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「火の鳥シリーズ」ヒロイン列伝!正統派美女から男装の麗人・宇宙人・ロボットまで!

手塚治虫作品
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火の鳥シリーズの特徴として、各お話にヒロインと呼べる女性キャラが登場します。

ぽこ
ぽこ

手塚治虫作品には必ずヒロインが登場するわけではないので、「ヒロインの存在」は火の鳥の一つの特徴だと感じます。

各編の、ヒロイン的存在の女性キャラをまとめてみました!

手塚治虫作品は、個人のブログに作品の画像を掲載することができないのでキャラの画像はナシです。

黎明編の「ウズメ」女の武器は強い!

黎明編のヒロインと言えばウズメでしょうね。

高天原族の捕虜になったヨマ国の女性ですが、高天原族の男を寄せつけないために化粧で醜く変装しています

ぽこ
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ヒロインが変身する」というモチーフは火の鳥では繰り返し描かれます。

黎明編はいろいろな国が入り乱れた複雑なストーリーですが、最後に勝ち残った高天原族のニニギに対してウズメが言い放つセリフはカッコいいですね。

女には武器があるわ。勝ったあなたがたの兵隊と結婚して子どもを産むことだわ。

国や部族同士の争いで、相手の血族を根絶やしにしたつもりでも、女性が一人生き残れば混血という形で受け継いでいくと…。

現在のもっと自由な女性観にはあまりマッチしない描き方かもしれませんが、人類黎明期の騒乱の世を生きる女性としては、強い生き様だと感じます。

ぽこ
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そもそも化粧を落としたウズメの素顔は、火の鳥シリーズでナンバーワンの美人さんだと感じます!

末来編の「タマミ」愛による献体

末来編は登場人物自体非常に少ないのですが、ヒロインがきっちり登場します。

宇宙人である不定形生物ムーピーが化けた美女タマミです。

人類滅亡後に生き残ったわずかな人類…その中にタマミの恋人マサトがいるのですが…のために、ムーピーの生命力を解明する実験台となることをタマミは了承します。

その実験のためにタマミは美女の姿から、元のアメーバ状の生物の形に戻ってしまいます。

タマミは人間ではないためかあまり個性は強くなく、「美しくて控えめで優しい」という男性の理想を詰め込んだ感じですね。

ぽこ
ぽこ

火の鳥シリーズのヒロインの特徴ともいえる「変身」という要素を大きくもった女性だな~と感じます。

ヤマト編の「カジカ」クマソ女の愛と憎

ヤマト編のヒロインはカジカ。めっちゃカワイイです!

だいたい主人公オグナから見て、敵の妹。そして兄の仇を討ちにオグナを訪ねてきて、結局主人公の計画に協力するという…この流れからしてめっちゃヒロインですね。

カジカは男性顔負けの勇ましい女性で釣り目がキュート、女性読者の私から見るとこういう女性キャラは本当にカワイイです。

兄のかたき討ちのために、一対一で戦うようにオグナに呼びかけるところなんか、オグナへの愛憎がどちらも出ていていじらしいです。

カジカも後半部では男装してオグナに近づく姿が描かれ、「変身要素」が少しですが入っています。

宇宙編の「ナナ」少女の可憐さと母性愛

宇宙編のヒロインはナナ

事故を起こした宇宙船からカプセルで脱出し、宇宙を漂流する宇宙飛行士グループの紅一点です。

ナナはショートカットの美人で、少女のような可憐さと母性愛を併せ持った…これまた男性の理想を詰め込んだような女性ですね。

惜しむらくは…宇宙飛行士としてセンターで育てられたナナは、人間らしい子ども時代を過ごさなかったはずなのですが、ああいった愛情の深さをどこで身に着けたのか…という釈然としない感じが残るところかなあ。

ナナは最後に牧村を流刑星で見守るために、不格好な植物の姿へとメタモルフォーゼされることを望みます。

はい、やっぱり宇宙編のヒロインも変身しちゃいますね。

「鳳凰編」の速魚とブチ

鳳凰編は我王と茜丸というダブル主人公のような物語で、ヒロインもそれぞれの主人公に一人ずつ存在します。速魚ブチです。

速魚 人ではない儚さと色気

速魚の正体はテントウムシです。

我王に助けられたテントウムシが、女性の姿に身を変えて我王の旅に付き添います。

色白ではかない雰囲気の女性で、この世のものではない色気が漂っていますが、テントウムシっぽくはないですね!

速魚はまだ人間を信じることができなかった我王に疑われて、我王自身の手によって殺されてしまいます。

しかし、速魚を自らの手で殺したことによって我王は罪の意識に目覚めるので、命をかけて我王を人間の道へと導いたヒロインと言えるでしょう。

ぽこ
ぽこ

速魚には変身要素がバッチリはいってますね。

ブチ 不良少女の成長物語

ブチは14歳の身寄りのない貧しく荒れた少女として登場します。

茜丸に命を助けられてから、茜丸の旅に付き添って行きます。

茜丸は国家権力のおかかえ仏師となってから清廉さを失っていきますが、茜丸が救ったブチがすっかり心を入れ替えてしっかり生きていく姿を見ると、何となく茜丸も救われるような気がします

ブチは美人だという記述はありませんが、目がパッチリしていてカワイイです。

最後に茜丸の弔いを頼みに我王の前に現われるブチは、言葉遣いもしっかりしていて、今後素敵な女性になっていくんだろうな…と想像させられます。

復活編の「チヒロ」無機質の魅力

復活編は、火の鳥シリーズの中では最もヒロイン要素が薄い作品かな?と思います。

それでもヒロインは登場します。ロボットのチヒロです。

実は普通の機械の形をしたロボットなのですが、脳がほとんど人工物という手術を受けた主人公レオナからは可憐な女性に見えます。

レオナの目から見たチヒロの姿は…ちょっと奇妙ではありますが、まあカワイイですね。

元がロボットなので、どこか無機的な会話内容が現代の漫画でよく見る無表情・無感動なヒロインを思わせる魅力があります。

羽衣編の「おとき」未来の女性は美しい⁉

羽衣編は火の鳥で最も短い物語ですが、未来からタイムワープしてくる女性おときがヒロインです。

おときは髪が長い若い女性で、他の火の鳥シリーズのヒロインとくらべると、外見は結構普通かなあ。

それでも平安時代の漁師から見ると、未来の発達したスキンケアなどをしている女性を見ると美しく見えるのか、主人公のズクから「天女」と呼ばれます。

ぽこ
ぽこ

男性にちやほやされたければ過去にタイムトリップすればいいのね…。

おときはタイムワープに力を貸してくれた火の鳥と「歴史を変えないこと」を約束するのですが、ズクとの間に子どもを作っちゃって…ちょっと浅はかですよね!?

望郷編の「ロミ」意志の強い女はカッコいい!

望郷編のロミは押しも押されぬ正統派ヒロイン!

火の鳥シリーズは女性が主人公という作品は少なく、ヒロインは主人公を力づける存在というパターンが多いですが、ロミは物語の主人公です。

エデン17という不毛の星で、何度も冷凍睡眠しながら、星の歴史を作り続けるロミの精神力。

ロミは特別に能力が優れた女性という感じではないのですが、とにかく意志の強い人間です。

ぽこ
ぽこ

人間が何か成し遂げるときには「意志の力」が必要なのだということを教えてくれるヒロインです。

ロミはシニアの年齢にさしかかってから、機械の力で若返ります(本人が望んだわけではない)。

その美しさを見て、今までサバサバと対応していた宇宙飛行士牧村がつい暗闇でキスをしてしまうシーンがありますが、幽白の幻海と死々若の試合を思い出しました。

乱世編「おぶう」従属しない庶民娘のパワー

乱世編のヒロインは、庶民の娘なのに源平争乱に巻き込まれていくおぶう

「めっちゃカワイイ」という設定で、その美貌ゆえに清盛の侍女とされてしまいます。

おぶうの面白さは庶民の娘なので、天下の清盛に対しても庶民の感覚からものを言うところですね。

清盛はそれが真新しくて、自分に意見するおぶうを処刑しないのですが…清盛の懐の深さもあるけど、まあ、おぶうがカワイイからでしょうね!

おぶうは清盛に対しても、もともとの許嫁だった弁太に対しても、従順な女性というわけではありません

おぶうのそういったサッパリした性格が、源平争乱という悲劇を描きながら、乱世編を湿っぽい物語にしていないような気がします。

ぽこ
ぽこ

乱世編に出てくる女性キャラは、登場回数は少ないですがもめっちゃ素敵だと思います。

生命編「ジュネ」汚れのない少女の心

生命編のヒロインはジュネ

ハンターに追われた主人公青居が逃げ込んだ家に、偶然居合わせた少女…というより幼女として登場します。

そのまま青居はジュネを連れて逃げて、山奥で15年も二人きりで文明から離れた生活を送ります。

ジュネは人間社会に触れずに育つため、大人の女性になっても世慣れせずピュアな心を持ち続けます

青居はその姿を見て改心し、その結果自爆してしまうのですが、ジュネは青居にとって、進むべき道へと導いてくれる天使のような存在だったということですね。

異形編「左近介」男装の麗人は美しく強く優しい

異形編は登場人物がかなり少ない物語ですが、ヒロインは男装の麗人左近介です。

男装の麗人ってのは、どうして女性から見るとこんなにカッコイイんでしょうね。

美しさと強さと優しさを併せもった左近介…火の鳥に出てくる登場人物の中で一番好きかもしれないです。

人間はあやまちを犯す存在だけど、私も左近介のように、自分の犯したあやまちに対する責任に対し逃げずに立ち向かえるかなあ…。

人生につまづいたときには、異形編を読み直して、左近介の強さにあやかりたいなと思います。

太陽編「ヨドミ/マリモ」より「イノリ」がかわいい…

太陽編のヒロインは、古代パートはマリモ、近未来パートはヨドミで、ヨドミはマリモの生まれ変わりという設定です。

マリモは狗族の娘で人間ではなく精霊のような存在で、ケモノ耳の美女です。

ヨドミは…美人設定なのでしょうが、ちょっと顔立ちがベッタリした感じで、あまり好みではないかな…。

私が太陽編だけは火の鳥シリーズで面白く読めないということもあり、ヒロインの「マリモ/ヨドミ」も、あまり個性がなく心に残るヒロインだと感じません。

まだバカを装っている十市媛の方が印象に残るけど、十市媛の描き方もちょっと粗さがあるんですよね。

太陽編でカワイイ女性といえば、ちょっと損な役回りになっているイノリかなあ。

この子は妙な無表情さと、子どもっぽいのに過激な言動がいい感じを出していますね。

ぽこ
ぽこ

私がスグルだったらヨドミよりイノリを選ぶのにな~

まとめ

火の鳥シリーズの「ヒロイン列伝」でした!

40代女子の私が火の鳥シリーズのヒロインのベスト3を選ぶとすると…

  1. 左近介(異形編)
  2. カジカ(ヤマト編)
  3. ロミ(望郷編)

…こんな感じですね!やっぱり女性から見ると「強い美女」が魅力ですね~。

男性が選べばナナとかタマミとかの方が人気があるのかな?

それにしても火の鳥の女性は「変身要素」が非常に多いと思います。

タマミやナナや速魚の明らかな変身から、左近介やカジカの男装、おぶうの庶民→貴族や、ウズメや十市媛のバカを装う演技など。

手塚治虫にとって、女性は変幻自在でミステリアスな存在だったのかもしれませんね。

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