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【高校野球】U-18技巧派左腕の受難は続く

高校野球
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高校野球オタクの私は、速球派剛腕より、技巧派・制球派の投手が好みです。

一昔前までは、右投手にも技巧派・制球派も多かったのですが、トップクラスの投手の球速が150㎞を超えるようになった頃から、スピードのない右投手の活躍は少なくなってきました。

最近の技巧派・制球派で、好投手と呼ばれる投手のほとんどは左腕。

2022年は当然のように、九州国際大付の香西投手を応援していました。

その香西投手がU-18の試合ではあまり本領発揮できなかったのですが…技巧派左腕の国際大会での使い方はそれでいいのか…ファンの立場からちょっと疑問が残ったため、記事にしてみました。

野球の素人であるファンが、現場での選手の起用法に対して疑問を呈しています。素人のつたない意見ですので、ひとつの考え方として受け流して頂ければと思います。

過去の技巧派左腕もU-18では苦しんだ

香西投手はU-18チームが出国する前は、馬淵監督から絶賛され、エース級の働きが期待されていました。

実は、制球が武器の技巧派左腕は、U-18の試合では苦しんできた歴史があります。

2016年木更津総合の早川投手や、2019年近江の林投手がそうで、二人とも本当に素晴らしい技巧派・制球派だったのですが、U-18の試合では本来の投球術を発揮できませんでした。

たぶん大きな理由のひとつが、国際試合でのストライクゾーンの違い。

とはいえ高校野球でもストライクゾーンはかなりブレますし、技巧派・制球派の投手はその日の主審の傾向も利用しながら配球を組み立てていきます。

もちろん一人で配球を考えるのではなく、それは捕手との共同作業。

早川投手も林投手も、自チームには息がピッタリ合った配球の上手な捕手がいました(大澤選手、有馬選手)。

残念ながら相棒はU-18に選ばれなかったため、U-18に選ばれた捕手と即席のバッテリーを組んだのですが、当然ながら自チームの捕手と同じようにはいかなかった…二人が活躍できなかった理由の一つはコレかな、と今でも思っています。

バッテリーをセットで呼んだ選考ではなかったんだ…

さて香西投手にも、所属している九州国際大付に配球の上手な野田捕手がいて、このバッテリーのクレバーさは、九国の監督さんが勝利インタビュー等で再三言及しています。

九国バッテリーは、U-18に二人とも選出されました。

野田捕手は甲子園で打撃内容が良くなかったため、選ばれるのは難しいと思っていたのですが、「さすが馬淵監督!過去の反省を生かして技巧派はバッテリーセットで選んだのね!」と嬉しかったです。

…しかしこの想定は、まったく外れていました。

香西投手が野田捕手と組んだのは、出国する前の大学ジャパンとの壮行試合だけで、U-18の正式な試合では、一度もバッテリーを組みませんでした。

もう高校野球ファンならご存知の通り…香西投手は壮行試合では大学生相手に素晴らしいピッチングを見せたのに、U-18では四死球乱発の散々な結果に…。

驚いたのは、試合後のこの記事…。

私は馬淵監督が大好きで、本当に申し訳ないのですが、何をいまさら…。

この記事を読むと、U-18の試合があまり重要視されてなく、過去の研究も行われていないことが伺えます。

球威があって空振りを取れる投手じゃないと1位、2位のところはダメなのかもしれません。これはいい反省材料

…なんておっしゃっていますが、技巧派・制球派が、過去のU-18でゾーンの違いに苦しんだ反省は全然生きていないじゃないですか…。

高校No.1捕手が松尾選手であることに異論はないですが、バッテリーには相性もあり、大阪桐蔭で速球派投手と組んできた松尾選手に、このような状況を任せるのは酷な話です。

記事についての余談ですが、確かにストライク判定は厳しめでしたが、試合中継を見ていて「ど真ん中」はなかったと思います(投げるはずないし、相手打者が見逃すのもおかしい)。ベンチの余裕のなさが表れた発言かなあ…と感じます。

明徳でエースと心中タイプの馬淵監督は、U-18において継投はためらいませんでしたが、まるでその代わりのように、正捕手に固執した感がありました。

野田選手だけでなく、もう一人の捕手・渡部選手も松尾選手とはタイプの違う好捕手だったんですが、捕手としての出番はほとんどなし。渡部選手が1試合だけ先発マスクだった試合では、相性がよさそうな投手もいましたけどね…。

捕手としてほぼフル出場し続けた松尾選手は、大会後半となるSR以降は疲労の色が濃く、本来のパフォーマンスが見せられなくて、何だか誰得にもならなかったよなあ…と。

アクシデントはあったけど選択は正しかった?

2022年のU-18は直前に二人の辞退者が出て、一人は投手、もう一人は投手兼任の野手だったため、投手枚数が減ってしまいました。

そのため、投手もできる野田捕手は投手陣営に引っ張られてしまった…というアクシデントはありました。

制球と度胸が良いタイプの野田選手は、もともと投手登録でないこともあり、球数制限が厳しい大会において、スキマのイニングを埋める存在として使いやすかったのだろうなとは思います。

でも、ピッチャー枚数を追加するために、エース級と期待した投手の神ピッチの可能性を奪った選択は、優先順位として正しかったのか…という疑問は残ります。

もしかしたら、負担も考えて、ほぼ投手オンリーの使い方になったのかもしれませんね。

ただ、九国では主軸打者も主将も務めていたタフさを思うと、香西投手の時だけマスクをかぶるくらいは、それほど負担ではなかったんじゃないかなあ…。

野田選手のU-18での投球パフォーマンスは、ファールでカウントを稼ぎ、早い段階で打たせて取り、球数を少なく済ませる…ゾーンと球数制限が問題となる大会において理想的でした。もし捕手だったとしても合理的なリードを試みたんじゃないかと…本当に見てみたかったです。

実は、過去のU-18でも同じ高校からバッテリーを選んでおいて、本番ではあまり組ませないという謎起用の例はあります(2015年の中京大中京、2017年の福岡大大濠。中京は捕手のケガという噂もあったし、結果的には静岡の堀内捕手とうまくいっていたけど)。

何なんだろうなあ…。旧チームのやり方を持ち込んでほしくないってのがあったりするのかなあ…。

まあこんなにファンが力を入れて語るほど、残念ながらU-18の大会は重要視されていない…というのが本当のところなのかもしれません。

まとめ

この記事は書くかどうかかなり迷ったのですが、馬淵監督の「技巧派は国際大会では使えないかも」的な発言を疑問に感じたので書きました。

もちろん素人のタワゴトであることは承知の上ですが、今後「技巧派はU-18で使えない」ではなく、「使う方策をしないならば選ばない」という方針を望みます(技巧派ファンとして)。

技巧派は速球派よりも熟練した配球を必要とし、バッテリーの完成度が重要になってきます。

現在みたいに大会直前に即席チームを結成するという日程であれば、技巧派・制球派投手は、なるべくバッテリーをセットで呼べるチームから選ぶのが得策でしょう。

今回はそれでうまくいくかを試す良い機会だったのですが…結局試さずじまいだったのも、技巧派ファンとして残念でした。

というかU-18の大会自体、岩井コーチは留守中に自チームがセンバツ絶望になっているので、コーチや選手の選び方、大会の位置づけなどを、しっかり整理した方がよいと思います。

ちなみに私は、U-18の大会は甲子園不出場組を中心に選んで、チームをなるべく早く結成し、きちんと勝ちに行くのがよいと考えています。

2022年のU-18は首脳陣の采配にいくつか疑問はありましたが、選手たちは雰囲気よくまとまって、大変な日程の中、健気によくやっていたと思います。

雨にも振り回され厳しい試合が続いた中、最後は銅メダルを取ることができて、頑張りが少しでも報われて良かったです。

帰国したらまずはゆっくり休んでください。今回の経験が、次のステージでの糧となることを願っています。

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