『幽遊白書』の人気ナンバーワンキャラといえば飛影です。
性格はぶっきらぼうで無口でエラそう。容姿は鋭い目つきながら非常に小柄で、男性としては子どもと大人の中間くらいの背丈。
コレが女性ファンの心をくすぐるようです。私の姉も大ファンで、幽白のキャラの中で飛影だけ「飛影ちゃん」と呼びます。
飛影が普通の身長だったら、「ただのエラそーな男」で女性人気は出なかったでしょうね…。
久しぶりに幽白を読み直しているんですが、3巻にスゴイ飛影出てきました。
忘れてましたけど、飛影は「黒歴史」で有名なんですよね。
飛影ファンの姉にこの話を振ると、ゼッタイに乗ってきません。たぶん姉の中で3巻は封印されています。
でも、歴史は歴史!正視せよ!…てなわけで、飛影の黒歴史についてまとめてみます。おねえちゃん、ごめん…。
飛影はどのようにして幽白に登場したか
幽白の主人公グループは幽助、桑原、蔵馬、飛影という4人組です。
最初から4人グループだったわけでなく、この主人公パーティが結成されるのはジャンプコミックス4巻からです。
それまでの幽助は基本ひとりで行動していて、中学の同級生・桑原は、ライバルかつ悪友的な立ち位置程度の距離。
蔵馬と飛影は幽助が倒すべき敵として3巻で初登場します。
実は蔵馬と飛影にはもう一人剛鬼という仲間がいて、3人組の盗賊妖怪でした。
剛鬼…。蔵馬や飛影とずいぶん差がついたなあ…(遠い目)
3人の盗賊は霊界から3つのお宝を盗み、それを取り返す指令をコエンマから受けた幽助を迎え撃つ…そんな設定でありました。
飛影の黒歴史はあまりに口数の多い「セリフ」
さて幽助は剛鬼を倒し、蔵馬とは分かり合い、最後の敵である飛影と戦うことに。
しかし飛影、「ただ幽助を倒すだけじゃつまらない」という理由で、ガールフレンドの螢子をさらっちゃうんですね。
非戦闘員の女の子をさらって利用するなんて、まるで絵に書いたような悪役キャラ…。
もうこれだけでじゅうぶん黒歴史なんですけど、ここから飛影は、後々の飛影から考えられないほどしゃべりまくります。
そして、その内容が…
オレがなにもしないで女を返すと思ったのか!?ボケがァ
はははうれしいか?その女はオレの部下の第一号にしてやるぞ
だがしかぁし 人の心配をするヒマはないぞ!!
ふははとどめだ 死ねェ!!
「部下の第一号」って…
ちなみにこれらのセリフ、ぜんぶ全力で叫んでいます。
誰だコレ…。私たちの知ってる飛影じゃないだろ…。
「この4つのセリフは誰のセリフでしょう?」という選択肢問題があったら、戸愚呂兄を選んでしまいそうなセリフですよ!
あと幽助をかばった蔵馬に対する
蔵馬ァ 裏切り者め許さんぞ
このセリフもずいぶんイケてないですよねー。
飛影アンタ、剛鬼も蔵馬もスキを見て(スキがないとダメってとこがイケてない)倒し、3つの宝を全部自分のものにするって(誰も聞いてないのに)言ってたじゃないの…。
たくさんの目がある飛影は作者の中でも無かったことに…?
さて、飛影の黒歴史としてもう一つよく言われるのが「全身目だらけ妖怪」です。
幽助の予想以上の実力に驚いた飛影は、
まさか人間相手に”変身”するはめになるとはな
と言って変身するのですが…その変身後の姿が全身目だらけ妖怪。
皮膚の色も変わり、アニメでは緑色になりました。
えーと、妖怪とかお化けが好きな私は、この「全身目だらけ飛影」は結構カワイイと思うんですけど、ちまたでは黒歴史ってことになっていますねえ。
蔵馬の解説によると、この「全身目だらけ」になるのは、邪眼の力を増幅させるためだそうです。
まあ冨樫先生も後から「あんまイケてない」と思ったのか、その後の飛影は、邪眼の力を増幅したいような場面でも一度も変身しませんけどね。
飛影は最初からメインキャラとして設定されていたのか?
蔵馬は初登場の時から、美形かつ深みのある人物としてていねいに描かれ、冨樫先生が最初から幽白のレギュラー人物にしようと考えていたことが伺えます。
それに対して、敵だった頃の飛影はいいところがほとんどありません。
ただ飛影は、剛鬼にくらべると容姿も来歴もミステリアスに描かれているため、飛影を主人公側の仲間にする設定がはじめからあったのかどうか微妙なところです。
ひとつ言えることは、仲間になってからの飛影のキャラ設定は登場時とはずいぶん変わったということですね。
飛影が登場時のようなテンションの高いキャラだったら、トランプゲームだって喜んでやるんじゃないかと思います。「ふははあがりだ!」とか言って。
現在の緻密な設定の漫画に慣れている読者は飛影の変貌ぶりに驚くと思いますが、幽白が連載されていた頃の漫画って、もっとテキトーな娯楽という感じで、幽白以上に設定に矛盾がある作品はたくさんありました。
たとえばスラムダンクだって、リョータをリクルートしてフラれたはずの田岡監督が、湘北との練習試合でリョータの存在を知らないような発言をしたりしてますからね。
まとめ
飛影の黒歴史についてまとめてみました。
しかし飛影の黒歴史を見て思ったのは、
私だって「黒歴史」と呼べるような若気の至りってあるよなあ…
…ということですね。本当に若い時代は恐ろしい。
大人は誰でも多かれ少なかれ「若気の至り」の苦い思い出はあるでしょう。
飛影は「のちにナンバーワン人気キャラとなるオレだって黒歴史くらいある。フン、気にすることではない」と、我々をなぐさめてくれているのかもしれませんね!?
飛影の黒歴史はジャンプコミックス版では3巻に収録されています。