(絵を描くのは好きだったから代償に美術の課題を引き受たりしてたな…)。

私は自分が一番苦手だった科目は数学だと思い込んでいましたが、数学よりさらにできない技術という科目があったことは、もう記憶から消去していましたよ…。

ぽこ
ぽこ

人類がすべて私だったら、人類はいまだに竪穴式住居に住んでいるであろう…。

この本は、各寺院の解説に入る前に、古建築を学ぶ上で必要になる知識を解説してくれているのですが、私がわかったのは「横は桁行、縦は梁間」ということくらいですねっ!

組物の話からは…もうわけがわからない…新しい単語が出てきても片っ端から頭から出て行ってしまうので、後から話の中に出てきても何が何だか…。

ハイ、全然わかりませんでしたっ!

奈良時代のことはそれなりに知識があっても、重力とか物理とか、建築センス(空間センス?)とかが皆無の私みたいなタイプには、非常に難易度の高い本でした。

京都には古建築が残っていない

さて、そんな難しい本でしたが、「へー」と思ったこともいくつかありました。

そのひとつが、「京都には古建築が残っていない」ということですね。

京都に残っている最古の建築は鎌倉時代のものだそうです。

平安時代に作られたはずの数々の建物はどうなったのかというと、京都は長く政治の中心だったため、戦禍によって焼けてしまっているそうです。

このことを知ってビックリしたというよりは、「やっぱりそうなんだ…」という気持ちが大きかったです。

京都は何度か足を運んでいるのですが、たいていは付き合いで行っています。

実は京都旅行に行っても、あまり建築物に心が惹かれないんですよね。金閣寺にも清水寺にも。

その理由の一つが「何か古代っぽくない。平安時代にタイムスリップした気がしない」ということなんですが、平安時代の建物が残っていないということを知って、変に納得しました。

著者さんの言う通り、建築は現地で見て感じるという側面があり、建築オンチの私でも、何か感じるものがあったのかもしれません。

水煙は…テキトウに作ってある…だと…?

あと、めっちゃ衝撃的だったのは、薬師寺に関する記述です。

至近距離で見られる工芸品がものすごく繊細な細工をするのと比べると、一般に建築の装飾品はやや簡素な作りとなりがちで、東塔の水煙も工芸品ほどの細やかさではありません。

ちょ…ちょっと待ったァ!!!

私が薬師寺を初めて訪れたのは20年以上も前、高校の修学旅行でした。

集団行動が苦手な私にとって修学旅行は苦痛だったのですが、その中で唯一良い思い出として残っているのが、薬師寺のお坊さんがしてくれたお話。

「薬師寺東塔の水煙は、地上からはほとんど見えないにもかかわらず、とても美しく丁寧に作られている。人間も見えない部分こそ美しくしようね…」みたいな話に私は感銘を受けたのでした。

それまでは「どうせ下着は見えないんだから何でもヨシ」と、母に適当にスーパーで下着を買ってきてもらっていたのですが、これを機に母に「今から自分で下着は選ぶよ」と言って、「見えない所も美しくする」の精神を少しでも持つようになったのでした。

ぽこ
ぽこ

余談ですが大学で知り合った親友にこの話をすると、「アンタ誤解してる。それは心をキレイにしろって意味だよ」と一刀両断されました。…親友の解釈の方が正しい…気もする…。

まあ、それはそうと…私の人生に少なからず影響を与えた水煙が…実は「見えないからいいや、エヘ」みたいな感じで、そんなに細やかには作られていない…だと!?

薬師寺の坊さん…いたいけな高校生をダマしたわね…。まあ、下着を自分で買うようになったのはイイコトではありますので、よいですけどねっ!

まとめ

というわけで、あんまり理解できなかった「奈良で学ぶ寺院建築入門」の、本質的ではない感想でありました。

私が建築オンチすぎるだけで、普通に空間感覚のある方が読めば、たぶん良書だろうなという感じはあります。理解はできなかったけど、内容は興味深くはありました。

私みたいな「建築まるでわからん、重力もよくわからん…」というタイプは、この本を読む前に、もっともっと入門的な(たとえば子ども向けとか)建築の本を読んだ方がいいかもしれません。

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