HUNTER×HUNTERの暗黒大陸編は登場人物が多すぎ、複数の組織の利害が絡みすぎで、読んでいるだけで頭の体操です。
しかし体操がハードすぎて、私の頭では全然ついていかれません。
ですが、ド根性…いや、私に根性はないな、執念で体操を続けています。
HUNTER×HUNTER37巻現在で、考察したくなる事案のひとつが「サイレントマジョリティーの術者は誰か?」ということです。
私も、ぽんこつな頭で考察してみようと思いますっ!
「サイレントマジョリティーがどんな能力なのか?」については、先にこちらの記事でまとめてみました→ハンター「11人いる(サイレントマジョリティー)」はどんな能力なの?
ここでは37巻段階ではまだ判明していない、「サイレントマジョリティーの使い手は誰?」ということに絞って考えていきます。
私はコミックス派なので、まだコミックになっていないジャンプ連載分のエピソードは考慮していませんので、見当違いのことを言っている可能性も…。
ハンター登場人物による犯人の見立て
まずは、ハンターの各登場人物が、犯人をどう考えているかを整理してみましょう。
ヒュリコフ(第1王子私設兵)の考え
ヒュリコフは、既に自分は犯人に気づいているとモノローグしています(これが正しいかどうかは読者には知る由もない)。
ヒュリコフによると、犯人は念の講習会に参加していて、現在まだ残っている人物の、ベレレインテ(ハンター協会員)、ロベリー(第10王子従事者)、シェジェール・ユヒライ(第9王子私設兵)以外の誰かです。
他の登場人物の考え
バビマイナ(第1王子私設兵):王子の念獣ではない
シェジェール・ユヒライ(第9王子私設兵):念の講習会に人員を派遣していない王子の念獣のしわざでは?
クラピカ:遠隔からの視認・指令が可能な操作系能力では?
ダンジン(第4王子私設兵):犯人は1014室にいた誰か。念の講習会参加者以外も含まれる
誰の推察が一番信用できる?
さて、ハンターの登場人物の見立てでも、バビマイナとシェジェール・ユヒライの考えは、まったく反対です。
クラピカの「操作系では?」という考えも、既に具現化されたツチボッコが現れているため、「操作系の能力も含んだ能力では?」と、補って考えた方がよさそうです。
この中で、信頼できそうな念能力者といえば、やっぱりヒュリコフとバビマイナ、かな~。
実は私、最初はサイレントマジョリティーはワブル王子の念獣のしわざかと思いました。
次に怪しいのはバレレインテだと思いました。
でも、これらの説は、ヒュリコフとバビマイナが完全否定しているので、彼らを信じて、他の説を考えることにします。
バレレインテの不自然さについてちょっとだけ触れておく
私が「バレレインテ怪しい」と思った場面を、バレレインテ説は引っ込めたとはいえ(笑)、書いておきます。
クラピカに「念を使える人~?」と聞かれたとき、バレレインテがハンターバッジを指さす仕草をしたのは、ロベリーの目を引いて、背後にいる黒ぼっこに気づかせようとしたのかと思ったんですよね。
倒れたバリケンに近づいて、わざわざ「まだ息があったかも…」という不自然なセリフを言ったのも、「ツチボッコが仕事する前にサカタが銃でとどめを刺してしまったから、呪いが自分に返ってこないように、他の誰かをもう一度攻撃しないと」という意味かと思いました。
ただしサイレントマジョリティーは、この後発動しなかったので、この線はなさそう。
ていうか、ヒュリコフを信じてバレレインテ説は引っこめます。
サイレントマジョリティーの被害状況を整理
サイレントマジョリティーの犯人像に迫るための重要となる材料が、「誰が被害に遭っているのか?」ということです。
作中で、4回発動されているサイレントマジョリティーの被害者と、その状況をまとめてみます。
はっきりと被害にあっているのは、第4王子、第13王子の関係者です。
犯人隠蔽のための自作自演の可能性もありますが、登場人物の会話から、第4王子(ツェリードニヒ)、第13王子(マラヤーム)の関係者は犯人から除外できそうです。
難しいのは、1、2回目の被害者は、オイトより上位の王妃の兵であることはわかっているのですが、1、2回目の被害者が、どの王妃所属なのかが作中で判明していないんですよね。
上位王妃7人がワブル王子の部屋に送り込んだ監視兵のうち、5人がサイレントマジョリティーの被害にあいますが、生き残った2人は、モモゼ王子の念獣に倒されて、物語から退場してしまいます。
この最初に生き残った2人がどの王妃所属なのかがわかれば、読者としても推理しやすいんですけどね。
サイレントマジョリティーの犯人の目的は?
サイレントマジョリティーの犯人は、何のためにこんなことをしているのか…ですが、これもヒュリコフさんのモノローグをヒントにしようと思います。
35巻でヒュリコフさんが、念能力を使えないフリをしている講習会参加者について、心の中で
[念を使えないフリをしている]理由が協会員と同様の潜伏調査なら問題ないが、もしもオレと同じ「任務」ならば…(中略)…いつでもいいぜ、来るなら来い…!!
と、モノローグします。
その挑発に乗るような形で、サイレントマジョリティの犯人が心の中で
それなら望み通り…11人いる(サイレントマジョリティ)発動してやるぜ…!!!
と、返します。
これを文字通り取ると、サイレントマジョリティの術者は、ヒュリコフと同じ「任務」を背負っていることになります。
ヒュリコフの「任務」自体よくわかっていないのですが、「任務」が自分が仕えている王子(もしくは王妃)以外の勢力への攻撃、というのは間違いないでしょう。
サイレントマジョリティーの術者は誰に仕えている?
そうすると、「サイレントマジョリティーの術者は誰か?」の前に、「サイレントマジョリティーの術者が仕えているのは誰か?」が問題になります。
これ、結構、消去法でサクサク消えていくんですよね。
可能性が0に近い王子を青、微妙な王子を黄色、怪しい王子を赤にしてみます。
あらまあ。けっこう絞れちゃいましたよ。この中で、さらに怪しいのは誰?
私はセイコ王妃が絡んでいるに一票!
さてこの中で、私はやはり、第10王子・第11王子…というより、そのお母様のセイコ王妃が怪しいと感じます。
第7王子は、講習会に送られているサトビがドゥアズル王妃所属。ドゥアズル王妃は警護兵に「サポート役に徹するように」と指示しているので、これを信じるなら、過激な「任務」を指令されている可能性は低いです。
第8王子は、第13王子モモゼに手を下したのが、第8王子の母親スィンコスィンコ所属兵・タフディーですので、第14王子にも刺客を放つ可能性はじゅうぶんにあります。
ただし、第8王子サレサレは37巻で継承戦から離脱してしまいました。
物語の流れ的に、このままサレサレの離脱によって、サイレントマジョリティーの攻撃がピタッと止まる…とは考えにくいですよね。
サレサレの離脱後は、しっかりとは描かれていませんが、ムシャホは講習会に来ていないのではないかと思います。講習会のシーンでムシャホの姿が確認できていません。
そんなわけで、やっぱりセイコちゃんの方が怪しく感じる…スィンコスィンコさんは2番目の容疑者としておきます。
セイコの何が怪しいかというと、まずロベリーが「憑かれた者」であったこと。
誰かを「憑かれた者」にするためは、相手に接触するなどの条件が必要だと思われますが、1014室でサイレントマジョリティーを発動するよりも前に、ロベリーは既に「憑かれた者」になっています(1014室でロベリーに何か小細工を施すシーンが描かれていない)。
犯人は1014室で念の講習会を受ける前に、ロベリーに自然に接触できる人物だと考えられます。
セイコ王妃の双子姉妹から派遣されているのが、戦闘員ではなく女性の従事者なのは、彼女たちに戦闘能力をつけることが目的ではなく、セイコ王妃に使えているサイレントマジョリティ―の術者が、寄生させる宿主として彼女たちを利用するためなのではないでしょうか。
ただ従事者たちは「何で私たちが…」と言っているので、勝手に利用されているだけで、自覚はなさそう。
ロベリー事件は、ロベリー自体が疑われ、セイコ王妃も監視を受け、かなりリスキーでした。
本来なら、もっと別のやり方をするつもりだったのが、想定外のバカ(=ミュハン)の存在で、術者自体の生命が脅かされたため、術者が心の中で「リスク覚悟で」と言っている通り、疑われるリスクをおかして、ツチボッコを発動させたのではないか…と考えます。
セイコ王妃、捜査官に対して「黙秘」と答えていますよね。これは、隣に立っているセンリツの嘘を見抜く能力を知っていて、「私は関わっていない!」とウソをつくのを回避しているのではないでしょうか。
あと第10王子カチョウのセイコ王妃に対する「自分の罪悪感薄めたいだけの…」というセリフも、つながってくる気がするんです。
さらにヨタ話ですが、40代以上の人はわかると思うけど、黒ぼっこが、「desire」でレコード大賞取った時の中森明菜の衣装に似ているんですよね…。セイコと明菜…冨樫先生のお遊びのようにも考えられるのですが…。
では真犯人は誰?
「犯人がセイコ王妃に仕えている」まで来ました。
じゃ、犯人は誰…?
既に犯人は登場していると考えるなら、私が一番怪しいと感じるのは、第11王子フウゲツの護衛をしているリョウジさん。
もう1人の警護に「今からそんなに気ィ張っていると持たないぞ」と言われて、無言のリョウジさんですが、「気ィ張っている」のは、すでに1014室にはいろいろ細工をしていて、クラピカの言うところの遠隔での視認・操作をしているからでは?
これならサイレントマジョリティーの被害が、すべて1014室で出ていることの説明もつきます。
また33巻で、カチョウは護衛のハンターを募集したのに、フウゲツは募集しなかったことが気になっています。
リョウジがフウゲツの部屋にいることが原因ではないか(ハンターに遠隔操作中で他の王子を攻撃していることを気づかれたくない…ハンターは基本的には全王子の安全を願っているので)とか、いろいろ推理が膨らみます。
しかし、そうなると、私がこれまで「信じる」と言ってきた、ヒュリコフさんの「念受講者の中に犯人がいる」説が崩れるんですよね(笑)。
それはほら、あれですよ、サイレントマジョリティーは寄生型なので、女性従事者の誰かに寄生して、それがヒュリコフさんを攪乱しているんですよ…
あ、最後、何だか説得力なくなっている…
また、37巻のNo.381で、第1王子私設兵のウショウヒがリョウジに「簡易念能力者判別」をしていて、念能力者ではないと判断しているのもマイナスポイントです。
リョウジ説を取り下げたくなるシーンですが、これはサイレントマジョリティーの制約で、遠隔操作中は本体は念を使えない…などの可能性があるので、踏み止まろうかなと思っています。
ていうか、わざわざ「リョウジは念能力者ではない」という場面を入れたのと、ウショウヒの念能力者判別が「簡易」であると但し書きしてあるのが、フラグの可能性もあるかな…うん、踏み止まろう。
…こんなに長々と書きましたが、自信はありませんっ!
答えは、いつになるかわからない次巻、もしくはもっと先の巻を気長に待ちたいと思います~。