シャルナークの基本情報
本名 | シャルナーク=リュウセイ |
団員ナンバー | 6 |
旅団加入時期 | 結成メンバー |
血液型 | O型 |
身長 | 180㎝ |
体重 | 72kg |
念の系統 | 操作系 |
旅団腕相撲ランキング | 10位 |
ヨークシンでの立場 | フィンクス(蜘蛛の掟守る)穏健派 |
シャルナークのキャラ・性格
旅団には「盗賊に見えない」キャラが何人かいますが、シャルナークもその一人。
顔立ちは童顔で、髪型も良い子風。ハンターのような戦闘マンガではなく、学園モノの少女漫画に出てきそうな容姿です。
旅団での役割は、情報処理や作戦・戦術の計画など。話し合いの場面では状況を整理して団員に説明するなど、明らかに頭脳ポジション。
正規のハンター資格も持っています。実は同期のハンターがいるかもしれませんね。
性格はサラッと軽く感情の起伏は少なめです。
表情は軽く余裕の笑みを浮かべていることが多いです。
超絶ではないですが軽くイケメンで童顔ということもあり、この余裕の笑みが「何かイラっとくる若者風の笑み」に見える読者はいるかもですね。
キメラアント編では、敵のキメラアントを明らかにバカにしていましたしね~。
このシャルナークの「若者風の笑み」が、旅団を大学サークルっぽく見せている感はあります。
シャルナークの童顔はもともとの顔立ちなのでしょうが、この幼い顔立ち…罪悪感を感じたことがなさそうな雰囲気のせいで、どうもシャルは善悪概念が薄いような印象を受けます。
旅団でも「盗賊ごっこ」を楽しんでいるような、無邪気さゆえの邪気とでもいいましょうか…。
印象的なのは、ヨークシン編のレクイエムで操っていた人間が死んだ時、「あーあ壊れちゃった 次の人間探さなきゃ」と表情も変えずに無機質につぶやく場面。
人間を「マシン」と表現していますからね。カント倫理学では「人間を手段として使うこと」は倫理的な低さを表します。
ただしハンターを読み進めるうちに、シャルは善悪概念が薄いように見えるけど、それは容姿で損(イケメンという容姿もマイナスに働くこともある)をしているだけであって、むしろ普通に近い価値観を持っているのではないかと感じています。
人間を「マシン」として見るのは、仕事で能力を使う時だけかもしれません。
流星街の「良い子」グループだった
上で「シャルは感情の起伏が少なめ」と書きましたが、コレはノブナガとかフィンクス等の沸点低い他のメンバーにくらべて相対的にという意味です。
シズクにくらべるとシャルナークは感情が表に出ます。ヨークシン編でウボォーギンを心配したり、一人で行かせたことを後悔したりする場面は、「素の感情」が出ていました。
ここで「素の感情」と書きましたが、シャルナークの「素の感情」は「まともな感覚に近い」と思っています。
そのカギとなるのは、流星街での子ども時代の描写。
クロロが主人公格で描かれているせいもあるのですが、最初からクロロと仲良くしているシャルナークとフランクリンは、「クラスの中の良い子グループ」という感じです。無法者のウボォーギンやヤンキーのフィンクスとは毛並みが違います。
シャルナークにはクロロほどのねっとりと深い人間性は感じず、あくまで「軽くて明るい」のですが、それでも元々持っていた感覚は「普通の良い子的なもの」だったんじゃないのかな~。
クロロほど内省的ではないので旅団での仕事もカラッとこなしていますが、一般的な町の家庭に生まれていたら、犯罪に手を染めるようなタイプではなかったのではないかと。
旅団の実用的ブレイン?クロロが文系、シャルが理系
シャルナークは旅団の頭脳派ですが、頭脳派といえば団長のクロロとかぶります。
ですがココは冨樫先生のキャラの描き分けの上手さで、同じ頭脳派でもシャルはクロロとキャラがかぶらないんですよね。
旅団の団長クロロは、旅団を支える哲学や大きな方向性を決める、いわゆる文系です。
それに対しシャルナークは、その場の実用的な判断を下していて、典型的な理系です。
また、クロロは時として情緒的で意味がわかりづらい発言をしますが、シャルナークの発言はムダなくポイントを押さえていてわかりやすいです。
たとえばヨークシン編でウボォーギンが「オレたちの中に背信者がいるぜ」とクロロに伝えた時、クロロは「いないよそんな奴は。それにオレの考えじゃユダは裏切り者じゃない」と答えます。
このクロロのセリフの後半「オレの考えじゃユダは裏切り者じゃない」は、話の要点とは全く関係ありません。シャルナークなら決して付け足さないセリフでしょう。
天才肌で時として話が脱線し真意が伝わりにくいクロロの話し方から、シャルナークはすばやく真意を理解し、他の団員にわかりやすく伝える役目も担っていたのではないかと思います。
旅団の過去編でも、クロロの計画をわかりやすくまとめていましたね。
シャルナークは団長とは違う種類の頭の良さを生かして団長の頭脳労働を補佐していた。
だからこそ、団長がさらわれた後「反省会は後」とか「ここからは8人で行動しよう」などと、自然に団長の代理をつとめたのでしょう。
ただしシャルナークは、その後の「団長を追う派(フィンクス派)」と「パクノダを一人で行かせる派(ノブナガ派)」の対立には、自身はフィンクス派であることを表明しながら、仲裁などの具体的な行動は取りませんでした。
ここらへんがシャル君の理系的な所というか、明確な答えがない問いが苦手なのかもなと感じました。
明確な答えがない…シャルナークはフィンクス派を表明しながら、ノブナガ派の気持ちも理解でき、心が揺れていたのかなとも思います。
こういったあたりも、シャルナークは見た目よりも人情的なタイプであることが伺えます。
名字の「リュウセイ」から考えられることは?
シャルナークというキャラはサッパリしていてクロロのような意味深な雰囲気は少ないのですが、最大の謎は名字ではないかと思います。
シャルナークのフルネームは「シャルナーク=リュウセイ」。
名字の「リュウセイ」は、どう考えても流星街のリュウセイから来ているでしょう。
シャルナークの一族は流星街ができて流星街で過ごすことになったから「リュウセイ」と名乗っているのか、それともシャルナークの一族が作った町だから「リュウセイ街」なのか。
私は当初「流星街」は、住所不定の流れ者がフラッと住みつきいつの間にかいなくなる街だから「流星街」と呼ばれているのかと考えていました。
ですが、38巻の旅団の過去編を見る限り、流星街はフラッと流れ着いた人々の集まりではなく、「乳母衆」や「工場長を頂点とした男衆」がいるなど、人々の生活が土地に根付いています。
要するに「流星街」は「流れ者が住みつく土地」として外部の人たちが使う呼称ではなく、自分たちで「流星街」と名乗っているのではないでしょうか。
そうすると…「リュウセイ一族が作った街だから流星街」である可能性があるんですよね。
レオリオによると、流星街の起源は「独裁者の人種隔離政策」が元になっているとか。
リュウセイ一族はクルタ族みたいに特殊な民族(個人的にはキリスト教信者だと予想している)で、何らかの理由で権力者から嫌われて隔離されたのかも…。
何らかの理由…ここには念能力も絡んでいる気もしますが、これ以上のことが物語の中で解明されるかどうかはわからないですね。
シャルナークの念能力
ここからはシャルナークの念能力について考えてみます。
シャルナークは操作系で、能力名は「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」。
非常にシンプルな能力で、ターゲットにアンテナを刺して携帯電話の操作を通じて操ります。
ターゲットが話す内容をすべて携帯に打ち込むのは大変そうですが、シャルはめっちゃ高速で携帯を操作できるのか、もしくはいくつかのパターンを命じれば自動で会話するのか、どちらかでしょう。
キメラアント編では自身を自動操作してパワーアップする裏技を披露したので、ある程度は自動操作が可能な能力ではあるでしょうね。
シンプルで便利な能力ですが、本人談だとそれほどレアではない能力とのこと。他人を操作するのは操作系能力ではありがちということなのでしょう。
それから、あまり戦闘向きの能力でもないですね。
まず、敵にアンテナを刺せないとこの能力を使った攻撃はできません。
それに加えて、自身の自動操作をしても相手の方が上だった場合、シャルの意識は働いていないため(自動操作で行ったことは記憶に残らない)シャルの優れた頭脳で次の手を考えることができません。
では、シャルナークには物語に描かれていない戦闘用の能力が存在するのか?
シャルナークは富樫義博展で公開された設定資料によると、純粋な操作系能力者ではなく、やや放出系寄りの操作系であることが判明しています。
これはちょいと驚きました。ブラックボイスはザ・操作系に見えますからね。
シャルナークを純粋な操作系に分類しなかったということは…何か放出系能力を絡めた戦闘向きの能力を隠している可能性はじゅうぶんにあるでしょう。
シャルナークの死には何か隠されている?
最後にシャルナークの死について触れておきましょう。
シャルナークは34巻で、念能力をクロロに貸した状態のところをヒソカに急襲され命を落とします。
ここのシャルナークの死に方ですが…私は非常に違和感を感じます。
HUNTER×HUNTERの登場人物でも1、2位を争う頭脳の持ち主のクロロが率いる幻影旅団。
その旅団でクロロを同じくらいの頭脳レベルで補佐するシャルナークが、自身が念能力を使えない状態で、腕力自体は弱くやはり一時的に念能力を使えない状態のコルトピと2人で行動しますかね…?
百歩譲ってマチとコルトピは非常におバカさんで、この危険性に気づかないと仮定しましょう(この仮定もありえないけど)。
ですがシャルナークがこのリスクが分からないなんて…GIが実在の島であることに気づいたシャルとはもはや別人ですよ。
たとえヒソカが死んだと思い込んでいたとしても、クラピカをはじめ旅団を恨んだり狙ったりしている人物は数えきれないほどいるはずです。
シャルナークが死ぬ場面は、非常に粗い描写になっていて、ヒソカが攻撃したと思われる残像、シャルナークの死体とコルトピの生首が描かれているだけです。
シャルナークが生きているかどうかは別にして、何か後から判明するエピソードが隠されている可能性はあると思っています。そうでなければシャルナークという人物像が破綻していますからね。
たとえばシャルナークとコルトピはそれぞれ「ブラックボイス」「ギャラリーフェイク」をクロロに貸してはいたけど、他の念能力は使える状態だったからマチとは別行動していた、とか。
もし本当にシャルが丸腰でヒソカに瞬殺されたのであれば…うーん、あまりにキャラ設定が破綻していて、緻密なのに深いハンターという物語の価値が下がってしまう気がします。
その意味で、あの場面には何か隠されたエピソードがあったことを期待しています。
まとめ
旅団のシャルナークについての考察でした。
シャルがBW号に乗っていたら、もっと面白かっただろうにと思う反面、物語がもっと難解になるかも…とも思います。
蛇足ですが、シャルナークが携帯電話を使った念能力を開花させた背景には、本人のメカ好きが反映されている気がします。
幼い頃から、流星街に捨てられた家電などを独学で修理して使っていたんじゃないかなと。
あとシャルナークは旅団でおそらく唯一の公式ライセンスを持ったハンターで、日常的には金銭も所持しています(ウボォーやフェイタンのように「欲しいものは全部取る」スタンスではない)。
資格とお金を持った理系君。やっぱりシャルナークは盗賊っぽくないですよね。
シーラはクロロのことを「生まれる所間違えた」と言っていましたが、シャルもそうなのかもしれないなー…。
ただ「幸せ」とはとても主観的なもので、本人が「幸せ」と思うかどうかです。
もしかしたら34巻で終わってしまっているシャルナークの人生ですが、好きなリーダーに従い仲間に囲まれて生きた時間は、少なくとも充実はしていたのではないか…そうであることを願いたいなあ…。