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おおきく振りかぶって32巻感想!「状況ストライク」は受け入れられる?

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「おおきく振りかぶって」の32巻を読んだ感想です!

これを書きたかった4市大会だったのか!

28巻からずーっと書かれている4市大会、崎玉高校のリベンジマッチ。

4市大会のような、甲子園出場に関係ない大会をやたら丁寧に長く描くなあ…と思っていたら、ようやく32巻で決着しました。

そして、なんで4市大会のようなマイナーな試合を丁寧に描いたのかわかりました。

最後のストライク判定の場面、あそこを描くために甲子園のかからない試合という設定が必要だったんだろうなあ…。

最後にストライク判定した球は、厳密に機械的な意味でベース上を通過したわけではない球だったようですが、状況ストライクとでもいいますか、審判の裁量でストライクとなった…ことが、試合後に明かされます。

さすがにこんな微妙な場面を、甲子園をかける試合で描くことはためらわれたので、それほど重要ではない公式戦という舞台が必要だったのかなと思いました。

ストライクは「打て!」という命令形

32巻の見どころはいろいろありますが、やはりこのストライク判定についてのテーマが大きすぎますね。

面白いなあと思ったのは、ストライク(Strike)は名詞や終止形としての動詞ではなく、動詞の命令形だということですね!

初めて知りました!

最後にストライク判定された球は、ストライクゾーンは外れているけど、「打て!(Strike)」という意味でストライクがコールされたと。

あの場面(得点圏にランナーがいて、カウントがフルカウント)では、振らなければいけない球…ということになりますかね。

西浦&崎玉の合同ランチでの話し合いの中では、「2ストライクからの決め球ではストライクゾーンが広く取られる」とも言われていました。

高校野球の解説で打者目線から「追い込まれているからストライクゾーンを広めに取って…」というのを聞くけど、関係あるのかもなあ…。

プラスして、昨今の投低打高傾向の影響にも触れられていましたね。野球は投手と打者が五分五分の勝負をするのが面白いスポーツなのだと。

木製バットが使用され、得点があまり入らない大学野球では、ストライクゾーンが高校野球より狭いとよく言われることを思い出します。

「状況ストライク」はありかなしか?

阿部はあっさり「納得しますよ。審判がストライクっつてんですからあれはストライクです」と言いました。

しかし、実際にはあんまり納得できないのが、高校野球の微妙なストライク・ボール判定ですよね。

ていうか、甲子園がかかった大事な試合だったら阿部も納得してないかもしれないなあ…。

古い話だと、夏の佐賀北VS広陵の決勝戦で、満塁から広陵の野村投手の際どいボールがことごとくボール判定された場面。

最近だと、春の秀岳館VS木更津総合の9回2死で、木更津総合の早川投手が追い込んだカウントで投げた、痺れるような内角球がボール判定された場面。

これ以外にも、応援しているチームが敗戦した試合の、ストライク・ボール判定が納得いかないという経験は、高校野球ファンになら誰にでもあるのではないでしょうか。

これ、難しいですよね…。

審判が試合の流れや投手の力量を見て「状況ストライク」を取ることが、高校野球にはふさわしいのかどうなのか。

厳密な平等のために、将来的にはストライク・ボール判定はAIにまかせるのかというと、それも味気ないように思います。

私の中でも全然結論は出ないのですが、「ストライク」は単にストライクゾーンを通過したボールではなく、「打て!」とコールされるに値する球なのだという考え方は、私の野球観戦に新しい視点を与えてくれました。

まとめ

「おおきく振りかぶって32巻」の感想でした!

ストライク判定の話ばかり書いてしまいましたが、他にも強豪校設定の斉徳の監督さんが、昨今の高校野球を取り巻く状況について、軽くぼやいていたシーンも面白かったです。

やっと物語の中で年が変わりそうですね。

翌年のセンバツは物語の中に出てきた埼玉県のチームが、センバツ切符をつかんでいるのか気になるなあ。

最近の高校野球でよく問題になる、関東・東京センバツ6枠目問題についても取り上げてくれたら面白いですけどね!

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