HUNTER×HUNTERの王位継承戦。
14人の王子が争う王座争いは、37巻まで読んだところで3人が脱落(=死)しました。残りは11人。
王位継承戦に大きく絡んできそうなのが、8人の王妃たちです。
今回は、継承戦を左右しそうな王妃たちについて考察してみます。
王妃の兵は移動可能?上限15人ルールは?
今回、カキンの王妃たちについて考えてみようと思ったきっかけは、35巻を読み直した時のことです。
No.381で第7王妃セヴァンチが、モモゼの護衛をマラヤームの部屋に移動させたことが、
あれ?「王子の部屋の従事者は15人まで」というルールに抵触しないの?
…と、思ったのです。
このセヴァンチの行動は特にお咎めを受けていないので、OKということなのでしょう。
モモゼはその後命を落としていて、亡くなった王子に仕えていた従事者を、他の王子の部屋にプラスして15人以上の体制を取れるのかはわかりません(またの機会に考察しようかと)。
しかし王子が生きている場合、従事者が他の王子の部屋へ移動することで15人以上の警護体制を作ることは可能だということですね。
王子の従事者は他の王子の部屋に移動して、事実上、他の王子に仕えることができる。たとえばハンゾーはモモゼに雇われたが、母セヴァンチの指示でマラヤームの部屋に移動した。
子どもが多い王妃が有利…とは言えない
さて。セヴァンチの指示で、モモゼの部屋は上位王妃の監視人6名だけとなり、マラヤームの部屋はもともとの15人+モモゼの部屋から移動した9人=24人という大所帯となりました。
これが可能ということは…子どもが多い王妃が有利になる気がしますね。
子どもが複数いる場合は、各王子上限15人までで集めた兵を、自分のお気に入りの子の部屋に集中させることができるわけです。
すると8人の王妃の中で、ダントツに子どもの数が多い(4人)第2王妃ドゥアズルが有利になるように思えます。
…が、ドゥアズルの四子のうち、ドゥアズル所属兵を使っているのは第7王子のルズールスだけです。
他の第2王子カミーラ、第5王子ツベッパ、第9王子ハルケンブルグは、王妃所属兵ではなく王子私設兵を使っています。
王子私設兵の方が王妃所属兵より王子との結びつきが強く、信用できるということで、上位の王子たちの多くは、王妃所属兵ではなく王子私設兵を使っています。
しかし、こういう観点から考えると、王妃所属兵でなく王子私設兵を用いることは、王妃がお気に入りの王子の部屋に自分の所属兵を集中させることから身を守るという面も見逃せないですね。
モモゼも、もう少し大きくなって自分の私設兵を持てれば、母セヴァンチによって危険な状況を作られることはなかったんだな…。
複数の王子を産んでいる王妃は、第1王妃ウンマ、第2王妃ドゥアズル、第6王妃セイコ、第7王妃セヴァンチですが、上位王子を産んでいるウンマどドゥアズルの子どもたちのほとんどは私設兵を使っていて、子どもの数の多さが王妃にとって有利になることはあまりない…と言えそうです。
各王妃について簡単に考察
さて、ここからは第1~第8王妃について、それぞれ考察してみます。
第1王妃ウンマ…ツェリードニヒが不利な状況は無視?
まず第1王妃ウンマ。
36巻のNo.374で証明写真のような絵で登場しているだけで、ストーリーには一度も出てきていません。
顔は第1王子ベンジャミンに似ていますね。顔だけ見ると恐妻っぽいです。
ウンマについて気になるのは、第1王子ベンジャミンが、下位王子監視係の王妃所属兵を私設兵と取り替えたのですが、これに対して何も動いていないことです。
ベンジャミンと、もう一人のウンマの実子第4王子ツェリードニヒは非常に仲が悪く、ベンジャミンの私設兵がツェリードニヒに情報を与えるとは思えません。
つまりこのベンジャミンの施策によって、ツェリードニヒは下位王子を一切監視できなくなるのです。
この状況をウンマが放っておくということは…少なくともツェリードニヒのことはかわいがっていないのかもしれない。…ベンジャミンの方を応援していますかね?
追記…なんて書きましたが、ベンジャミンのことも応援してませんね!402話で第9王子ハルケンブルグが実子であり応援しているっぽい姿が描かれています。
「好戦的な兄二人からハルケンブルグを守りたいために第2王妃ドゥアズルに託したのでは?」とありますが、守るなら第一王妃の息子のままの方がよさそうなんですけどね…。この件に関しては第2王妃考察でも触れてみます。
ハルケンブルグを応援しているのが本当なら、第1王妃ウンマは普通の感覚を持ったお方なのかもしれません。
第2王妃ドゥアズル…常識人ぽく見えるけど実はヤバイ?
第2王妃ドゥアズル。
何度か話に登場し、王妃の中では存在感があります。
全王妃の中で最も美人に見えますし、性格も「控え目」「動かない」などと、常識人ぽく語られます。4人も王子を産んでいるので、王との関係も良好なのかもしれません。
しかし…4人の子どもたちのうち、常識人ぽいのは第5王子ツベッパと、第9王子ハルケンブルグ(追記本当は実子ではない)だけ。
第7王子ルズールスはややだらしない生活をしていますし、第2王子カミーラは王子の中では第4王子ツェリードニヒの次にヤバそうな性格。
しかも最も常識人のハルケンブルグは、「母とは折り合いが悪い」と著書に書いているとか…。
さらにヤバイと思うのは、37巻で第1王子私設兵カンジドルが「ドゥアズル所属兵がルズールス暗殺を企んだかもしれない」と推察していること。
ドゥアズルは実子を暗殺する可能性がある人物と思われてるってことですからね…。ひえ~…。
ですが、ハルケンブルグが実子ではなく第1王妃から託されたということが判明するとなると…いろいろナゾですよね。
そんなこと可能なの?ウンマとドゥアズルがだいたい同じ時期に妊娠して、産んだ赤ちゃんを取り替える必要があると思うのですが…。じゃなきゃウンマが産んだ3人目はどこにいったの?という話になりますよね。
そうするとハルケンブルグ誕生には念能力が絡んでいる可能性があるかもですね。もしくは単純に生殖医療が絡んで、卵子はウンマ由来だけどドゥアズルが代理母をしたとか。
さらにそうすると、ドゥアズルもハルケンに母性愛を抱いていて、第1王妃、第2王妃ともにハルケンを応援しているとか…うーん展開が読めないっ!
まあ、ドゥアズルは見た目通りの温厚な王妃ではないかもしれないと思っています。念能力者だったとしても驚かないなあ…。
第3王妃トウチョウレイ…チョウライが王の実子でない件
第3王妃トウチョウレイは、36巻のNo.374で証明写真のような絵でだけしか登場していません。
37巻で判明したのは、チョウライは王の実子ではないということ。
王の弟のオニオール(シュウ=ウ組長)の子どもなんですね…もちろんトップシークレットでしょうし、チョウライ自身がそのことを知っているのも驚きですが。
そうすると…母親の偽装は難しいので、トウチョウレイは王の弟・オニオールと密会を持って、チョウライを産んだということになりそうですね。
オニオールは王の婚外子。でも国王ナスビーのことを「兄貴」と呼んでいて、仲がよさそうです。
ナスビーと異母兄弟の可能性もありますが、ナスビーも実は婚外子で、オニオールと母親が一緒なんてオチもありそうな気がする…。
ちなみにトウチョウレイさんは名前といい容貌といい、チョウライの服装といい、何となくカキン国内の少数民族出身なのではという気がしますね。
第4王妃カットローノ…存在感のなさは何を表す?
第4王妃カットローノは、第6王子タイソンの母親ですが、これも36巻のNo.374で証明写真のような絵だけの登場。
37巻までは最も存在感の薄い王妃でしたが、ようやく38巻にチラッと第6王子タイソンのセリフに出てきましたね。タイソンが継承戦に勝てそうもない王子なので悔しく思っている…みたいな。
ただし、ここのタイソンのセリフは解釈が難しいです。
私が「こんな」で私の子供も期待できないからママは相当悔しかったみたい
「こんな」が何を意味するのか…普通に「出来がよくない」「男性にモテそうにない」なのか、もっと深い事情があってたとえば「子供が産めない健康上の問題がある」なのかわかりません。
いずれにせよタイソンは母親の許可なしに父親である国王に会えないようなので、娘をある程度ほっといてはいますが、娘に対して支配的な感じはあります。
タイソンは悪い人物には見えないですが、周囲をイケメン男性だけで取り囲んでいるのは、母親との人間関係が影響しているのでしょうかね?
第5王妃スィンコスィンコ…不利な継承戦で勝負に出たのかも
第5王妃スィンコスィンコ。
唯一の王子サレサレの死で、継承戦から脱落しました。
サレサレは絵に描いたようなダメ男でしたが、スィンコスィンコは息子が頼りにならないので、継承戦において下位王子に刺客を放つなど、過激な作戦を取らざるを得なかったのかもしれませんね。
でも所属兵タフディーの犯行は、ハンゾーが私刑で片を付けましたが、公になるんでしょうかね?
そうなるとスィンコスィンコも主犯として責任を問われそうですが。
第6王妃セイコ…腹黒そうで今後の動きに注目
第10・11王子のカチョウ・フウゲツの出番が多かったため、何度も登場した母親の第6王妃セイコ。
冨樫先生のお遊びだと思いますが、聖子ちゃんカットがキュートな王妃です。
しかし、しっかりした人格者のカチョウは母セイコが嫌いということが、セイコ王妃の人物像に疑問を抱かせます。38巻ではセイコの方もカチョウを嫌ってることが判明しましたね。
フウゲツを推して意のままに操りたいようですが…フウゲツの部屋にはハンター警護をつけてないんですよね…コレ何なのでしょうね。
第6王妃も立場としては下の方なので、スィンコスィンコと同じように、何か策略を仕掛けてきそうな、腹黒いイメージもあります。
私は「11人いる」の能力者は、セイコ王妃所属兵なのではないか?と推察しています。
もし当たっていたら、セイコは最も若い王妃・オイトが気に入らないから、数少ない強力な手駒を第14王子の部屋に刺客として送ったのかな?などと妄想はふくらみます。
あと、カチョウとフウゲツの容貌があまりにも似ていないのも気になりますよね。カチョウはセイコ似だけど、フウゲツはカイザルさんに似ている気が…いや、さすがにそれはないか。
第7王妃セヴァンチ…冨樫先生ならでの描き方が好き
第7王妃セヴァンチ。二人の王子を産みました。
しかし姉の第12王子モモゼより、弟の第13王子マラヤームの方が好きで、マラヤームの部屋にモモゼの部屋の護衛を移してしまい、モモゼが暗殺される状況を用意してしまった…と。
まさに毒親、です。
ですが、モモゼが死んでからのセヴァンチは、明らかに元気がなく、自分を責めているような雰囲気があります。
脇役の心情をさりげなく描くこういう部分は、冨樫マンガの魅力ですね。
セヴァンチの後悔が改心につながったら、ハンゾーやビスケを通じて第8王妃オイトと協力体制を敷く可能性もあるかもしれません。
第8王妃オイト…人間的な感覚が共感を呼ぶ?
第8王妃オイト。最も下位の王妃です。幸の薄そうな美人ですね。
クラピカとの関わりで、王妃の中では最もしっかりと描かれています。
第1王子私設兵に毅然とした態度を取ったり、ライバルであるはずの第12王子モモゼを助けようとしたり、いかにも「主人公グループの仲間の一人」という良い描かれ方です。
第1王子私設兵のバビマイナは、王妃が自分のデメリットを顧みずモモゼを助けようとした姿に感銘を受け、好意的な動きを見せるようになりました。
だからといってバビマイナが第14王子ワブルの絶対的な味方になれるわけはありませんが、他の王子からの攻撃があれば、立場上はワブルの護衛ですし、保護してくれるかもしれませんね(相手王子を攻撃する口実にもなるし)。
まとめ
ハンターの各王妃についての37巻時点での考察でした。
子どもが複数いることは、王子私設兵の存在によって、必ずしも王妃にとってメリットとなるわけではない…という状況が面白いですね。
ていうか、上位王子たちは軒並み王子私設兵を装備していて、王妃所属兵では物足りない…というか、母親不信の王子たちが多い?と気になります。
今のところ念能力を使えそうな王妃はいませんが、オイトは念を使える準備はできていますし、セイコはもしかしたら念について知っているかもしれない…という感じがありますし、まだ出番のない王妃は未知数。
もしかしたら今後、王妃どうしの念対決があったりして…。