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高校野球の投げすぎ問題「今なんだよ!」の価値観は認められない?

野球ボール 高校野球
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松坂大輔が甲子園で春夏連覇を成し遂げたころ、甲子園のマウンドに立つ投手の背番号は、「1」が多かったです。

最近の甲子園では、さまざまな背番号の選手がマウンドに立っていて、松坂の時代にくらべると、「1」以外の選手が投げていることが格段に増えました。

複数投手制が、確実に高校野球界に広まりつつあります。

その一方で、今でもエースを中心としたチームがあり、投球数の多い完投試合があると、一斉に「エースの酷使」が責められる風潮があります。

「高校野球でのピッチャーの投げすぎ問題」について、当ブログでも考えてみたいと思います。

強制的な続投は大問題

まず、このブログでも大前提としておきたいのは、高校生投手が限界を超えて多くの球数を投げるのを強制されるのは認められない、ということです。

「強制」とはいっても、現在の高校野球では、監督と選手が軍隊のようなタテ関係だった時代とはちがい、「腕がちぎれても投げてこい!」と命令されることはないでしょう(あったら大問題だ…)。

現在の高校野球界で問題とされるのは、監督に「行けるか?」と聞かれたら投手は絶対に断れない、という場合でしょう。

表面上は、選手が自分で投げることを決めているようでも、実質は強制に近い形です。

チームの勝利のために、ひとりの投手が犠牲(=投げすぎて未来の野球人生を失う)ようなことは、あってはならないと思います。

桜木花道の価値観は認められない?

その一方で私は、投手の投げすぎ問題に関して例外はありうるのではないかと思っています。

投手が

現実的にでも高望みでも、将来はプロ野球選手になりたい、そこまでいけなくても社会人野球、少なくとも投手を長く続けたい

と思っている場合は、投げさせすぎてはいけませんし、たとえ本人が投げたいと言っても、指導者が止めるべきでしょう。

ですが、

自分の野球は高校野球が頂点で、その後は趣味で続けるか、野球とは別の道に進みたい

と考えている投手もいるでしょう。

そのような投手が「もっと投げたい」と言ったときに、それを止めることは絶対の正義でしょうか?

野球ボールとグローブ

いつもスラムダンクばっかり例に出して申し訳ないですが、主人公・桜木花道が、背中をケガした状態でコートに出るのを制止されたときに、安西監督に向かって言うこのセリフが思い浮かびます。

オレは(栄光時代は)今なんだよ!!」

「スラムダンクは漫画だし、高校生は人生の決断をするには未熟だし、誰がどう見ても間違った選択は大人が止めなきゃいけない」という考えの方もいるでしょう。

ですが私は、自分がどちらかというと、「今を生きるタイプ」ということもあり、このような判断は「愚行権ぐこうけん」として認められる範囲なのでは?と思います。

「愚行権」とは、一般的に見ると愚かな選択に見える行為でも、周囲に迷惑をかけないかぎりは、価値観の尊重として認められるという権利です。

外部の人間が一律に批判するのは少し違うのでは?

今書いたばっかりのことを、すぐに否定するのもアレなんですが、それでも現在は、高校生投手の投げすぎは「愚行権」としては認めにくい状況です。

というのも、高校生投手が投げすぎると、「勝つために投手を酷使するとは!」という声が一斉に挙がり、監督やコーチ陣が一律に批判されるからです。

つまり、高校生投手が「オレの栄光時代は高校野球だから投げぬくんだ!」という意志のもとに多くの球数を投げると、指導者たちに迷惑がかかってしまいます。

他者に迷惑がかかってしまうと、愚行権として成り立たないですよね。

高校野球では、選手が監督にさかえらないことが多いのだから、投手の酷使は周囲が騒いで止めなければならない」という意見も、正しい部分はあるでしょう。

ですが、選手と監督がしっかりと対話して、「野球は高校まで」という選手の気持ちを尊重して投げさせているチームがあったとしたら、そのチームのやり方まで否定してしまいます。

しかし、そのチームの投手起用が「強制」なのか「対話を重ねた適切な判断」なのかを見分けるのは、非常に難しいです。

投球制限をもうけるなら、同時にもうひとつ対策を

野球場

じゃあどうするか、というと、やはりルールを作るしかないですよね。投球イニング制限球数制限

しっかりとしたルールがあれば、投手が「オレの栄光時代は今だから投げさせてくれ!」と言っても、それはルールの範囲内で、ということになります。

しかし、このような制限ができると、今以上に、スカウト力が強く、複数の好投手をそろえることができる私学が有利なルールとなります。

私学と公立の差だけでなく、私学の中でも差が広がっていくでしょう。

特定のチームだけが優勝するようになると、高校野球人気も落ちるだろうな…。

「高校野球はアマチュアスポーツ、人気なんかなくてもいいし、特定の私学だけが強いのは、高校スポーツ界ではどの競技もそうだ」という考え方もあると思います。

ですが、100年の歴史を持つ高校野球は、アマチュアスポーツの域にとどまらず、「文化」としての側面も持ち合わせています。

若い投手を守るために、何らかの制限は必要だと考えますが、同時に高校野球という「文化」も守るなら、何らかの対策を取った方がよいでしょう。

私が漠然と考えているのは、中学野球の完全軟式化。「高校で早くレギュラーになるために、中学時代に内野手として硬式のボールに慣れる!」という選手が減って、全体として投手の数が増えそうじゃないですかね?中学野球の現状を知らずにテキトーに言ってるたわごとではありますが、どうでしょうか。

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