2024年センバツ出場校、21世紀枠をのぞいた一般枠、30校を予想してみました。
この記事は「予想」であって、私が「ここを選ぶべき」と考えているわけではありません。私自身の考えより、例年の選考会の傾向を考慮した「予想」であることにご留意ください。
北海道 | 北海 |
東北 | 青森山田・八戸学院光星・学法石川 |
関東・東京 | 作新学院・山梨学院・健大高崎・常総学院・桐光学園・関東一 |
東海 | 豊川・愛工大名電・宇治山田商 |
北信越 | 星稜・敦賀気比・日本航空石川 |
近畿 | 大阪桐蔭・京都外大西・京都国際・耐久・報徳学園・履正社 |
中国 | 広陵・創志学園 |
四国 | 高知・阿南光 |
九州 | 熊本国府・明豊・神村学園・東海大福岡 |
以下、このように考えた理由を書いていきます!
北海道…100%北海だね
北海道…1枠
北海道は1枠なので優勝校の北海で決まり。100%決まり~。
東北…一関学院か学法石川かは超僅差で決まりそう
青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島で3枠
遅すぎたくらいの増枠で、3枠となった東北地区。
2枠だった時は「優勝校と準優勝校で決まり」だったのですが、3枠となって予想が難しくなりました。
今秋の東北大会決勝は青森どうしの決勝となりましたが、決勝のスコアは3点差とそれほど開きませんでした(青森山田3-0八戸学院光星)。
光星がノーヒット敗退だったことは少し気になりますが、光星には好投手もいますし、3枠で準優勝校が落選することはよほどの場合ですので、青森2校は当確でOKでしょう。
難しいのは3校目の予想です。
準決勝の結果は下記の通り。
コレは…予想が難しい。
準決勝のスコアだけ見れば学法石川がリードしていますが、学法石川が負けたのは東北準優勝校、一関学院が負けたのは東北優勝校という違いがあります。
また、東北地区はこれまで3枠だったため、地区順位がどれだけ大きなファクターになるのか読めないのですが、一関学院は岩手1位、学法石川は福島3位で、地区順位は一関学院が有利です。
とはいえ、学法石川は宮城1位と秋田1位に勝利しているため、地区順位はリセットされると考える選考委員もいるでしょうね。
学法石川に有利な材料は、学法石川は3位校だったために東北大会を1試合多く戦っていて、東北大会の勝利数は学法石川が3勝、一関学院が2勝と、学法石川がリード。
でもまあこれも、一関学院は1位校だから1試合少ないのであって、試合数が少ないのは県大会で強かった証拠と考えることもできるでしょう。
非常に難しいですが…高野連の好みを考えると、準決勝で無失策・四死球ゼロだったという理由で、学法石川の方に軍配が上がる…と予想してみます。
学法石川が他県の1位を2校撃破しているのに対し、一関学院は1位校に勝利していないですし、学法石川は県大会で一関学院が初戦で勝利した福島2位の光南に負けたわけではない…こういったところが選考に影響してくるかな、と。
また、福島県は聖光学院の覇権が続いているので、「福島県から他のチームを甲子園に出したい」という東北選考委員の気持ち…こういった微妙な部分も出てくるかもしれない…。
とはいえ、自信ないですっ!学法石川51%、一関学院49%くらいの感じで、学法石川予想で行ってみます。
関東・東京…共通枠は今回は関東に行きそう
関東と東京の「共通枠」があるため、いつも(ファン予想が)紛糾する関東・東京。
とりあえず確定の高校を先に挙げておきましょう。
関東の4強進出校は、今年はダブっている県がなく、準決勝がコールドスコアにもなっていないため問題なく当選。作新学院(栃木)、山梨学院(山梨)、健大高崎(群馬)、常総学院(茨城)の順で名前が呼ばれるでしょう。
東京1枠目は、優勝の関東一で決定。
東京が共通枠に推薦するのは準優勝の創価で間違いないので、まずは関東が5枠目として推すのがどのチームになるか考え、最後に東京の創価と比較します。
関東5枠目は桐光or中央学院、可能性があるのは花咲徳栄までか
関東大会準々決勝敗退校の比較をしてみます。
県順位 | 初戦 | 準々決勝 | 地域性 | |
---|---|---|---|---|
帝京三 | 2位 | 5-0明和県央 | 2-7作新学院 | × |
花咲徳栄 | 1位 | 8-6横浜 | 5-10常総学院 | 〇 |
中央学院 | 1位 | 10-2白鳳大足利(8C) | 3-4健大高崎 | 〇 |
桐光学園 | 1位 | 6-3文星芸大付 | 2-4山梨学院(延11) | 〇 |
まず…帝京三は脱落かな…。地域性で分が悪い上に、残りの3校は埼玉、千葉、神奈川と激戦区1位校。準々決勝で地元の作新相手に、相手の方が強い&完全アウェイの中、気持ちを切らさないで戦った姿は好感持てたんですけどね。
残りの3校ですが、準々決勝の「負け方」から、「4強と遜色ない力がある」と見なされそうなのが中央学院と桐光学園。
私は関東大会の準々決勝はすべて現地観戦したのですが、印象としては…戦力が上なのは桐光、試合運びが上手いのは中央学院といったところです。
中央学院は健大高崎相手に「相手の方が力があるけど食い下がった」という感じで、桐光は山梨学院相手に「自分の方が力はあるのに試合巧者にやられた」という印象を受けました。
うーん、コレをどう取るかは、選考委員しだいでしょうねえ…。
個人的には中央学院の方が好みのチームなのですが、桐光はタイブレークまで持ち込まれて負けた…勝てる試合を落とした感じがあり、4強進出により近かったのは桐光だったように思います。
初戦のスコアは中央学院の方が良いですね。この試合も現地で見ていましたが、終盤に相手校の気持ちが切れて自滅した感じがあったので、「中央学院が桐光より強い」という印象は持てなかったかなあ…。
今年の秋に限っては神奈川の方が千葉より激戦に見えたので、ここもポイントかなと。
実際に桐光と中央学院が秋の段階で試合をすれば、中央学院が1点差で粘り勝ちしそうな気がするんですが、これはさすがに個人の想像ですしね…。
選考会では中央学院を推す声も上がるとは思いますが、僅差で桐光が5枠目となると考えます。
あと、花咲徳栄にも言及しておきます。徳栄は激戦ブロックに入り、打力の高さを見せつけた点は見逃せません。
新バット導入でセンバツはロースコアの試合が多くなりそうなので、今年は投手力より打力が良いチームが選ばれやすいのではないか…という気がするんですよね。
試合スコアよりチーム力を重視する近畿地区だったら、花咲徳栄の可能性はソコソコあるんじゃないかと思います。
ですが、選考委員長が代わってからの関東地区は主観より客観重視、試合結果で選考する傾向が強いため(個人的には客観選考に賛成)、花咲徳栄の可能性は低いと考えています。
創価は失点の多さと東京大会全体のレベルが問題か
さて。最後の1枠。
関東大会と東京大会という、別の大会に出場した2チームをくらべるのですから難しいです。
私は関東大会も東京大会も何試合か現地観戦しましたが、この秋に限っては関東の方が東京よりずっとレベルが高かったと感じました。
関東大会は例年よりレベルが高かった印象ですが、東京大会はここ数年の中で投手力が低かったですね(二松も三高も菅生も夏に向けた課題は投手力)。優勝した関東一とそれ以外のチームに、スコア以上の力の差を感じました。
東京準優勝の創価は、東京の甲子園常連校である強力打線の二松学舎、日大三、東海大菅生のどことも当たらずに決勝まで来ましたが、それでも失点がかなり多いです(6試合で27失点)。
関東5枠目が桐光でも中央学院でも万が一の花咲徳栄でも、東京に現段階でこのレベルと張り合える力があるのは関東一だけかな、と。
地域性の観点からも、神奈川・千葉・埼玉の中から1校は出したいでしょうし、今回は関東5枠東京1枠となる可能性が高いです。
東海…より穏便な選考で行く気がするよ
愛知・岐阜・三重・静岡で3枠
東北と同じように2枠→3枠となって予想が難しくなった東海地区。
決勝戦が愛知どうしの同県対決となりましたが、聖隷クリストファー落選問題もありましたので、決勝進出の2校、豊川と愛工大名電は選出確実でしょう。
ベスト4敗退2校、藤枝明誠(静岡)と宇治山田商のどちらが3枠目をゲットするかが焦点になります。
準決勝のスコアは以下の通り。
数字だけ見ると、優勝校に惜敗している宇治山田商の方がリードですね。県順位はお互いに1位なので同等ですし。
藤枝明誠は東海大会で前評判の高かった県岐阜商に勝っているので、ココを評価したくはなります。
センバツの選考基準のポイントにはには
秋季大会の試合結果、試合内容をもとに評価する。その割合は同程度とし、総合的に判断する。
というものがありますが、コレ、結構難しいですよね。特に炎上があったばかりの東海地区で、議論を呼ぶような選考はしないのではないかと思います。
藤枝明誠選出の可能性はゼロではないと思いますが、穏便に宇治山田商が選ばれる可能性の方が高いと考えます。
北信越…神宮枠で増えた3枠目は順当に決まりそう
富山・石川・福井・長野・新潟で2枠+神宮枠1枠=3枠
ここのところ元気がない北信越地区ですが、北信越優勝校の星稜が神宮大会で優勝と、明るいニュースがありました。
星稜のおかげで神宮枠がやってきて、1枠増の3枠。
決勝戦は接戦だったので、準優勝校敦賀気比は当確。
3枠目はベスト4敗退校のうち1校となりますが、準決勝のスコアを見てみると…
地域性はどちらも同県のチームが先に選出されるので五分五分。
準決勝のスコアは日本航空石川が優勢。地区順位は北陸が優勢。
ですが、日本航空石川は石川県大会決勝で星稜と5-6の延長タイブレークの末敗退しているので、「星稜や敦賀気比と同等の力がある」と見なされるのではないでしょうか。
日本航空石川と北陸、両者の星稜戦の結果が決め手となって、日本航空石川が3枠目をゲットすると考えます。
「石川と福井以外の県を出したい」という選考委員もいるでしょうが、石川・福井以外のチームは準々決勝で大差で姿を消しているので、逆転選出は無理でしょうね。
近畿…読めない近畿選考委員の頭の中を読む
大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山で6枠
6枠の近畿は、まずベスト4の4校は確定させちゃいましょう。優勝の大阪桐蔭、準優勝の京都外大西、ベスト4の京都国際、耐久(和歌山)はセンバツに向かって準備してくださーい!
準決勝のスコアは2試合とも開いていないので問題なし。京都2校あるけど近畿6枠にダブル出場は何でもないので問題なし。
さて。近畿の予想はここからが本番ですね。準々決勝敗退の4校から2校が選ばれ、2校が落選する、まさに天国と地獄。
いつものように準々決勝敗退校のスペックを並べてみましょう。
県順位 | 初戦 | 準々決勝 | 地域性 | |
---|---|---|---|---|
報徳学園 | 1位 | 2-0奈良大付 | 3-4大阪桐蔭 | 〇 |
近江 | 1位 | 2-0興国 | 0-1京都国際 | 〇 |
履正社 | 2位 | 8-1滋賀学園 | 7-10京都外大西 | × |
須磨翔風 | 2位 | 5-4智弁学園 | 1-4耐久 | △ |
近畿は2022年のセンバツまでは、県順位(特に1位校)が非常に重視される傾向がありました。
しかし昨年のガイドライン改定で、地区大会>県大会が明記されました。
そのためか2023年センバツ選考では、県順位3位校(社)が2位校(高田商)よりも評価されて選出されています。
ただ、これは2位校が3位校に負けたという例なので、1位校の選出が今まで通り優遇されるのかはフタを開けてみないとわからない…。
とりあえず県順位は、2022年までの1位校優遇が少し緩和される可能性…を考慮します。
そんな中、4校で最も有利な立ち位置にいるのは報徳学園。
報徳は複数の好投手を擁し、大阪桐蔭ともスコアの近い戦いをしました。ここ数年激戦となっている兵庫の優勝校ですし、報徳落選は考えにくいです。報徳は90%以上当選でしょう。
次に有利に見えるのは地域性を考えると近江。2022年センバツ選考ではディフェンスの弱さを指摘されて落選しましたが(結果的に出場となったけど)、今回は近畿大会で失点がかなり少ないです。
で、これまでだと「県1位だし近江で決まり」と言いたくなるのですが…気になるのはやはり、昨年の「社選出・高田商落選」の怪。
昨年の選出は理不尽とまでは言いませんが、多くの人が地域性と県順位で有利な高田商の当選を予想する中でのプチサプライズ選考でした。
そう。近畿選出は「理不尽とまでは言わないけどそう来る!?」という感じの、予想が外れる選考が多いんですよね~。
そうなると、どうなるか…。
まず須磨翔風について考えてみます。地域性を「△」にしていますが、これは報徳が先に選出される可能性が高いためです。
初戦で智弁学園を振り切った戦いは見事でしたし、近畿の公立校は選考委員としても出したくなるとは思いますが、ベスト8敗退校から兵庫2校を選出するには推す材料が少ないかなと感じます。
耐久ともっと競ったゲームができると良かったですけどね。
次に履正社。私は履正社の存在はかなり気になります。
というのも、最近の近畿で目立つのは「実力選考」。昨年の社も「高田商より社が戦力が上」というのが主な選考理由でした。
履正社は大阪大会で大阪桐蔭と競った試合をしていますし、やはり投打の地力を感じるチーム。
今回のセンバツからは低反発バットが使用されることもあり、近畿は最終枠に守備力でなく打撃力のあるチームを選ぶのではないか…という気がしてならないのですよね…。
昨年の社が準々決勝でコールド負けしたにもかかわらず、初戦の力強い戦いが評価されたことを考えても、履正社が昨年の社と同じような評価をされる可能性をヒシヒシと感じます。
個人的には近江選出が妥当と思うのですが、私の考える妥当さと近畿選考委員の考えは毎年変に食い違うので、今回はあえて履正社予想で行こうかなと思います。
といっても、確率としては報徳90%以上、近江75%、履正社50%、須磨翔風20%くらいのイメージ(イメージですよ。計算が合わないのは気にしないで!)なんですけどね。
まあせっかくの予想なので、ココは履正社で攻めてみます。
中国…2枠になって無風
鳥取・島根・岡山・広島・山口で2枠
今回から四国との比較枠がなくなり、実質0.5減となった中国地区。
2枠の場合はよっぽどのことがない限り、決勝進出校で決まり。
中国地区の決勝は異なる県どうしの戦いで、点差も開かなかったので、すんなり優勝の広陵と準優勝の創志学園でしょう。
門馬創志の甲子園デビューが楽しみ…!
四国…2枠になって無風
香川・愛媛・徳島・高知で2枠
こちらも中国との比較枠がなくなり、0.5減で2枠となった四国。
中国と同様、違う県どうしの点差の開かない決勝戦だったため、モメる要素なく優勝の高知と、準優勝の阿南光で決定。
2校とも好投手を擁するので楽しみなチーム!
九州…神村はセーフ、舞鶴の救済は難しい
福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄で4枠
九州はここ数年、準決勝の点差が開いても、地域性に偏りがあっても、ベスト4の4校がそのまま選出されています。
今回はベスト4にダブル進出した県はありません。
準決勝で熊本国府と神村学園のスコアが開きましたが(7-1)、神村学園は準々決勝までが圧巻の強さだったので落選はまずないでしょうし、むしろ4枠目でなく3枠目で選出されると思います。
準々決勝で優勝した熊本国府と接戦を演じた大分舞鶴を救済したくなりますが、大分は先に明豊が選出されるため難しいです。大分舞鶴は昨年の明豊の立ち位置と似ていますね。
補欠1位校が大分舞鶴か延岡学園かは難しい選択になるとは思いますが、出場4枠はベスト4進出校で固いでしょう。
補足:選出ガイドラインについて
センバツ出場校の選出において、日本高野連が発表している「ガイドライン」はこちらから確認できます→スポニチ「センバツ高校野球 選考過程透明化へ『ガイドライン』を作成」