チェコ旅行を計画している私。
プラハは美しそうだし、チェスキー・クルムロフはめっちゃかわいいし!
という、ミーハーな理由でチェコ行きを決めたのですが、よく考えれば(いや、よく考えなくても)チェコという国について何も知らない…。
個人旅行で行く予定なので、解説してくれるガイドさんもいません。
ほんのちょっとでいいから、チェコの歴史を知っておくべきかなあ…
と思い、手に取りやすかった新書版の「物語チェコの歴史」を読んでみました。
「物語チェコの歴史」は世界史苦手でも読める?
中公新書の「物語○○の歴史」はシリーズのようになっていて、いろんな国のバージョンが出ています。
このシリーズは何冊か読んだことがありますが、ちょっと私には難しかったものもあれば、読みやすかったものまで様々です。
「物語チェコの歴史」は、著者さんの文章がすっきりしていて読みやすく、頭に入りやすかったです。
私はチェコの歴史については、高校の世界史でちょっと習ったはずなのですが、頭の片隅にすら残っていませんでした。
つまり、ゼロからチェコの歴史を学んだわけですが、わたしのようなド素人でも、途中で投げ出したくなることなく、「フムフム…」と読み進めることができました。
「物語チェコの歴史」の構成は?
この「物語チェコの歴史」が読みやすかった理由の一つが、歴史教科書のような構成にはなっていなかったことです。
歴史教科書のように、政治的な流れを羅列していくのではなく、それぞれの時代を生きた人物や一族、特定の出来事にスポットを当て、その時代のチェコに触れるという構成になっています。
そのため、書かれている内容が抽象的すぎず、頭に入りやすいのかな、と思いました。
聖女アネシュカやカレル4世、フス戦争などにスポットが当てられています。
なじみが少なかった「チェコ史」には発見がいっぱい!
私にとってこの「物語チェコの歴史」は、まさに初めてのチェコ史という感じで、再発見や、新しく知ったことがたくさんありました。
チェコ王が神聖ローマ皇帝の下についていたことや、フス派の拠点だったはずのチェコがなぜ現在カトリック国なのかというと、背後にハプスブルク家の力があったこと、ドイツとチェコの近現代史における確執…。
高校の頃、世界史で習ったような単語もちらほら目にしたので、昔学習したことのはずなんですが、全然頭に入ってなかったということですねえ…。
完全に新しく知ったことと言えば、「チェコ人」と「スロヴァキア人」の違いが興味深かったです。
チェコ人とスロヴァキア人は民族的にはほとんど同じなのですが、歴史的にハンガリーの配下に入っていたのがスロヴァキア人なんですって。
まとめ
そんなわけで、この本を一通り読んだだけで「チェコの歴史を理解した!」とはさすがに言えませんが、思った以上に読みやすく、わかりやすかったというのが感想です。
チェコに旅行に行く予定の方は、読んでおけば、カレル橋に飾られている銅像のいくつかを「あ!物語チェコの歴史に出てきた人物だ!」と楽しめるのではないかと思います。
私もチェコに行く前に読んでおいて良かったです!
また、「物語チェコの歴史」を読む前に、中野京子さんのハプスブルク家についての本を読んでいたおかげで、スッと頭に入りやすかった部分もありました。
チェコと合わせてウィーンに行く予定の方には、こちらの本もおすすめです!