2020年の8月23日、神奈川県の独自大会決勝のゲームセットで、2020年に3年生だった世代の高校野球は完全に終了しました。
コロナ禍により、春のセンバツ甲子園も、夏の甲子園大会も中止となった「悲劇の世代」です。
この2020年度の高校野球について、高校野球ファンとしていろいろ思ったことをまとめてみました。
2020年の高校野球は面白そうだっただけにとにかく残念…
甲子園大会がなくなってしまった2020年の高校野球シーン。
高校球児たちの無念さとは比べるべくもありませんが、やはり私たち高校野球ファンも残念で仕方ありませんでした。
2020年は、中京大中京、大阪桐蔭、履正社、東海大相模、明石商など、攻守にレベル高くまとまったチームが複数あり、しかもそのチーム力がそれなりに拮抗していた感じがありました。
春夏通じて、これらの超強豪校のガチンコ勝負が見られるのではないかと思っていて、その点でも非常に残念でした。
4~5校ほど力が拮抗したレベルの高いチームが存在する混戦の大会は、個人的に好みなので、2020年の甲子園、見たかったなあ~。

大阪2強は毎年強いけど、他の3校は今年は集大成の勝負の年だったんじゃないかなあ…。
高校野球は「勝ったチームが強い」ので、2020年の最強チームを決めることは叶いませんでしたが、妄想で語るなら中京大中京が最強だったんじゃないかと思います。次点は履正社。
交流戦は意義深かったが高校野球はエキシビションではないと思う
さて、春も夏も甲子園のトーナメント大会は開かれませんでしたが、春のセンバツ32校は、夏の甲子園が中止になって予定が空いた甲子園で、1試合ずつ交流試合を行うことになりました。
この交流試合は、今後、感染症を完全になくすのは難しい中で、アマチュアスポーツを開催していくための第一歩として、非常に有意義だったと感じます。
秋季大会は観客を入れることを計画している地域もありますし、来年のセンバツ、夏甲子園の開催を計画する際にも、いろいろ参考になるのではないかと思います。
その一方で、交流試合は開催時期が各地域の独自大会の終了後、または開催中という微妙な時期に行われたことで、選手たちのモチベーション維持が難しかったように感じました。
トーナメントの甲子園大会に引けを取らないようなしびれる熱戦があった一方で、通常の甲子園の試合では決して見せないような、精彩を欠いた試合になったチームがあったことは否めません。
私はそれは「仕方ない」と思いながら見ていました。
センバツ出場32校の中には「甲子園出場」が目標のチームもあれば、「甲子園一勝」を目指すチームもある。
また、「甲子園で勝ち進むこと」「日本一」を目標に掲げているチームもあり、そういったチームにとっては、「甲子園を経験させてあげる」という趣旨の試合がそれほど大きな意味は持たないでしょう。
交流試合が終わった後、「勝っても負けても笑顔、トーナメントでない交流試合こそが高校野球の神髄ではないか」などという記事をいくつか見ました。
TV中継のある晴れやかな舞台で行われるけど、トーナメントではなく、勝ちにそれほどこだわらない試合…これはエキシビションマッチですよね?
アマチュアの高校生が行う野球は、エキシビションマッチとはちょっと違うような…。
球児本人たちに聞いてみないとわかりませんが、今後甲子園での試合を、トーナメントの真剣勝負でなくエキシビションで行いたいと答える選手は、あまりいないんじゃないでしょうかね。
独自大会が高校野球界に残したメッセージは?
さて、交流戦の一方で行われた各地域別の独自大会。
こちらは、決勝戦まで行われた地域は、概ね例年と同じようなモチベ―チョンで臨んだチームが多く、熱気あるものとなったのではないでしょうか。
私は各地域の決勝戦を少しずつと、東西の東京大会、千葉大会、埼玉大会、神奈川大会をよくライブ中継で観戦しました。
もちろんベストの布陣で臨まず、3年生のための思い出大会として、例年と違い勝ちに徹さなかったチームもあったとは思います。
それでも東京、千葉、埼玉、神奈川の準決勝以降の試合は…勝っても甲子園がないとは思えないほどの熱戦が続き、甲子園大会がない寂しさを、ファンである私はあまり感じずに済んだほどでした。
東京大会の感想は別記事にまとめてあります。
東京以外で印象に残ったのは…
これぞエースって感じのキラキラした木更津総合の篠木投手。
ザ・大黒柱のエースで4番、男のカッコよさを醸し出していた狭山ヶ丘の清水投手。
重量打線を誇る東海大相模を終盤まで苦しめた相洋、その苦しい試合で最後まで諦めず力で試合をひっくり返した東海大相模。

本当に甲子園で見たかった選手やチームばかりでした!
この独自大会で感じたのは、世間で言われているほど高校野球の現場は「甲子園至上主義」には陥っていないのではないかということです。
現場の選手たちは、もちろん「甲子園に行きたいから」もあるけれど、それ以上に「ただ勝ちたいから」最後まで熱戦を繰り広げているということですよね。
甲子園なき夏に、それでも全力で熱い戦いを繰り広げた選手たちを見ながら、「甲子園あっての高校野球」ではなく、「高校野球あっての甲子園」であるという、当たり前のことを再確認できた気がしました。
まとめ
2020年の高校野球シーンで感じたことを、雑文っぽい感じで書き連ねてみました。
甲子園がなくなり、夢が絶たれてさぞかし無念だっただろう選手たちが、例年と変わらない興奮と感動を届けてくれたことに、本当に感謝でいっぱいです。
高校野球の現場に対してファンができることなどほとんどないのですが、私はますます高校野球が好きになりました。
そのささやかな気持ちが、ほんのミジンコ程度でも高校野球に対して恩返しになればいいな…と思っております。

2020年の高校球児の皆さん、本当にありがとうございました!