国学院久我山の優勝、二松学舎の準優勝で幕を閉じた2021年秋季高校野球東京大会。
決勝戦の観戦記は別ページの記事にまとめています。
このページでは、高校野球東京の秋大会全体について、ザックリとした感想を書いてみます!
国学院久我山の優勝は絶妙な組み合わせが後押しした!?
今年の東京大会の優勝候補筆頭は、昨年のチームの経験者が多数残った東海大菅生(準々決勝前まで)→東海大菅生との死闘に勝利した日大三(準々決勝後)→関東一に完勝した二松学舎(準決勝後)…と変わっていった人が多数派でしょう。
私もこのように考えていました
しかし、多数の予想を超えて優勝したのは国学院久我山。
昨年夏の西東京準優勝チームで、序列としては2番目のシード校に当たり、番狂わせということはないのですが、それでもやっぱり予想外でしたね。
国学院久我山は攻撃力が高く、勝ちきるゲームをする好チームですが、今回の優勝には、ひとつトーナメントの妙も味方したという面もあったかなと思います。
現在の東京のビッグ4は、東海大菅生・日大三・二松学舎・関東一と言えるでしょうが、夏は東西に分かれることを考えると、菅生と三高、二松と関一がバッチバチのライバルです。
久我山はこの4強のうち三高と二松を破っているので、文句なしの優勝ですが、まず三高と当たったのは、三高が菅生との死闘に勝利した次の試合。
三高と菅生の試合は両校の負けられない思いがガチンコでぶつかり合い、非常に見ごたえのあるゲームとなりましたが、昨秋に菅生に負けている三高が、意地で勝利をもぎとった感がありました。
この菅生との試合では、勝負どころでファインプレー連発だった三高でしたが、次の国学院久我山戦では、他の人が守っているかのように守備がボロボロ…。投手陣のマウンドも、主軸のスイングも、まるで別人のように覇気が感じられない…。
菅生との試合が素晴らしかっただけに、ホント残念でした…。久我山との試合だけを見た方に、三高の選手はもっと素晴らしいプレーも見せてくれるんだと伝えたいですよ!
まあ、これはアレですかねえ…スラムダンクの「山王工業との試合に全てを出し尽くした湘北は、続く3回戦愛和学院にウソのようにボロ負けした」。もしかしたら「菅生に勝って久我山に負けるはずない」という慢心もゼロではなかったかもしれませんが…。
で、準決勝で日大三に5回コールド勝ちした久我山の、決勝戦の相手は二松学舎。
二松学舎は前日の準決勝で、バッチバチのライバル関東一に完勝しました。
完勝とはいっても点差が開いたのは終盤で、中盤までは関東一が伝統の投打に粘り強い野球でくらいついていました。
秋の段階では今年は二松の方が戦力が整っている感じがしましたね。それでも僅差でくらいつく関東一の粘り強さ。
最後は好投を続けるエースに代打を出しその代打が見事的中という、勇気あるギャンブルに成功し、ライバルとの試合の勝負を決めた二松学舎。
二松は…この試合で力尽きたということはないですが、やはり関東一に勝ててホッとしたという面はあったんじゃないでしょうかねえ…。
決勝戦では、どこか気が抜けたようなプレーが随所に見られ、最後に久我山の逆転サヨナラを招いてしまいました。
実力校がつぶし合った2019年秋の大会の結果からか、シード校が設けられるようになった秋大会ですが、結果的にはシードがあっても、クジの結果に大会の行方は大きく左右されるなと感じました。
この秋の段階では、クジなど関係なく優勝できるような、飛びぬけた力を持ったチームはなかったということでもありますね。
いくつかのチームの雑感
実際に観戦したチームや、ネット中継で見たチームなど、優勝・準優勝校以外の雑感を書いておきます。
日大三。投打にポテンシャルは高い大型チームですね。菅生戦で見せた強さと、久我山戦で見せた脆さ。併せ持ったチームになるのか、脆さから脱却できるのか。2番手以降の投手が成長できれば、夏は久しぶりに強い大型チームに仕上がる可能性もあるかも。
関東一。昨年が勝負の年だったような感じもあり、秋の段階ではまだチームが出来上がっていないように感じました。夏に向けて主戦投手が誰になるのか…個人的に井坪選手は野手で見たいですけどね。
東海大菅生。投手の調整不足でセンバツを逃した感じです。正直センバツに出れば期待できたチームだとは思いますが、これで夏にかけるしかなくなりました。菅生ファンの私としましては、外野守備のレベルアップと、エースの復活を願っています。
帝京は準々決勝を現地で見ましたが、久我山とくらべて元気がないのが気になりました。帝京と久我山では個々の力は同等くらいに見えたのですが。正式な監督決定は来夏という話もあるので、チーム体制が整うまでは…という部分もあるのかなあ。
昨夏から旋風を巻き起こしている狛江は、「都立が強いのは東東京」というセオリーを打ち破っていますね。私は都立推しという部分はないですが、東京の野球少年に夢を与えてくれる存在なので、夏も存在感のある活躍を期待しています!
東京の投手君たち、春夏は投手戦を見せて!
さて。最近は「関東大会よりレベルが低い」などと言われて、選抜2枠をゲットできない東京。
関東大会は神奈川・千葉・埼玉・群馬・栃木・茨城・山梨の優勝・準優勝校が集まるため、東東京・西東京だけで行われる東京大会よりレベルが高いのは当たり前のことですね。関東の方がレベルが低ければ大変っすよ。
それはさておき、では今年の東京大会のレベルはどうだったかというと…少なくとも投手力はパッとしなかったなあ…。
甲子園レベルといえる投手は、二松の布施投手くらいだったんじゃないか。昨年の準決勝が好投手そろい踏みだったのとくらべると、物足りなさはありました。
野手は上位校にはどこにも光る選手がいて例年並みだったと思いますが、この投手力の低さが、大会レベルと結びつけてしまわれないか…という懸念はあります。ハイ、センバツ選考の話です。
2019年の例の菅生横浜問題の際に大会レベルの話を持ち出されているので(あの年の関東は近年でもレベルが高くなく理不尽な話だと思っていますが)、ちょっと気がかりです。
私は二松学舎も東海大相模も好きなので、どちらがセンバツに行ってもいいんですが、センバツ出場はポテンシャルより結果重視という考えがあるため、二松の方が選ばれてほしいと思っているんですよね。
いずれにせよ、東京の投手諸君、春と夏は奮起してほしいよっ!
この秋はしびれるような投手戦を見ることができなかったので、春は見違えるように成長したピッチングを見せてほしいです。
まとめ
2021年の秋季高校野球東京大会全体を振り返った感想でした。
MVPは国学院久我山打線、技能賞は二松の布施投手、敢闘賞・殊勲賞は狛江のダブル受賞、ベストバウトは日大三-東海大菅生かな。
この秋は関東の県大会が無観客だったり関東大会日程が延期になったりして、東京大会しか現地観戦できませんでしたが、来秋こそはコロナ禍がおさまって、東京大会と関東大会の観戦に走り回る、忙しい秋が戻ってくるといいなあ…!