10月になると、来年の手帳やカレンダーが、お店に並びはじめます。
来年のことが頭をちらつくようになると、年賀状を毎年作る方は
そろそろ準備はじめないと…
と、思うことでしょう。
家族を持っている方の年賀状の定番は、子どもの写真を使ったタイプの年賀状ですね。
ですが、どこかで「子どもの写真の年賀状は嫌がる人が多い」というのを目にして、
そうなんだ…
と、思った経験がある方は多いのではないでしょうか。
このブログでは、「子どもの写真つき年賀状」について、作られた子どもの側はどう思うのか?という視点まで入れて、考えてみようと思います。
「年賀状に子どもの写真OK?」は立場によって意見が違う
まず、「年賀状に子どもの写真を載せてよいか問題」についての意見は、それを考える人がどのような立場かということに、大きく左右されます。
たとえば私の友人は、独身時代は「年賀状に子どもの写真を載せてくる人の神経は理解できない」と言っていましたが、結婚・出産後は、笑いながら
結局私も子どもの写真つきの年賀状にしちゃったよ~。
と、言っていました。
そういう意味で、私の属性を先に書いておきますが、私は40代女性独身、結婚願望なしです。
そんな私の、この問題に対する結論を先に書いておくと、
私に子どもがいたとしても、子どもの写真つき年賀状は作らない。でも、そのような年賀状を受け取ることは不快ではない。不快ではないけど、私とは価値観の違う人だな~と思う。
こんな感じです。
「年賀状に子どもの写真」が嫌がられる主な理由は?
「年賀状に子どもの写真」否定派の主な意見は、
- その子どもが自分の知り合いなわけではない
- 結婚できずにいる・子どもに恵まれずにいるといった人の気持ちを傷つける
- そもそも子どもが好きではない
- 写真つきの年賀状は処分に困る(気分的にシュレッダーにかけにくい)
こんな感じですかね。
この中で私が共感できるのは、1と4かなー。
2は気持ちはわかりますが、人は相手に100%合わせることはできませんし、人間社会で生きている限り、自分も知らず知らずのうちに誰かの気持ちを傷つけることはあると思います。
親しい人がこの悩みを持っていると知っている場合は、その人には配慮して、別のデザインの年賀状を送るのが思いやりだとは思いますけどね。
3も、個人個人の好みに、厳密に合わせる必要はないんじゃないかなあ…と。
私は、これらの意見とは別に、ちょっと違う視点から、年賀状に子どもの写真を載せるのは好きではありません。
それは子どもの頃に、私の両親が作っていた年賀状がきっかけとなっています。
「子どもの人権は親のもの?」という視点から考えてみる
私の両親は、年賀状に子どもの写真は載せていませんでした。
ですが、家族全員の連名になった年賀状を作っていて、父・母・子ども二人の、それぞれの近況を記した年賀状を作っていました。
問題は、子どもの部分が、子どもたちの了承も得ていないのに、一人称語りになっていたこと。
たとえばこんな感じです。
物心がしっかりついてきた…10歳くらいかなあ?…そのあたりから、私はこの年賀状がイヤでイヤでたまりませんでした。
主に文章作成を担当していた母に抗議しましたよ。
私のことを私の知らない人に向けて勝手に書かないで!
しかし母は、この年賀状スタイルは非常に好評なのだと言って、どれだけ抗議してもやめてもらえず、私が成人する頃くらいまで続きました。
理屈っぽくて、クソ生意気(笑)な性格だった子供の私は、「私の人権はこの家族の中でどうなってるの!?」と憤っておりました。
たとえ親子と言っても、親と子は別の人格を持った、別の存在。
日本では「子どもは親のもの」という考え方が根強いのか、年賀状やSNSに、子どもの写真を気軽に(=子どもの人権について深く考えずに)載せることが多いと感じます。
「子どもは親のもの」という考え方が、親の側に透けて見えてしまうと、所有物扱いされた子どもは、私ほど極端な性格でなくても、人権を踏みにじられたような気分になるかもしれません。
成長した子どもの疑問に答えられるように
というわけで、私は自分がイヤな思いをしたので、もし自分に子どもがいても、子どもの写真を年賀状には使いません。
このへんは価値観の問題で、現在の日本では「親が子どもの写真を年賀状に使うくらいはOK」と考える人が多く、「子どもの写真を年賀状に使うこと=子どもの人権侵害」という考え方が正しいとは言い切れないでしょう。
ただし子どもの側で、私のように
私の人権を勝手に使うのはやめて!
と考える子はいるかもしれません(特に成長してくると)。
そんな時に、子どもが納得できるような答えを用意できるのか。
「他者」である子どもの写真を了承なしに使うのであれば、少し深く考えておいた方がよいのではないか?と思います。