2021年の夏の甲子園が、雨やコロナ禍に見舞われながら、何とか決勝戦まで完走しました。
6~7割程度の試合をテレビ観戦しましたが、全体的な感想をザックリと書いてみます!
智弁決勝…笑ったのは高嶋名誉監督!?
2021年夏は智弁和歌山が優勝しました!
あの2000年の猛打爆発以来の優勝…本当に久しぶりです!
2000年も春の優勝は東海大相模だった件…!何かの法則!?
2000年の猛打だけど失点も多かったチームにくらべると、投攻守にまとまったスマートなチームで、中谷監督のカラーが出てきたなあ…と感じます。
智弁和歌山は2回戦からの登場で、かつ1試合が不戦勝となったため試合数が少なく、準決勝の近江戦、決勝の智弁学園戦は、チーム全体のフレッシュさという点で有利さがあったかなとは思います。
それでも智弁和歌山にも、初戦までずいぶん待たされるという他のチームにはないハンディもありましたし、この難しい状況で集中力が持続したのが勝因かなと思っています。
そういった精神力も含めて「大人のチーム」でしたね。
のん気さと野性さが絶妙に混ざりあったような昔のチームカラーとは、本当に変わってきたなあ…。
準優勝の智弁学園は、今年は「勝負の年」でしたが、あと一歩で夢叶いませんでした。
初戦が終わった段階ではチームの完成度は最も高いように感じ、「智弁学園が優勝するかな…?」と思いました。
ですが、大会に入ってからレギュラー2人のアクシデントに見舞われたこともあり、大会終盤にかけて打線の調子が下降しちゃったのが誤算でしたね。
春夏連続ベスト8以上まで進んだのは智弁学園だけで、2021年に地力があったチームであることは間違いないですが、ケガも含めて、春夏どちらもあまり運に恵まれなかったかな…という気はします。
しかし智弁決勝といい、春は智弁和歌山出身・川崎監督の準優勝もあり、2021年は高嶋仁智弁和歌山名誉監督の年だったのかも!?
近畿が強かった3つ目の理由は?
2021年の夏の甲子園大会は、ベスト4に残ったが全て近畿勢となり、近畿勢が甲子園を席巻しました。
「近畿に当たったらアウト」みたいな大会でしたね~。
近畿のチームは近畿どうしで当たるまでは負けないほどの圧倒的な強さ。
その理由としてたくさんのメディアで挙げられていた理由が以下の2つ。
2021年春のセンバツでは、32校中7校を占める近畿勢はベスト8に2校、ベスト4に1校だったのでほぼ確率通り。
近畿のレベルは確かに近年高いですが、春のセンバツの結果を思えば、「2021年の高校野球チームで近畿勢がズバ抜けて強かった」とまでは言い切れないように思います。
そう考えると、コロナ禍+長雨という特殊な状況で、「練習場所が確保できる有利さ」は多少はあったのでしょう。
もうひとつ今回の近畿勢の強さは、「近畿は春夏連続出場校が多かった」というのもあるかなと考えています。
この夏の近畿の代表校6校のうち、春夏連続出場は智弁学園、京都国際、神戸国際大付、大阪桐蔭と4校。
他の地区の春夏連続出場は北海道1/2、東北0/6、関東・東京2/9、北信越1/5、東海1/4、中国1/5、四国1/4、九州2/8。
近畿の地方大会では波乱が少なく、本命が甲子園に来たということなのでしょうね。
また、今回の甲子園大会はコロナ禍の影響で甲子園練習がなかったため、チームが甲子園を経験していたかどうかは大きかったのではないかと思います。
そんなこんなで2021年夏は近畿の年となりましたが、来年は他の地区が巻き返せるか注目です。
智弁和歌山、近江、京都国際、大阪桐蔭は来年もめっちゃ強そうだけど…。
「進塁打が打てるか」が今後のポイントかも
最近の高校野球を見ていて思うのは、
バント戦術を使わないチームが増えたなあ…
…ということです。
一昔前は常葉菊川のようにバントをしないチームは話題になったものですが、最近はむしろ「常にバントで手堅く」というチームの方が珍しくなってきた気がします。
統計学的には無死一塁からは送りバントをしない方が得点が入るというデータがあるようですが、個人的な感覚だと統計と現実はピッタリ当てはまらない…と感じました。
高校野球はリーグ戦ではなく一発勝負のトーナメント方式であり、非科学的な言葉ですが「試合の流れ」が勝負を左右することが多いです。
バントが成功すると「行ける!」という感じで攻撃のリズムがよくなる一方で、強行で一塁走者が釘づけ、もしくは併殺で走者がいなくなり、攻撃が流れをつかめない…というシーンを何度か見かけました。
しかし「統計学的に無死一塁からのバントはマイナス」と言われると、バントしないという選択肢もわかります。
では、どうするか。
バントしないなら最低でも進塁打になる打球を打つ。…現時点ではこれが答えかなあ。
これは選抜優勝の東海大相模を見ていて強く感じたことですね。ただ、東海大相模は走塁にすぐれたチームなので、進塁打を成功させるには走塁をみがく必要を感じます。
または智弁学園が明徳義塾戦で見せたように、打者が守備状況を見てバントか強行を判断する。
ただし進塁打も、打者判断の強行も、そう簡単にできるものではないですね。
どちらにしても状況判断…個々の選手の野球脳が高くなければできない攻撃です。
バントをしない攻撃にはロマンがありますが、やはりバントよりは高度な作戦です。
バントと同等かそれ以上の結果が出せるという確信が持てるくらいでないと、力が均衡、もしくは格上の相手と戦う場合には有効じゃないのかな…なんて感じています。
球数制限はルールでなく目安でよいのでは?
今大会は休養日を準々決勝の前と後、準決勝の後…と、3日も設定していましたが、思わぬ雨天の連続で、準々決勝後の休養日以外はなくなってしまいました。
このことで各チームが頭を悩ませたのが球数制限。
うーん、球数制限…。
必要かなあ…。
私は何度かこのブログでも書いてますが、投手の投げすぎにはもちろん反対ですが、球数制限はなくてよいと思っています。
「甲子園が通過点」という投手、「ケガをしない範囲でなるべく投げたい」という投手…外野が「投げすぎ!」と騒ぐより、チームで実際に投手を見ている監督やコーチが、本人の希望・特性を考えて判断すればいいだけのことだと思うのですが…。
もうこれだけ投手の投げすぎ問題が大きくなっていれば、度を超えて投げさせるチームはないでしょう。
それよりも投球数にとらわれて、投手が球数を意識して投げ急ぎ、かえってバランスを崩す、むしろ疲労が大きくなる…と感じることが多いです。
また、球数制限のためにサスペンデッドが検討されるという話とか、申告敬遠の導入も含めて、球数制限に高校野球界が振り回されている感じを受けますね。
球数制限は厳密なルールとするより、「だいたいこのくらいを目安にしてください」という指標でよいのでは?と思っています。
まあ、それでも球数制限は今後も継続されるでしょうから、今後は球数制限にあまり振り回されない采配が必要になってくるかもしれません。
馬淵監督がインタビューで「球数制限なんてものは優勝戦線まで残るようなチームが考えればいいこと」などと仰っていましたが、まさにそうなのかなと。
球数制限は考えなければならない段階になってから考える…そのくらい割りきった方が、チームの力は出し切れるのではないかと思います。
まとめ
2021年夏の甲子園の感想をザックリとまとめました。
優勝・準優勝以外だと、殊勲賞:近江、敢闘賞:長崎商、技能賞:明徳義塾って感じですかね。
また、雨天コールドの試合については、別にこちらの記事で書いています。
長雨やコロナ禍に悩まされた大会でしたが、昨年の3年生の無念を思うと、とにかく大会自体が無事に終わってよかったです。
その一方で、出場校の辞退があったことは、地方予選で辞退したチームも含めて、本当にやり切れない気持ちになりました。
来年は、また一歩でも通常開催に近い形で甲子園大会が行われることを祈っています!