2018年の野球U18の大会は、ここ数年の中でも、特に結果が悪かったため、「なぜ勝てなかったのか」「勝つためにどうすればよいのか」を論じる記事をよく目にしました。
当ブログでは、勝てなかった大きな理由は「甲子園で上位進出した選手を多く選考したため疲労があった」「選手選考が監督・コーチに委ねられていなかった」の2点だと考えています。
くわしくはこちらの記事で書きました→2018年の野球U18代表が低迷した理由。U18の大会はお祭りか?
こういった「U18の問題点」を論じる記事で、いくつか目にしたのが、「日本の高校野球でもU18で使用される木製バットを使うべき」という論調です。
ちょっとそれは違うんじゃないかな?
という思いがあるので、記事にしてみました。
U18の大会に出る18人のために高校野球全体で木製バット!?
まず最初に違和感を感じたのは、
え?U18の大会って、それほどまで重視すべき大会なの!?
と、いうことです。
「国際大会は国内大会よりも重要」という考え方なのかもしれないですね。
ですが現状では、野球をしている高校生の圧倒的多数は、U18に選抜されることではなく、甲子園を目標にしています。
U18に選抜される選手は、全国からたったの18人。
その18人のために、高校野球全体が、木製バットに取り入れなければいけないという考えには、同意できません。
補足:他の目的のために木製バットに変えるというのならアリ
一応、補足しておくと、私は木製バットの導入自体を反対しているわけではありません。
高校生の体つきも一昔前より大きくなり、150㎞投手の台頭で投高打低の時期も一時的にありましたが、全体の流れとしては打高投低の傾向が続いています。
2017年の大会ではホームラン数が異常でしたし、上のステージでは必ず木製バットを使うことを考えると、金属バットの使用をやめるメリットもあります。
ただし、金属バットの方がコストがかからないため、資金の少ない公立校が野球に取り組みにくくなるという点で、木製バットのデメリットもあります。
こういった高校野球界全体のことを考えて、木製バットへの切り替えを考えることは有意義だと思います。
ですが、U18の大会のために木製バットに変えるというのは、ちょっと賛同できないですねえ。
予選敗退組が早めに準備すれば木製バットにも適応できるかも?
U18の問題に対する、私が考える解決法は一環して
予選で負けた選手たちを中心に選べばいいよ~
です。
甲子園に出られなかった選手たちから選考するなら、U18の大会の1ヶ月くらい前、8月初めには「木製バットへの準備をしてね」と伝えられます。
「1ヶ月で対応できるのか?」という疑問はありますが、2015年の勝俣、津田、2016年の鈴木、2017年の小園、安田、櫻井など、夏の甲子園に出場しなかったバッターは、甲子園組より木製バットでの打撃内容がよかった印象があります。
このレベルの選手たちであれば、1ヶ月で、それなりに木製バットへの感触をつかめるのではないかと感じます。
甲子園予選がすべて終了してから、代表候補に声をかけて、大会2週間くらい前に、どれだけ木製バットに対応できているかテストして、最終候補を決めるという流れはどうでしょうね?
まとめ
と、いうわけで、
高校野球に木製バットを導入すること自体は反対じゃないけど、U18の大会のために導入する必要はないんじゃないかな?
と、いう記事でありました。
日本の野球人気を支えているのは、一握りのエリートだけが目指せるU18の大会ではなく、どんな高校球児でも夢見る甲子園大会です。
もちろん、野球の国際的な人気も大切ですが、その前に日本国内で野球人気が下がってしまうようなことがあれば、元も子もありません。
私の個人的考えにはなりますが、U18の大会のために甲子園が変わる必要はないかな、と。
むしろ、U18の大会の方を、甲子園から切り離して考えて、甲子園不出場組のオールスターでのぞめばどうでしょうね。
もちろん、甲子園を見たファンの関心は低くなるでしょうが、2018年のように、甲子園スターたちが、疲労から、その価値が下がって見えてしまうようなプレーに終始するよりは、いいんじゃないかなあ。