高校野球マニアの私が、知人にすすめられて読んでいる漫画が「おおきく振りかぶって」。
新刊の30巻が発売になったので、さっそく読んでみた感想を!
「4市大会」がなかなか終わらないぞ…
高校野球漫画は、基本的には甲子園をかけた試合か、甲子園の試合が描かれることが多いですが、現在「おおきく振りかぶって」で描かれている試合は、甲子園がかかっていない「4市大会」です。
埼玉高校の西浦に対するリベンジマッチとは言え、高校野球ではそれほど重要視されない大会なので(ARCくらいの甲子園常連校ならフルメンバーでガチに勝ちに来ない)、サラッと描かれるかなと思っていたのですが、28巻途中からはじまった試合が、30巻では終わりませんでした。
これだけ埼玉戦が長引くなら、この試合は負けて、次のARCとの試合はなくなるのかな~。
とか考えてしまいます。
こんなマイナーな大会をしっかり描く高校野球漫画って、他にあるんでしょうかね?
高校野球は甲子園を目指すだけの戦いではないという、作者さんのメッセージなのかもしれません。
コールド負けした埼玉が急に強くなるのはアリなの?
さて、埼玉高校は、前年度の夏大会で西浦にコールド負けしていますが、リベンジマッチが中盤までは順調に進んでいきます。
コールド負けって力の差がある気がするんだけど、リベンジできるものなの?
と思うかもしれませんが、高校野球ではリベンジは成功する確率が、私の印象としては高いです。
たとえば2018年の神奈川。秋季大会決勝で東海大相模は慶応を12-0で破っていますが、夏の大会では準決勝で慶応が7-4でリベンジを果たしています。
リベンジは、チームをひとつにまとめやすいモチベーションなので、一丸となって戦いやすいですし、一度勝利した側は、どれだけ油断しないようにしても、どこか受身になってしまうんですよね。
西浦も、埼玉との試合に集中しつつも、その次のARC戦を見ている面がありますよね。
西浦は、選手の能力に頼るというより、「考える野球」を徹底することで勝つ確率を上げるチームです。
対する埼玉は、西浦に負けた時は、あまり何も考えないで試合していましたよね。
埼玉が打倒西浦のために、対策を練ったのならば、両者が試合で出せる力がグッと近づく、もしくはひっくり返るのは大いにあり得ます。
4番花井の四球は私はOKだと思う件
7回裏の西浦反撃の場面で、花井が四球を選ぶ場面、あそこは作者さん的にはどのような意図で書かれているんでしょうね?
花井は指示通りストレートを狙いつつも、厳しいコースのストレートは見極めて、四球で出塁して次の田島につなぎます。
私はここの花井は「ナイス選球!」と思ったのですが、本人は一塁に歩いてから「選んでしまった」とか「なんのための4番」とかいろいろ考えていますね。
多少のボール球でもストレートを振りぬいてタイムリーを打つのが、確かにカッコイイ4番ではありますが、完璧に投球を捉えても、野手の正面に飛ぶこともありますし、負けているあの場面では、冷静に見極めることも4番の仕事だと思うよ、花井くん!
ただここの場面、モモカンはどう思ったんでしょうね。描かれていませんが、気になるところです。
私、基本的に高校野球のチームは監督が好きなら応援するタイプなんですよね。勝負に徹するモモカンの采配は、結構好きです。だからつい西浦も応援しちゃいます~。
いっちゃん、肘は大丈夫か?
次の巻に向けて気になるのは、急にボールが狙った場所にいかなくなった、埼玉のエース市原の投球ですね。
単に精神的なものならよいのですが、スクリューの多投で肘がおかしくなっていないかが気になります。
市原は「なんで入んねんだ」と心の中でつぶやいているので、本人が自覚する感じで違和感があるわけではなさそうですが…。
試合の行方より、いっちゃんの肘が心配です。
西浦Vs埼玉は次巻で決着かな?
いっちゃんの乱調もあって、西浦が試合を振りだしに戻しましたが、この後どうなるのか…。
試合の行方は埼玉の投手起用にかかっている気がしますね。
そういえば西浦は主にマウンドに上がる投手が一人ということもあり、「おおきく振りかぶって」では、高校野球の采配で一番難しいとも言われる「継投のタイミング」は大きく描かれないですね。
今までのストーリーで継投が試合を決めたのは、武蔵野第一Vs春日部くらいかな~。
次の巻あたりでこの試合は決着しそうですね。勝負の行方が楽しみです。