2020年の高校野球秋季大会。
コロナ禍の中、東京本大会は有観客での開催に挑戦してくださいました。
東京高野連さん、勇気ある決断と前例のない感染防止策に一生懸命取り組んで頂いてありがとうございました!
東京高野連の決断に感謝しつつ、私は3回戦の試合あたりから足を運びました。
そして準決勝以降の試合は、非常に非常に面白かったので、簡単に観戦記としてまとめてみます!
ちなみに準決勝の2試合は白熱しすぎて、試合中は写真を一枚すら撮る心の余裕がなく、試合後のスコアボードの写真だけです!
第一試合東海大菅生VS関東一は事実上の決勝戦?
秋季高校野球の本大会は、今年から夏大会の成績を踏まえたシード制が取り入れられました。
左側のヤグラは、一番上が昨年の西東京優勝の東海大菅生、一番下が東東京準優勝の関東一で、シードの序列1、2位のチームが順当に勝ち上がりました。
シード通り勝ち進むということは…東海大菅生も関東一も本当に強い、と言えますね。
私は東京には好きなチームが多く関東一もその一つなのですが、ここ数年は2年前のセンバツ落選以来、特に東海大菅生を応援していまして、秋季大会の組み合わせ抽選が行われる前に
東京は強いチームがたくさんあるといっても、関東一だけは決勝まで当たりたくないなあ…。
と思っていました。
しかし願いはかなわず、準決勝で当たる組み合わせになってしまいました。
関東一は毎年強力な攻撃力と、安定した守備という総合力の高いチームを作りますが、今年度のチームはそれに加えて、東京ナンバーワンと言っても過言でない市川投手を擁します。
ひとつ前のチームから下級生が多く活躍している東海大菅生も今年は力のあるチームとはいえ、市川投手+いつものきっちり関東一というチーム力には苦戦するのではないか…。
また、できれば来春は菅生と関一に2校センバツに行ってほしいという気持ちもあったので、決勝まで当たってほしくなかったんですよねえ…。
東海大菅生の雑感
さて、まずは東海大菅生の雑感を書いておきます。
東海大菅生はこの試合は先攻となり、「ヤバイ…」という思いばかりでしたよ…。
東海大菅生はこの夏くらいからちょっと改善してきた感はありますが、勝負強さに欠けるイメージがあり、粘り強い関東一を先攻で振り切れるとは思えなかったんですよね。
この試合、関東一にリードを許したのは1回裏の1イニングだけだったんですが、試合が終わるまでずっとリードされている気分でした。
しかしどうしてこんなに関一は毎回毎回ランナーを出しているんだろう…と冷静に考えてみると…投手陣の四死球が多すぎるっ!9回までに9つ!
特に本田投手は、右打者への死球がなぜあれほどまでに多いのであろうか…。
しかし本田投手、毎度完璧なピッチングではないのですが、それでも1イニングに大崩れして大量失点はせず、終盤まで3点以内には抑えて試合を作るんですよね。
本田投手はひょうひょうとマイペースでメンタルは強そうなのですが、大崩れしないのには他に理由があるんですかね?コントロールも良いのか悪いのかわからない不思議サウスポーです。
さて8回に3点差をつけた時は、「鈴木投手が2イニング3失点はないだろう、勝った…!」と思った私は甘かった。
ここから菅生は投手と守備がバタバタしはじめ、最後は野手の千田選手が気迫のマウンドで、何とか逃げ切りました。
千田選手は高校に入ってから大きな試合で投げたのは初めてだったでしょうが、あれだけ内野(というか某Jr…)に足を引っ張られながら、よくぞ崩れずに投げ抜きました。
今年度の東海大菅生は本田投手・千田選手をはじめ、何人か肝の据わった選手がいて、それが強み…なのかなと思います。
もっともこの「肝の据わり」は、夏の独自大会の熱戦で培われた気がして、前年度の甲子園がなく無念だった玉置主将の世代から引き継いだ財産と言えるのかもしれません。
関東一の雑感
対する関東一。いやー、強かったです。怖かったです。
市川投手は一週前の八王子戦ほどの出来ではなかったと思いますが、何というかマウンドさばきが手馴れていてエースの風格漂う投手です。
直球が狙われると配球をすかさず変えてきて、しかも直球でも変化球でも簡単にストライクを取れるコントロールの良さで、守備のリズムの良さも生み出すんですよね。
ただし8回には少し疲れが見えて…力投派なだけにスタミナが課題なのかな?と思っていたら、後でニュースを見ると少しコンディションが良くなかったようですね。
そのコンディション万全でない市川投手に、大事な場面で替えられる投手がいなかった…そこがこの試合の勝敗を分けた数少ない要因のひとつだったのかもしれません。
また関東一は変則左腕本田投手への対策か、大幅にメンバーを入れ替えていましたが、レギュラーも代打で出てきた選手も遜色なく、ベンチ層が厚いなと感じました。
中盤は相手の四死球やエラーもあって押す展開でしたが、あと一本が出ず、これは菅生の本田投手の強さなのかもしれませんが、中盤に加点できなかった流れが菅生の8回の勝ち越しを許してしまいましたね。
夏に向けては、市川投手を4番に据えるのではなく、6番あたりに置く打線を固定できれば、市川投手の負担は少し軽減するかもしれません。
しかし市川投手は、打者としてもこの試合2本のタイムリーを含む全打席出塁と大活躍だったのですが、試合後に「味方が5点も取ってくれたのに…」というコメントがカッコよすぎる!
その5点のほとんどが貴方の活躍ですよ!
こういったあたりもエースの風格がありますよねえ。センバツに出てほしかったなあ。イヤ、菅生の切符は譲れないけどっ!
関東一は相当強いので、来夏の東東京大会の要となりそうですが、異様に粘り強い今年度の二松学舎はそうそう大人しくしていないだろうな…という感じです。
まとめ
2020年の高校野球秋季東京大会、準決勝第1試合の東海大菅生VS関東一の観戦記でした。
第2試合の二松学舎VS日大三はこちら!
決勝戦の観戦記はこちら。