智弁和歌山の高嶋監督のご勇退を受けて、当ブログは高嶋先生祭を開催しております!
5日目の今日は、昨日の続き、「高嶋監督が指揮した甲子園の試合、心に残った試合ベスト5」の、2位を発表しますっ!
選んでいるのは、もちろんワタクシの独断と偏見でございます。
ちなみに、5位~3位はこちらの記事でどうぞ。
第2位は…智弁和歌山6-5宇和島東(1994年春準々決勝)!
来ましたっ!智弁和歌山ファンにとっては伝説の試合。
智弁和歌山が初めて全国優勝した、1994年春のセンバツの試合です。
相手の宇和島東はどんなチームだった?
相手の宇和島東は、この大会で優勝候補に挙げられていました。
後にプロへ行くスラッガー橋本・宮出や、今で言うところの「二刀流」松瀬などがいたチームです。
私、結構、松瀬が好きでした。この年は宇和島東も智弁和歌山もどちらも好きで、どっちが勝ってもいいな~と思いながら見ていました。
宇和島東は前年から優勝候補と言われていましたが、春夏とも思うような結果が残せず、残ったメンバーたちで、二年越しで全国制覇を目指していました。
戦前の試合予想は宇和島東有利だった
対する智弁和歌山は、甲子園初勝利を挙げた翌年の甲子園。
前年の甲子園を経験したメンバーが多く残っているとはいえ、優勝候補の宇和島東に「挑む」という試合でした。
しかし、「智弁和歌山はただの挑戦者ではないかもしれない…」という考えを持っていた高校野球ファンは多かったのではないかと思います。
この宇和島東戦の前の試合で、超高校級選手をそろえた大型チーム横浜に(後にプロ選手を4人も輩出)、智弁和歌山は10-2と大勝したのです。
高校野球では番狂わせがよくあるとはいえ、10-2という圧倒的なスコアが、高校野球ファンをざわつかせていました。
宇和島東戦はどんな試合になったの?
フタを開けてみると、この試合は宇和島東が優位に試合を進めました。
「智弁和歌山は横浜に大勝したけど、横浜がちょっと調子が悪かっただけで、宇和島東は普通にしっかり勝ちきりそうだな…」という雰囲気で、宇和島東4点リードで9回表を迎えました。
この試合、宇和島東は、秋までエースだった岩井が、すばらしい投球を見せましたが、9回に疲れが見えて、1失点したところで継投しました。
この年の宇和島東の投手陣で、エース格だったのはショート兼任の松瀬。ここの継投では松瀬を投入せず、私はこの時点では
宇和島東は岩井がよく投げたな~。この試合を松瀬が投げずに勝つとなると、優勝がグッと近づいてくるな…
と、思いながら見ていました。
しかし、代わった投手が乱調で、ストライクが思うように入らない…。四死球で満塁、押し出し…と、まずは2点差に。
2点差になって、なお満塁という場面でも、スリーボールノーストライクとなってしまいます。
ここで宇和島東は、たまらず松瀬を投入。
満塁スリーボールでマウンドに上がるのは大変な場面ですが、松瀬は非常にハートが強い投手。この緊迫した場面でも、怖じ気づいたような表情は一切見せず、初球は堂々とストライクを取ります。
さて、打席の方にいたのは、智弁和歌山の核弾頭・植中。
思い切りのよいスイングが持ち味の、闘志あふれる一番打者です。
松瀬は次の2球目もストライクを投げ込みますが、これを植中がフルスイング。右中間を割る、大逆転の走者一掃スリーベースとなりました。
逆転された宇和島東は、二年越しの全国制覇の夢を、かんたんには諦めません。気迫あふれる攻撃で、9回の裏に追いつき、試合は延長戦となります。
最後は10回表に、智弁和歌山のリリーフエース松野が、打席でも勝負強さを見せて、レフト前にしぶとく抜けるタイムリーで試合に決着をつけました。
高嶋先生も勇退会見で、印象に残る試合だとおっしゃっていた試合ですが、智弁和歌山の「全盛期」の、異様なまでの勝負強さは、この試合からはじまったように思います。
この後、智弁和歌山は準決勝では、これまた優勝候補だったPL学園を破ります。
横浜、宇和島東、PL学園…と、厳しい相手を撃破しながら頂点まで上り詰めたことが、その後の智弁和歌山の強さの礎となったのかもしれません。
私の智弁和歌山ベストゲームは…
さて、この試合が2位ということは、高嶋先生指揮の智弁和歌山の試合・第一位は…こちらです!