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侍ジャパンU-18の選手選考は甲子園出場組の疲労が大問題

野球場 高校野球
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夏の甲子園大会が終わると、すぐに18歳以下の野球日本代表、U-18侍ジャパンが出場する大会が開催されます。

U-18侍ジャパンの大会は、一年交代で、18歳以下の世界大会(ワールドカップ)か、アジア選手権が開催されます。

甲子園で活躍した選手たちが集まるドリームチームが、甲子園の熱冷めやらぬうちに結成されることで、年々注目が高まってきている大会です。

しかし私は、この大会の選手選考方法について、疑問を感じています。

ひとりの高校野球ファンの意見として、「こんな風に考える人もいるんだな~」とお読みいただければ幸いです。

甲子園上位進出校の選手には酷すぎる日程

U-18の代表選手は、甲子園出場の有無にかかわらず、全国から有望選手を集めます。

とは言っても、実情としては、「甲子園大会での知名度をある程度は考慮」している選考になっています。

プロ野球ドラフトで上位指名されるような選手でも、「甲子園出場経験がない」もしくは「マスコミがそれほど騒いでいない」選手は、U-18の代表に選ばれにくい傾向があります。

そのため、夏の甲子園の優勝校や準優勝校からも、選手が選出されることが多いです。

優勝校・準優勝校から選ばれた選手たちは、決勝戦を戦った日の、わずか2~3日後にはチームに合流しています。

甲子園から帰郷して、休む間もなくU-18のチームに合流、そして、ジャパンのユニホームを着て、世間の注目を集める試合を戦う…。

2017年の大会では、花咲徳栄の清水投手は、甲子園の疲労を考慮した使われ方をしていましたが、広陵の中村捕手は、多くの試合に出場しました。

本人のことは本人のみぞ知るですが、外から見ると中村選手、かなり疲れが残っているように感じましたね…。

2018年は優勝した大阪桐蔭の選手を中心に、準優勝の金足農の吉田投手をエースに据えるチーム編成で、ジャパンの成績はアジア3位を辛うじて確保という内容。

2019年は準優勝の星稜からバッテリーを選出しましたが、奥川投手は「疲れ」を明言し、決勝ラウンド1試合のみの登板。

…何だか結論は目に見えている感じがあるんですけどね…。

毎年、特定の投手に負担がかかっている流れ

さて上でも少し触れましたが、2019年の準優勝投手・奥川(星稜)、2017年の優勝投手・清水(花咲徳栄)、2015年の優勝投手・小笠原(東海大相模)などは、甲子園での投球の疲労を考慮した起用法だったと感じました。

2018年の準優勝投手・吉田(金足農)、2016年の優勝投手・今井(作新学院)や、2015年の準優勝投手・佐藤(仙台育英)、逆に使いすぎだと感じましたが…

こうやって、甲子園の疲労が残る投手がチーム内にいることで、当然ながら他の投手の起用法に影響が出てきます。

しかも、特定の投手を偏って起用するという流れになることが多いです。

U-18に選出されて、登板機会が多かった投手は、U-18での投球が原因とは限らないのでしょうが、プロ入団や大学入学後に、故障や不調に悩まされるケースが多いのが気になります。

甲子園出場組の野手は木製バットへの対応期間が少ない

野球バットとグローブ

甲子園で上位進出した選手たちが、U-18の大会でコンディションがよくないというのは、チームの首脳陣も感じていることでしょう。

U-18代表の中には、春のセンバツ大会には出場して活躍したけど、夏の甲子園は逃したという選手も何人かいます。

こういった「夏の甲子園を逃した組」は、早めにU-18に備えることができるため、比較的コンディションがよいです。

特に野手は、木製バットに慣れるための練習に甲子園出場組よりも早く取り組むことができます。

日本の高校野球では金属バットが使用されていますが、U-18の試合は木製バットで試合が行われます。

逆に甲子園に出場した野手は、木製バットへの対応が、どうしても遅れてしまいます。

U-18に選ばれるほどの選手たちなので、大会中に木製バットに対応していく早さに、驚かされることは多いですけどね。

U-18の選手選考は夏の甲子園不出場組に限定しては?

こういった、夏の甲子園組のコンディション不良や、疲労をどうするか。

答えはシンプルだと思います。

夏の甲子園直後に行われるU-18の大会に出場する選手を、甲子園を逃した高校の選手たちから選ぶようにすれば、全て解決します。

野球ワールドカップは、甲子園とは全く別の大会です。

甲子園という夢を逃した選手たちは、もう一つの夢が与えられることで、モチベーションが上がるのではないでしょうか。

「甲子園で上位に残るチームの選手たちが入らなければ、日本代表とは言えないのではないか?」という意見もあるでしょう。

ですが、疲労が残った甲子園ヒーローたちを集めた即席チームより、早めに集まって木製バットや国際ルールへの準備をして、守備やバッテリー間の連携を深めたチームの方が、強いチームになる可能性はあると思います。

U-18の大会で興行が先立たないように…

さて、「U-18の選手は夏の甲子園に出場しない高校から選ぶ」というのが私の結論です。

ですが、自分で言っておきながら、これは難しいと思います。

最近の高校野球は、人気・報道が過熱しています。

U-18の大会の試合も、テレビやネットで中継されることが増えてきました。

もし甲子園ヒーローを選ばないとなると、視聴率や盛り上がりに影響してきます。

でも、私は思います。高校野球という人気コンテンツの盛り上がりは、甲子園だけでじゅうぶんじゃないですか?

U-18の大会はマスコミやファンの利益より、選手の体調面を優先してほしいです。

今年の甲子園の大会からは、選手の疲労・故障を考えてタイブレーク制度が導入されます。

選手の疲労を言うなら、このU-18の選手選考がもたらしている問題も、早急に取り組んほしいと思います。

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