2022年のセンバツ高校野球出場校が決定しました。
私が昨年に予想していた出場校(21世紀枠以外)はこちら。
予想を外したのは1校だけです。
私は、私が選ぶべきだと思っているチームを予想するのではなく、地区ごとのここ数年の傾向を見て予想しているため、ほとんどが当たったということは、今までの選考基準とブレない順当な選考が多かったということでしょう。
でも、外した1校が…これは大波乱でしたね。
選考結果を見た全体的な感想をザっと書いてみます。
東海の波乱…大問題なのは選考の理由の説明では?
今回、最も物議を醸しているのは、東海の選出ですね。
準優勝の聖隷クリストファーではなく、ベスト4止まりの大垣日大の選出となりました。
東海大会の決勝は静岡どうしとなったため、地域性の面から、準決勝で優勝校・日大三島に敗退した大垣日大が浮上してくる可能性は、高校野球ファンの頭の中に少しはあったと思います。
私も予想記事の中で、可能性は低いとしながらも、大垣日大の名前を挙げました。
ですが、大垣日大が選ばれる可能性があるとしたら、それはあくまで地域性が理由の場合…だと考えていました。
だって…優勝校・日大三島との試合スコアを比較したら、
…こうですよ。
しかも、聖隷クリストファーは東海大会において、岐阜大会で大垣日大を破った中京に勝利しています。
それでも地域性を理由に逆転選出が起きるなら、地域性は選考基準に明記されているため、その価値観に同意はできなくても、仕方ないことではあります。
ですが今回の逆転選出は、あくまで実力選考という説明です。
「甲子園で勝てる可能性の高いチームを選んでいます」…って、仮に甲子園で当たる相手が中京だったら、単純に結果だけ見ると、大垣日大だったら負けて、聖隷クリストファーなら勝っているんですが…。
「勝てる可能性」の話をするなら、聖隷クリストファーの方が可能性高いと考えるのが自然じゃないですか?野球は個人個人のポテンシャルで勝負が決まるのではなく、1点でも多く取った方の勝ちです。
しかも日大三島戦を比較すると、聖隷クリストファーは6失点、大垣日大は10失点です。
選考会は「大垣日大が投打に上」「特に投手力に差」と説明していますが、あまりにも論理性に欠けています。
…こんな説明で高校野球ファン、それ以上に現場の選手たちが納得できると思ったのでしょうか?
選考委員長は、地域性から大垣日大を選んだことを完全に否定していますが、これもまた意味不明。
この選考で納得できる理由は地域性だけですよ。地域性による選考を否定しなければならないのはなぜなんでしょう?
今回の波乱選考は、選考そのものにも疑問がありますが、私はそれ以上に選考理由の説明が問題だと感じています。
なぜ聖隷クリストファーにまさかの落選のショックを与えた上に、理不尽に(=日大三島、中京との対戦結果を踏まえると)相手より戦力が下だなんて言わなければならないのか。
東海の選考委員長さん…高校野球の解説をされていた時は野球観が好きだったので、ちょっとショックですね。委員長一人の考えではないのでしょうけどね。
関東・東京はこれで2019年ショックは終焉か?
関東・東京の6枠目は激戦でしたが、多くのメディアで「やや有利」と言われていた通り、東京の二松学舎が選ばれました。
圧倒的に東京が有利な条件で関東に6枠目が行ってしまった2019年の横浜選出以来、
いったいどんな条件がそろえば東京に枠が来るんだ…?
…という感じだった関東・東京枠ですが、今回は2019年ほどは有利でない条件で東京に枠が来ました。
つまり今回の選考は2019年の選考とは矛盾していますが、「アレ(=結果より個々の力のポテンシャルの重視)はもうやりません」という選考会のメッセージなのかも…と思います。
2019年の選考があったせいで、今回は東海大相模を予想した人も多くいましたし、東海大相模サイドも少しは期待していたかもしれません。
東海大相模は少しかわいそうではありましたが、相模は日本を代表する超強豪校なので乗り越えられると思っていますし、夏は期待しています(そもそも相模はセンバツに出ない方が夏に強くなる傾向がある)。
とにかく今回の選考結果を見て、来年以降の関東・東京も、大多数が納得できるフラットな選考が続くのではないかと安堵しています。
近畿の選考はとにかくブレない
今回の選考で注目だった地区のひとつが近畿地区。
神宮枠が来て7枠となったことで、準々決勝敗退4校のうち1校だけが落ちるという、超激戦となりました。
予想記事の中で私は「県順位と地域性どちらを重視するのか、非常に興味深い」と書きましたが、近畿の選考委員長は明確に答えてくださいました。
予選1位は地域性を上回る
センバツ出場校決定! 波乱の選考会を徹底検証する
これはわかりやすいし、予選順位の重視に賛否はあれど、ここ数年の近畿の選考基準はブレていません。
こうやって選考委員長が明言してくれると、近畿のチームは県1位になれなかった場合は、近畿大会で2勝以上挙げられなかった場合は諦めがつくでしょう。
今回の東洋大姫路のように、県3位校が1勝のみでも選ばれることはありますが、それは枠の拡大などの条件が重なった時だけということですね。
皆を納得させることは難しいセンバツ選考過程において、近畿の選考委員の姿勢がブレず、発言に責任感が感じられることは素晴らしいと思います。
「地域性」の重視が地区によってバラつくのはあり?
今回の選考は「地域性」の重要度が、地区によってだいぶ違いましたね。
地域性選考を謎に否定した東海は置いておきますが、地域性を重視したのは中国・四国。重視しなかったのは近畿。
仮に近畿の選考委員が中国・四国の選考を行ったら、倉敷工より明徳が選ばれた可能性の方が高いかなと思います。
逆に中国・四国の基準で選んだら、近畿は市立和歌山でなくて近江ですよね。
センバツ選考は地区ごとに行うため、地区ごとの基準の違いが結構あります。
これがいいことなのか悪いことなのか…うーん、ちょっとわからないです。
ひとつ思うのは、地区ごとの選考が行われた後に、たとえば高野連などによる全体的な最終承認は行われないのか?ということです。
全体を見渡す立場の人がいたら、東海の選考に最終的なゴーサインを出したんだろうか…。近畿と中国・四国の基準の違いを指摘しないんだろうか…。
大統領みたいに、高野連会長が最終的に承認するという形を取れば、センバツ選考の理不尽さは少なくなる気もするのですが…どうでしょうね?さすがに荷が重いかな?
まとめ
2022年センバツ出場校決定を見た感想でした。
ここ2年ほどは波風の立たない選考が続いたため、今回の物議をかもす選考には驚いています。
聖隷クリストファーは配信で至学館戦を見ましたが、熱くて魅力的なチームでしたし、総合力を低く評価される理由は私にはちょっとわかりません。選抜で見たかったのに残念です。
今回のことで夏は応援する人も増えると思うので、どうか力に変えて頑張ってほしいです。
大垣日大には何も責任があるわけではないので、センバツは無観客の可能性もありますが、(私も含めて)ファンは温かく見守ってあげたいですね。
センバツをターゲットにしたチーム作りはしていないと思うので、センバツで力を出し切れるかどうかはわかりませんが、高校野球ファンは一丸となって、不当なバッシングから大垣日大を守ることも大切だと思います。