高校野球の派手なガッツポーズ禁止問題で感じたこと

2018年の甲子園で、話題になったのが、創志学園の投手が、派手なガッツポーズを審判から注意されたことです。

賛否どちらの意見も見られますが、当ブログでも見解を書いてみます。

個人的には派手なガッツポーズは不快に感じない

私は、創志学園の初戦を、1試合通してテレビで見ました。

私にとっては、創志学園の投手が見せていたガッツポーズは不快ではなく、気にもなりませんでした。

私は今年の高校野球で言えば、済美高校の山口投手のように、顔色ひとつ変えず淡々と投げるクールな投手が好きです。

でもそれは好みの話であって、派手なガッツポーズをする選手がいても、別に不快とは感じないです。

野球はガッツポーズが許されるスポーツか否か

私自身は派手なガッツポーズが気にならない人間ですが、ここで問われるべきは個人の嗜好ではなく、野球がどのようなスポーツなのか？ということでしょう。

ガッツポーズ禁止やその逆のスポーツが存在する

柔道や相撲のような武道では、ガッツポーズは好ましくないものとされています。相手への敬意まで、競技に含まれます。

それに対しサッカーは、定番のゴールパフォーマンスを持つ選手がいるほどで、サッカーで「ガッツポーズはつつしむように」なんてお達しが出たら、選手もファンも「？？？」となるでしょう。

メジャーリーグでは投手の派手なガッツポーズはNG

では、野球はどうか。

アメリカのメジャーリーグでは、投手が三振を取った後に、派手なガッツポーズをするのはNGという暗黙のルールがあるそうです。

メジャーリーグの打者はプライドが高いので、三振するとそれだけでプライドが傷つく。そこに、ガッツポーズで追い打ちをかけるようなことをするのはマナーが悪い、ということだそうです。

そのような派手なガッツポーズは、挑発行為と取られて、チームが報復（デッドボールなど）を受けることもあるとか…。

と、私は思いますが、それは私の価値観ですね。

私はメジャーリーグのベースボールと、日本の野球はイコールではないと考えていて、何もかもメジャーリーグの価値観に合わせなければならないとは思いません。

たとえばメジャーには、「大量差がついたら盗塁をしてはいけない」という不文律もありますが、これは大量差がひっくり返されることがある高校野球には、そぐわないルールです。

とはいえ、野球の国際試合が増え、野球を世界に広げていこうという流れの中では、国際的な野球ルール・マナーの統一は、少しずつ必要になってくるでしょう。

そう考えれば、「派手なガッツポーズはつつしもう」という審判からの注意は、将来性豊かな投手には、むしろありがたい指導だと言えるのではないでしょうか。

「野球はどのようなスポーツなのか」を考えてみるよい機会に

このガッツポーズ問題で、あまり高校野球にくわしくない知人が

と勘違いしていました。

高校野球では、ガッツポーズ自体が禁止されているわけではありません。

今回のケースは、ガッツポーズの動作があまりにも派手だったのと、頻度が多すぎたことで注意を受けています。

現在の高校野球は「ガッツポーズ自体はしてもよい。ただし、あまりにも度を超えたパフォーマンスには注意を与える」という感じです。

「度を超えたパフォーマンス」という部分はあいまいなので、審判の裁量になりますが、今回の場合は、注意を受けても仕方がないレベルかなあと思います。

念のためもう一度書きますが、私自身はあの派手なガッツポーズは何とも思いません。

ですが、野球には派手すぎるリアクションはそぐわないと考える人が多く、その暗黙のルールには沿わなきゃね、ということです。

今回のことは、ガッツポーズを通して、「野球とはどのようなスポーツなのか？」を考えてみる機会になればよいなと思います。

最近の高校野球報道は騒がれすぎ…

私のような年季の入った高校野球ファンの中は、こう思う人も多いのではないでしょうか。

そうなんですよー。派手なガッツポーズが審判から注意されることは、高校野球では、いたって普通のことなんです。

意識高い系のチームでは、その状況をふまえて、派手なパフォーマンスをひかえるように指導することもあるくらいです。

しかし、最近の高校野球報道の過熱ぶりには驚かされますね。

甲子園の観客が増えて、野球人気が盛り上がって…と、よい面もありますが、ささいなことですぐ炎上するコンテンツになってしまっているのが、ちょっと気になります。

昔は、マウンド上でお調子者っぽい投手が審判から注意を受けて、シューンとおとなしくなっちゃったのを見て、微笑ましく感じた、なんてこともありました。

高校野球はアマチュアスポーツですから、観戦する側も、少し肩の力を抜いて見るのがちょうどよいのかもしれません。