秋の高校野球が神宮大会まですべて終了したので、行きます!2022年第センバツ出場校予想!
21世紀枠をのぞく一般枠を予想してみます。
この記事は「予想」であって、私が「ここを選ぶべき」と考えているわけではありません。私自身の考えより、例年の選考会の傾向を考慮した「予想」であることにご留意ください。
北海道…今回もスッキリ決まり!
北海道:1枠
1枠の北海道はモメる要素なし。優勝のクラーク国際で決まりです。
東北…決勝進出の2校で決定
青森・秋田・岩手・福島・宮城・山形の6県で2枠
東北は、決勝戦が違う県どうしの接戦だったため、優勝校花巻東(岩手)と準優勝聖光学院(福島)で決定です。
しかし近年の東北の力を考えると、6県で2枠というのは少ないですね。
関東・東京…神奈川5枠目の強さは発動するか?
毎年最後の枠でモメる関東・東京。
最後の枠を予想する前に、センバツが当確している5校を並べておきましょう。
関東はベスト4まで残った明秀日立(茨城)、山梨学院(山梨)、木更津総合(千葉)、浦和学院(埼玉)は当確。準決勝2試合は大差にならず、地域もかぶっていないため、この4校は決まりです。
東京は優勝した国学院久我山が決定。
関東が5校目として推すのは、東海大相模(神奈川)でしょう。関東大会の成績は初戦が9-4花咲徳栄(埼玉2位)、準々決勝が1-4木更津総合(千葉1位)。
群馬1位の桐生一も力はありそうでしたが、関東大会2試合の試合内容が初戦3-2土浦日大(茨城3位)、準々決勝0-5浦和学院(埼玉1位)で、東海大相模より評価が上回ることはなさそう。
準々決勝で敗退した残り2校は7点差以上で敗退したため、今回の選出はないでしょう。
東京が2校目として推すのは二松学舎大付。決勝は9回表まで勝っていましたが、最後に2点差をひっくり返されてサヨナラ負けとなりました(3-4x国学院久我山)。
そんなわけで最後の1枠は、東海大相模と二松学舎大付の一騎打ちとなりそうです。
コレ…二松が争う相手が東海大相模でさえなければ、普通に二松で決まりだと思います。
なぜ東海大相模だと二松が断然有利にならないか…というと理由がいくつかあります。
私自身の考えとしては、センバツ選考で、試合結果よりチームのポテンシャル等を重視するのは反対です。
試合結果以外のものをくらべるのはあまりに主観が過ぎて、主観による選考は21世紀枠でじゅうぶんです。
その観点から私が選考委員であれば二松を推しますが、実際の選考委員は上に挙げた理由から、相模をプッシュする人もいるでしょう。可能性は二松6割、相模4割といったところかなと思っています。
また、今回の選考でも避けて通れないのが2019年の物議をかもした選考です。
2019年の最後の枠では、東京決勝で1点差惜敗した東海大菅生が落選し、関東準々決勝で2-9と7回コールド負けした横浜が選出されました。同じ神奈川の桐蔭学園が先に選出されていたにもかかわらず、です。
この選考があった以上、今回の結果で東海大相模を落選させるのは理不尽ということになります。今回相模はコールド負けしていませんし、地域性も2019年の横浜より有利ですからね。
とはいえ、先にも述べたように、私は今回は二松が選ばれるべきと思っています。
ですがその際は2019年の選考をシレっとなかったことにするのではなく、「以前の選考基準とは違うが…」程度でもよいので、一言添えるのが筋なんじゃないかと思います。2019年の時とは選考委員長が変わっているとはいえ、たった3年前の話ですからね。
そうでなきゃ相模ファンは納得できないですよ。
…ええと、だいぶ話がそれましたし、私の考えをだいぶ書いてしまいましたが、私の考えではなく、実際の選考を予想すると、こんな感じです。
二松は「試合内容」、相模は「地域性」と「ポテンシャル」がプッシュ材料。最近のセンバツ選考は世論に叩かれることを恐れるため、わかりやすい「試合内容」を重視するのではないか。逆に相模を選ぶ場合は「地域性」を前面に出しそう。相模に有利な条件もいくつかあるが、それを踏まえても二松選考確率6割、相模選考確率4割で、二松がやや有利と見る。
二松と相模は「相模の方が強い」と言われがちですが、今年の二松は安定した技巧派左腕と甲子園経験のある野手を擁し、相模がパワフルなチームで夏に強そうなのに対し、春向きの安定したチームだと思います。
相模は可能性を秘めたチームではありますが、新監督を迎えたばかりで脆さも同居している感じがあり、そこらへんが選考会でどう評価されるか…というところですね。
ちなみに毎年もめる関東・東京5枠目ですが、東京準優勝校が関東大会に参戦するわけにはいかないんですかね?ベストな方法だと思うのですが。
東海…静岡だけの東海代表になりそう
愛知・岐阜・静岡・三重の4県で2枠
決勝が静岡県どうしの試合となった東海大会。
優勝の日大三島は当然選出として、準優勝の聖隷クリストファーを選んで静岡で枠を独占するかが焦点となります。
静岡県大会でも聖隷クリストファーは日大三島に負けていて、東海大会と静岡大会の試合スコアはこうなっています。
静岡県大会:日大三島7-2聖隷クリストファー
東海大会:日大三島6-3聖隷クリストファー
一つの県での枠独占は、このくらいの点差なら問題なく許容されるのが最近の傾向です。
昨年の東北や、一昨年の北信越は、同県どうしの決勝で20点近くの大差がついても、準優勝校が選出されて、ひとつの県で枠を独占しました。
万が一でも地域性を理由に逆転選出があるとしたら、浮上してくるのは日大三島に準決勝で5-10で敗退した大垣日大(岐阜)でしょうが、準決勝のスコアがあまりよくないため可能性は低いと考えます。
もうひとつのベスト4至学館(愛知)は、聖隷クリストファーに負けているため、聖隷クリストファーを差し置いて選出されることはあり得ないでしょう。
余談ですが東海枠が静岡で独占された場合は…21世紀枠でバランスを取ってくる気もします…。
北信越…実力校2校で平和に決まり
石川・富山・長野・新潟・福井の5県で2枠
今回の北信越は、決勝を戦った実力校2校、敦賀気比(福井)、星稜(石川)の2校でスンナリ決まりそうですね。
優勝した敦賀気比に準決勝で善戦した小松大谷(石川)は、スコア上は星稜よりも敦賀気比に迫っていますが、石川県大会で星稜が小松大谷に勝っているため、星稜を上回ることはできないでしょう。
近畿…県順位か地域性か、それが問題だ
大阪・京都・滋賀・奈良・兵庫・和歌山の6府県で6枠+神宮枠1枠=7枠
近畿は6枠と枠が大きい地区ですが、神宮枠が来ることで6府県で7枠となりました。1府県1代表以上(!)の確率ですが、ここ数年の近畿の強さを考えるとまあアリかなと思います。
まずは優勝の大阪桐蔭(大阪)と、準優勝の和歌山東(和歌山)が当選。
ベスト4進出した残りの2校天理(奈良)と、金光大阪(大阪)は、準決勝ではコールド敗退となりました。
とはいってもここ数年の近畿では、準決勝の大敗による逆転選出が起きていないので、問題なく選出されるでしょう。
さて、問題はここから。準々決勝で敗退した4校から3校の選出です。
初戦 | 準々決勝 | 県順位 | 地域性 | |
市立和歌山 | 2-1神戸学院 | 1-5天理 | 1位 | × |
東洋大姫路 | 2-0智弁学園 | 0-5大阪桐蔭 | 3位 | 〇 |
近江 | 11-10社 | 6-7金光大阪 | 3位 | 〇 |
京都国際 | 3-0履正社 | 2-3和歌山東 | 1位 | 〇 |
む、難しいですね…。
準々決勝のスコアだけを見ると京都国際と近江が有利ですが、準決勝と決勝が大差の試合が続いたことを考えると、今回の近畿は大阪桐蔭の力がずば抜けていたように見えます。
そうするとスコアだけでなく、「戦った相手」も考慮する必要が出てきます。
また近畿は、県大会の順位をかなり重視する傾向があります(個人的には県大会の順位は近畿大会のトーナメントに反映されてチャラになると考えるため、この傾向には賛同しません)。昨年も智弁和歌山の中谷監督が「県3位校は2勝しなきゃセンバツはない」という旨の発言をしていました。
近畿大会の戦いぶり、県大会の順位…という2点を軸にすると、4校の中で最もセンバツに近いのは京都国際でしょう。
京都のチームは京都国際以上に近畿大会を勝ち上がったチームはなく、地域性も問題ありません。好投手森下・平野を擁しますし、京都国際は9割方選出と見て良いのではないでしょうか。
次の1校は…難しいですね。県順位を重視するなら市立和歌山、準々決勝のスコアを見るなら近江、戦った相手まで考慮して近畿大会の戦いぶりを見るなら東洋大姫路となりますね。
県順位重視という近年の近畿選考を見ると、好投手もいる市和歌山が優位に思えるのですが、市和歌山がひっかかるのは地域性。先に和歌山東が選出されることが確実です。
最近の選考では地域性はどこの地区でも意外なほど重視されないことが多いですが、今回東洋大姫路が落選すると地元兵庫がゼロになってしまい、さすがに地元兵庫の場合は、地域性というファクターが発動する可能性があります。
「地域性」は「地域的な面も加味して選出」とセンバツ選考基準に明記されているため、これが理由になると賛否はあっても選出に理不尽さはない…という強みがあります。
東洋大姫路は初戦、準々決勝と、県大会1位の強豪と戦い、初戦は奈良1位の智弁学園に完封勝利、準々決勝は大阪桐蔭相手に近畿大会で唯一大量失点はしなかったという、投手を中心としたディフェンス力は評価されるでしょう。
近江も滋賀のチームが先に選出されないため地域性は東洋大姫路とイーブンです。…が、地域性を焦点にするなら、滋賀より地元兵庫が優先されるだろうな…と思ってしまいます。もちろんこんなことは大人の事情であって、高校生の大会にはふさわしくない話ですが。
また近江は近畿大会をエース以外の投手で戦い、その結果、2戦とも打ち合いとなりました。これが「エースがいたらもっと強い」と取られるか「エース以外の投手力が弱い」と取られるか…微妙なところです。「春は投手力」と言われるように、選考会では乱打戦よりも投手戦の方が好まれます。
いずれにせよ近江は、選考会で東洋大姫路を上回るのは難しいのでないか…という気がします。
そんなこんなで近畿ベスト8敗退校の序列は、2通り考えられます。
というわけで京都国際は大丈夫そう。
あとは選考会がどの要素を重視するか…もちろんいろいろな要素を複合的にくらべるため驚くような結果が出る可能性もありますが…まあ東洋大姫路は選出されるのではないでしょうか。
で、最後に市和歌山か近江か。
この選択は近畿の選考会が県順位と地域性どちらを重視するのか、非常に興味深いところでもあります。予想として非常に難しいです。
そうですね…私は中谷監督の「3位校は2勝がノルマ」という発言を信じて(責任転嫁…)市和歌山予想で行こうかなと思います。何となく選考会が「ベスト8敗退の中から投手力が高い3校を選んだ」とか言いそうな気もします。
もちろん近江が選ばれても異論はないですし、確率も五分五分と思いますが、近江は3位校にしてはかなりクジ運に恵まれたにもかかわらず勝ち抜けなかったので、落選も仕方ないかな…。
いろいろ書いてもやっぱり迷うくらいの僅差ですが………3年前に県1位の福知山成美選出を外したトラウマがある分だけ、市和歌山予想で行きます!(本当にそのくらいの差…)
中国・四国…地域性が明暗を分けそう
中国・四国も、関東・東京と同じように、浮動枠があるため毎年予想の難しい地区です。
まず、中国・四国の決勝進出校合わせて4校は、毎年問題なく選ばれます。
中国大会の決勝は広島どうしとなり、広陵7-0広島商。
このスコアを見ると、同県どうしで差が開いたため広島商の選出が微妙に見えますが、広島商は広島大会で広陵に8-4で勝利しているというプラス材料があります。
最近のセンバツ選考はあまり地域性に左右されない傾向もあり、広島商の選出は問題ないと考えます。
四国大会の決勝は高知7-3鳴門(徳島)。違う県どうしの大差ではない決勝戦だったので、こちらの2校も当確です。
中国から3校目として推されるのは、ベスト4で敗退した岡山学芸館か倉敷工、岡山の2校のどちらかです。
どちらとも準決勝は3点差敗退で、優勝校広陵に敗退した岡山学芸館の方が有利な気もしますが、岡山県大会での直接対決では倉敷工が0-3で勝利しています。
直接対決の結果はセンバツ選考で大きな判断材料とされるため、倉敷工が3校目になると見ます。
四国の3校目は、準決勝で鳴門と延長戦を戦った明徳義塾(高知)でしょう。もう1つのベスト4敗退校徳島商は、試合スコアでも地域性でも明徳を上回れません。
で、倉敷工VS明徳義塾。
試合内容やチーム力から見ると明徳優勢なのですが、明徳を選ぶと中国・四国の5枠が、広島と高知と徳島3県だけになってしまいます。
そうですね…明徳を愛するワタクシとしては心苦しい予想になりますが、ここは地域性が発動して、倉敷工が選ばれる可能性の方が高いと思っています。
明徳が選ばれる可能性はあるのかというと…21世紀枠が中国地方のチーム倉吉総合産(鳥取)に決まった場合は、倉敷工でなく明徳になるのではないかと考えます。
九州…大差試合は九国が強いからってことで
大分・沖縄・鹿児島・熊本・佐賀・福岡・長崎・宮崎の8県で4枠
4枠の九州は、まず優勝の九州国際大付(福岡)と大島(鹿児島)は当確です。
ベスト4のうち、大島に最初はリードしながら逆転負けした有田工(佐賀)は当確でしょう。
もう1校のベスト4長崎日大(長崎)は、準決勝で九国に2-12と大敗したのが少し懸念材料ではありますが、九州大会では九国の強さが際立っていて、九国は初戦以外はすべて二桁得点しているため、長崎日大はセーフだと思います。
九州国際大付に善戦したチームとして、初戦で4-6のスコアで奮闘した鹿児島城西の名前が挙がる可能性はありますが、先に同県の大島が選考されるため、選考までには至らないと考えます。
2022年1月28日にセンバツ出場校が発表されました。その感想を書いた記事はこちら。