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高校野球の名将・木内監督を偲ぶ。常総学院時代のマジックと面白インタビューの思い出

高校野球
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2020年の晩秋、高校野球ファンに愛された名将の訃報が届きました。

常総学院の元監督の木内幸男さん。

私が最も熱心に高校野球を見ていたのは1990年代で、木内監督は大好きな監督さんの一人でした。

木内監督の思い出を、ささやかながら綴ってみます。

木内監督は「ずっとスーパーおじいちゃん」だった

野球バットとグローブ

私が高校野球にはまるようになったきっかけは、1989年のセンバツ決勝、東邦ー上宮のサヨナラ試合をテレビ観戦したことです。

そのため取出二高時代の木内監督の記憶はなく、常総学院で現在の常総監督・島田投手を擁して準優勝した時代のことはうっすらと覚えている程度です。

初めて木内監督をしっかりと知ったのは、1989年の夏、仁志選手が3年生だったチームの時です。

その時すでに木内監督は還暦近いお年で、他の監督とは一味違う老獪さを醸し出していらっしゃいました。

HUNTER×HUNTERで、ハンター会長のネテロのすごさのひとつとして「ずっと爺」であることが挙げられるシーンがありますが、私にとってこのネテロのイメージは木内監督と重なります。

最初に見た時から「おじいちゃん監督」だったのですが、それから10年以上高校野球の第一線で活躍され、木内マジックを武器に何度も甲子園を沸かせました。

まさにネテロのような「スーパーおじいちゃん」でしたね。

実はワタクシ国体を見に行った時に、木内監督と一緒に写真を撮って頂いたことがあります。98年の松坂世代の年でした。

木内監督は「じいさんでゴメンね~」と気さくで、ファンにも優しかったです。

ぽこ
ぽこ

あの時は本当にありがとうございました!良い思い出になっています。

木内マジックで印象深いのは1994年春

さて、木内監督と言えば木内マジックです。

木内監督の采配はなぜだかよく当たるんですよね。

もちろん木内監督といえども采配が百発百中ということはなかったのでしょうが、大事な場面で勝負を決める戦術が当たることが多かったです。

特にランナー1塁からのエンドランは鮮やかに決まることが多かったなあ。

で、エンドランが決まった後の走者1、3塁からの攻めが抜群にうまく、スクイズあり、セーフティスクイズあり、重盗あり。

木内監督が率いたチームで一番印象に残っているのは、1994年の春準優勝のチームです。

その1年前がプロで活躍した金子選手などがいた大型チームで、94年は前年の主力が抜けた小粒なチームだったのですが、むしろこういったチームこそが木内マジックの本領発揮でした。

秋季大会では主戦投手ではなかったアンダースロー清本投手が、120㎞くらいしか出てなかったんじゃないかという球速で、驚くほど低めのストライクをどんどん決め、疲労が出た決勝以外はほとんど失点しませんでした。

攻撃は少ないチャンスを好走塁でモノにするというスタイルで、対戦相手にとってはキツネにつままれてたような試合に感じたのではないでしょうか。

この時の常総学院が決勝で当たったのが、当時はまだ優勝経験がなかった智弁和歌山でした。

1994年時点では智弁和歌山はまだ全国的な強豪ではなかったのですが、木内監督が決勝前に相手の印象を尋ねられた時に、それまでニコニコしていた表情を急に引き締め、「大人と子どもの野球」とコメントされたのを印象深く覚えています。

智弁和歌山の強さをあの時点で木内監督はよくわかってらっしゃったというか…。

ちなみにこの決勝で、後に名将となった智弁和歌山の高嶋監督は「木内監督を無視することに決めた」なんてコメントしていたのも面白かったです。

ぽこ
ぽこ

木内マジックVS高嶋監督の信念という1994年春決勝は、90年代のセンバツ名試合のひとつでした。

インタビューまでが木内マジック?

木内監督といえば、奔放な勝利監督インタビューも名物でした。

名物といっても、木内監督の方が構えて「何か面白いことを言ってやろう」という感じは全くなく、自然体に思っていることを饒舌に語るナチュラルな面白さでした。

投手がストライク判定を自己ジャッジして不満そうにすることがありますが、「ピッチャーと審判を一緒にするな!」とか「ボールって言われてもニコッとしとけ!」とか、そんなことを勝利監督インタビューであの木内スマイルで言われると、視聴者もついついクスっと笑ってしまいます。

ぽこ
ぽこ

常総学院の試合は監督インタビューまで見なきゃ!と思っていましたね。

木内監督は愛されキャラでありましたが、実は結構毒舌なこともありました。

私が好きだった94年のチームは「昨年の搾りカス」なんて評されていましたし、現在のSNS文化では叩かれそうな思い切った発言がありました。

高校野球の関係者がささいなことでオンラインで叩かれる風潮のせいか、現在は「木内監督のようにインタビューが面白い監督さんが少ないなあ…」としみじみ思います。

木内監督は人柄もあってたまに毒づいても愛されていましたが、木内監督のような個性的な監督さんはこのまま減っていくのかなあ…さみしいなあ…。

まとめ

木内監督の思い出をいろいろと綴ってみました。

常総学院は来春のセンバツが確実で、久しぶりの甲子園です。

こういうタイミングにしても、木内監督は本当に高校野球や甲子園に愛された人物なんだなあ…と感じます。

島田新監督が指揮を執る新しいチームは、関東大会の試合映像を見ると、強いのか弱いのかよくわからない混沌とした感じのチームで(でも底力はありそう)、木内時代の常総とは違うチームカラーと感じます。

でも木内監督の不思議な力にも後押しされて、センバツで躍進するんじゃないか…なんて期待もしています!

島田監督&新生常総が、どんな野球を見せてくれるのか楽しみです。

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