2018年の夏の甲子園が閉幕しました。
大阪桐蔭二度目の春夏連覇で、大半の高校野球ファンが予想通りしていた通りの結果となりました。
その中でも、金足農の大フィーバーを筆頭に、予想できない事も起こるのが、高校野球のおもしろさでしたね。
高校野球マニアのワタクシですが、2018年夏の甲子園で、最も心に残ったのは最強軍団大阪桐蔭でも、ミラクル金足農でもありませんよ…。
涼しい夏になるはずだった8月でしたが…
実はワタクシ、このブログでもちらっと触れていますが、今年は、東海大相模や明徳義塾、日本航空石川など、選抜で応援していたチームや、東海大菅生の忍者君などが地方予選で次々に負けてしまい、
猛暑なのに涼しい夏になりそうだな…
と、いじけておりました。
夏の甲子園がはじまってからも、創成館の川原投手や、智弁和歌山の黒川選手など、好きな選手がソッコーで甲子園から去ってしまうし…。
今年も面白い試合は多かったんですけど、応援しているチームが次々に負けてしまうと、どうしてもテンションが下がってしまうものです。
私の心に夏が戻って来たのは8月12日
さて、はやくも秋の風が吹きこむかと思われた私の心が、一気に夏に舞い戻ったのが、大会8日目。
日曜日だったので、高校野球をつけて家でダラダラ過ごしていました。
第三試合は「星稜Vs済美」。
初回の攻撃で、星陵が一挙に5点を取りました。星稜は選抜のベスト8で、大阪桐蔭を追いかける有力校として名前が上げられるチーム。
あらー。初回で試合が決まっちゃったかな~
と思った私は、ずっとクーラーとテレビをつけっぱなしなのも電気代が大変なことになるな…と、いったんテレビを消して、昼寝などにいそしんでおりました(←「いそしむ」のまちがった使い方)。
で、「そろそろ試合は終わってるかな~」と、テレビをつけると…
えっ?えっ!えええええっ!?済美が逆転している~!!!
8回裏がちょうど終わったところで、済美が9-7と、試合をひっくり返している!しかも、星稜が今から最終回の攻撃だと…!?
しまった。済美だった。済美といえば魔法チーム。逆転劇は得意技だったよ…。
で、この試合がこれで終わらず、星稜が9回に追いついて、タイブレークまでもつれこみ、最終的に済美が、史上初となる逆転サヨナラ満塁ホームラン(しかもポールに当たったギリギリの)で勝ったのは、ご存知の通りであります。
済美の再逆転を生んだ冷静なピッチング
しかしこの試合、星稜が追いついた後に、済美が勝つことになるとは、思いもしませんでした。
済美の山口投手は、愛媛予選から一人で投げぬいているという…。
かたや星稜の投手は、この試合6人目で、見るからにもマウンドで元気。
山口投手は、私が昼寝してた時間帯に(この試合で昼寝とかホント申し訳ない…)死球を受けたという足が痛そうだし、先に山口投手が力尽きるだろうな…と見ていました。
しかし…山口投手…何回投げていても、表情もピッチングもまったくぶれない、変わらない…。このメンタルは何なのだ…!
タイブレークに突入した13回表、規定の無死1、2塁から、野選とスクイズで、やや仕方ない感じの2点を与えたものの、星稜に点が入ろうが、山口投手は淡々としている…。
冷静に後続を打ち取り、涼しげな顔でベンチに戻る姿には、まるでこの回、星稜に点など入っていないかのような錯覚を覚えました。その姿を見ながら、私は、
何となく済美がひっくり返しそうだな…
と、私にしては珍しく、女の勘がはたらいたのですが、果たしてその通りになりましたね。
山口投手のメンタルに惚れた!
山口投手は、予選から一人で投げている上に、延長タイブレーク13回まで投げぬき、「さすがにここまでかな」と思いましたが、私の想像のはるか上をいく投手でした。
3回戦高知商は四国のエース対決に勝ち、準々決勝報徳学園戦はリリーフで出てきて、地元の声援を受けるチーム相手に逃げ切り、準決勝大阪桐蔭戦は、限界を超えそうなところをグッともちこたえて、大差になりそうだった試合を立て直しました。
準決勝で、さすがに「あ…疲れているかな?」という表情を一瞬見せましたが、そこから持ち直したあの精神力には、ちょっとやそっとでは感動しないニブイ私でも、グッとくるものがありました。
もー、こんな投手大好きですよ!150㎞投げるわけでも、三振取りまくるわけでもないけど、自分のリズムで淡々と投げるメンタルがタフな投手!
この夏、いちばん私が引きこまれたピッチャーでした。
準決勝敗退後、マウンドでは見せないような晴れやかな笑顔を見せたのも印象的でした。
甲子園はこういう選手が輝く舞台!
今年の甲子園は100回大会ということで、レジェンド始球式がありましたが、高校時代の活躍というより、プロで活躍した選手が多かった人選がちょっと残念でした。
山口投手みたいに、派手なタイプではないけど、甲子園で輝きを見せる、私はそんな選手が好きなんです!
イヤ、それはアナタの好みだから!
…と、自分の思いのタケを叫んだところで、この記事おしまいにします。
山口投手、素敵なピッチングを見せてくれてありがとうございました。ゆっくり休んで次のステージでも雄姿を見せてくださいね!