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横浜と東海大菅生の波乱選考で考える「選抜は招待試合」論は正しいか?

桜 高校野球
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2019年の選抜高校野球の出場校が決定して、丸一日以上が経過しました。

今回の選考で、最も波紋を呼んだのが、関東大会準々決勝コールド敗退の横浜が選出されたことです。

横浜高校のファンでさえ「今回の選出はちょっと…」と言う方がいるほど、一般の高校野球ファンには理解しづらい選考となりました。

選ばれたからには横浜高校には気持ちよく出場してほしいと思っているので、この記事は書かないようにしようと思っていたのですが、この件を考察する大手マスコミの記事が少ないことが気になりました…。

落選したチームは、殊勝なコメントに終始しているのが心が痛い…。

ここはひとつ外部からしか言えないこともあるので、当ブログのような弱小ブログでも声を挙げてみようかなと思い、おそるおそる記事を書いてみることにしました。

この記事は選考されたチームを責める気持ちは微塵もないことを、重ねて明記しておきます。

春の選抜は「招待試合」と言い切れるか?

春の甲子園大会は、夏の大会と大きく違います。

夏の甲子園は勝ち抜き戦で、都道府県予選を勝ち抜いたチームが自動的に甲子園出場となります。

それに対し、春はあくまで「選抜」。全国から選考委員によって選ばれたチームが甲子園大会に参加します。

たまに

春の選抜は招待試合。主催者が好きなチームを選ぶんだから選考に文句は言えない。

という意見を目にします。

確かに選考基準はあいまいで、選考委員が好きなチームだけを選ぶこともできなくはないです。

ですが、実際は秋季大会で好成績を残したチームが選ばれます。

そうすると、顔ぶれが夏の甲子園とあまり変わらなくなる(=強豪私学だけになる)ので、選抜の特色を出すために、21世紀枠というものが存在しています。

21世紀枠とは、一般枠で選ばれるチームにくらべると秋季大会の成績はけど劣るけど、悪条件を克服していたり、文武両道だったりと、特色のある3チームが特別枠で選ばれる制度です。

もし、春の選抜が完全に主催者の招待試合で、どこでも好きなチームを選べばいいという大会であれば、この3つの21世紀枠は不要です。

21世紀枠をわざわざ設定しているということは、21世紀枠以外の一般枠は「選考委員が選びたいチーム」ではなく、「秋季大会で勝ち進んだチーム」を選ぶというのが前提ということになりますね。

21世紀枠以下の成績で一般枠を選ぶ必要があるのか?

2019年の選考では、21世紀枠に四国大会ベスト4で惜敗したチームが選ばれました。

通常の一般枠でも選ばれそうな成績です。

それに対し、今回波紋を呼んだ横浜は、関東大会準々決勝でコールド負けしています。

関東大会で大敗のベスト8止まりというのは、通常であれば、21世紀枠でなければ選出されないような成績です。

何が言いたいかといえば、「あと少し」で甲子園に届かなかったチームを救済する制度は、21世紀枠があるということです。

今回どうしても横浜を選びたかったなら21世紀枠を使えばよかったんじゃない?

と、高校野球好きの知人に言ったら笑われましたが(超強豪校横浜が21世紀枠というのがミスマッチ)、私にはこっちの方がまだしっくりきますけどねえ…。

21世紀枠がある以上、一般枠は結果重視で選ばなければ、理屈としておかしくないでしょうか?

ていうか今回の選考がアリなら、やっぱり21世紀枠は不要になりますよね。成績が届いていなくても、選考会の匙加減で選考することは可能になるわけですからね。

選手ファーストでない高野連の体質が見えてしまう…

今回の関東・東京の選抜選考は「議論の余地なく東海大菅生」「可能性は低いけど万が一でも関東に枠が行くならコールド負けは回避し、同県から代表校が出ない栃木の佐野日大」と考えるファンがほとんどでした。

しかし選考会の選択は、関東大会準々決勝でコールド敗退、しかも同県のチームが先に選出されている横浜。

高校野球ファンと高野連、どちらの感覚が現場の球児や指導者に近かったかと言えば、今回に限って言えば高校野球ファンの考え方でしょう。

実際に東海大菅生からは「選ばれると思っていた」というコメントがありましたし、横浜サイドは選考されても、喜びというよりは神妙で控えめなコメントが目立ちました。

また、私が佐野日大の関係者だったら、東海大菅生はともかく横浜より後回しにされるのは納得いかないです。

さらに、コールド負けでも横浜は選考の対象になるなら、近年のレベルが高い群馬1位の前橋育英の扱いはどうなってるの?(群馬は今回選出なし)という感じです。

選考会は、この結果で選考してもらえないチームの気持ちをどう考えるんですかね?

サプライズ選考で世間をビックリさせたかったのか、ドラフト上位候補を出場させることでマスコミの歓心を買いたかったのかはわかりませんが、高野連の選手ファーストでない姿勢は気になりますね。

今回東海大菅生を選ばないのなら関東5東京1が妥当では?

現段階の関東・東京の選考枠は、「関東・東京合わせて6枠」です。

関東ベスト4と、東京の優勝校の5校がだいたい自動的に選出されて、残りの1枠を関東のベスト8と東京の準優勝で争います。

関東大会と東京大会は別開催のため比較が難しく、よくモメるわけです。

近年で難しかった選考が2016年で、関東ベスト8の花咲徳栄か東京準優勝の二松学舎、どちらとも1点差敗退、しかもどちらにも好投手がいる…という非常に難しい選択でした。

結局花咲徳栄が選ばれましたが、このように成績が甲乙つけがたく、仕方なくどちらかが落ちるというパターンであれば、落選した側も受け入れやすいでしょう。

しかし今回は、関東のベスト8止まり3校は7点差以上の大敗、残り1校の東海大甲府は未勝利。東海大菅生は安打数で上回りながらの1点差敗退。

この結果で東京に2枠が来ないのなら、1枠が共通の浮動枠である必要はないでしょう。「関東5枠東京1枠」とした方がずっとスッキリします。

関東は7県で5枠、東京は1都で1枠。これでよくないですか?

これでも東京は必ず代表校を出せますし、この枠であれば、東京の準優勝チームはどんなに善戦しても、諦めがつきます。

関東5枠東京1枠で何の問題もないのに、1枠を浮動にしているのは、東京の準優勝校が選考会好みのチームだった場合の保険なのだな…と、今回の結果は思わせるものがありますよね…。

ちなみに東京も関東大会に参戦した方がよいという意見がありますが、私は別開催が無難なのでは?と考えています→高校野球秋季大会「東京は関東大会に出るべきなのか?」問題 

まとめ

というわけで…すみません、マスコミがあまりに今回の選考をスルーしているので、黙っていられなくなってしまいました…。

選考会直前に、なぜ今頃?という不祥事がリークされたり、サプライズ選考の予防線のような「関東・東京は混戦」という記事が出回ったりと、何だか不信感があるんですよね…。

「春の選抜は夏の大会とくらべて大人の事情が絡み合う大会」…大人になった私は、それなりに受け入れてきたつもりなんですけど、今回はさすがに…。

私のようなグダグダ言っているファンよりも、現場はもっと潔く前を向いていると思いますが、まさかの落選だった東海大菅生、横浜よりは可能性があると言われていた佐野日大、そして横浜も含めて、あまり大人の利権に振り回されなければいいなと、切に願うところであります。

横浜高校は関東代表として、元気よく春の甲子園で躍動してきてください!

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