高校野球ファンの皆さま、こんにちは。
高校野球のオフシーズンにさしかかってきた季節に、高校野球に関する衝撃的な記事を、今さらながら目にしました。
高校球児の「足」に関する話題です。
50m走5秒台の選手は高校野球に数多く存在する
近年の高校野球界をひっぱるチームのひとつが、群馬県の健大高崎。
健大高崎は、おそらく高校野球の歴史上、最も走塁に力を入れているチームで、そのチームカラーを表す「機動破壊」というスローガンは、高校野球ファンにすっかり浸透しました。
機動破壊人気もあって、昔はシブイ戦術だった盗塁・走塁が、ここ数年は華やかなイメージで語られることが増えました。
そして、以前にもまして強調されるようになったのが、足の速い選手の50m走タイムです。
高校野球ファンの感覚では、6秒を切るタイムを持つ選手は俊足ランナー。
一大会で10人前後は、5秒台の選手の名前を聞くような感じです。その中でも超快足選手は、5秒6~5秒7。
こういう数字は、高校野球ファンには普通に受け止められています。
高校球児の50m走が日本記録を超えている…だと?
しかし、この記事を読んで、私は結構衝撃を受けましたよ…!
陸上界での50m走の日本記録は、朝原宣治の5秒75だと言うじゃありませんか!
「朝原なつかしいなあ…結構かっこよかったよなあ…」という話は置いといて!
さすがにこれは、「高校球児すっごーい!陸上選手より速いんだ!」というオチではないでしょうね。
そりゃ、高校球児の中にとんでもない逸材がいて、日本記録を超えたタイムで走る可能性はゼロではないでしょうが、毎年何人も日本記録超えというのは、ちょっと信じられません。
この記事にあるように、高校球児の記録は「陸上選手のように厳密な方法で測定をしていない」アバウトなタイムなのでしょう。
ちなみに、2015年に優勝した東海大相模の4番豊田は、非常に足が速い選手だったのですが、50m走のタイムは「6秒5くらい」と言っていました。
その記事を見て私は、
嘘だ~!「走れる4番」なのを対戦相手に隠したいのかなあ?
と疑ったのですが、豊田のタイムは本当だったのかもしれませんね。ごめん、豊田。うたぐったりしてゴメン!
50m走タイム問題の底にあるのはファンの数字崇拝
さて、このように、専門家から見て「明らかにおかしいのでは?」という記録が、まことしやかに高校野球のファンの間で広まるのはどうしてなのでしょうか。
これは、私も含めて、高校野球ファンが少し見つめ直さなければならない、「数字への崇拝」が根っこにあるのではないかと思います。
50m走タイムもそうですが、もっとファンを熱狂させるのは、投手の球速。
150㎞超えがそれほど珍しくなくなった現在は、150㎞を達成した選手がMAXの球速を更新するたびに、大きな話題になります。
そういえば、昔はNHKの高校野球中継で、球速表示はなかったんですよね。
その分、「球速何㎞出るか」ではなく、その投手が「どれほど魅力的な球を投げるか」を見ていたような気がします。
明徳義塾の吉川とか、智弁和歌山の高塚とか、比叡山の村西とか…投げていた球の像が、今でも脳裏に焼きついています。
野球は球の速さを競うスポーツではないし、投手の魅力はスピードガンで計測される数字だけではない。
ランナーのベースランニングもそうですね。「5秒7の快足を飛ばしたから」すごいのではなく、迫力あるランニングそのものがすごいのです。
今回の記事は、高校野球を「数字で」見るようになっていた自分に気づかされました。
きっと高校野球は、もっと広い視点・深い驚嘆で、観戦した方が楽しめるはず。
高校野球観戦では、計測された単純な数字にしばられないようにするぞ!と、心に誓った私でありました。