春先に体調を崩し、15日間入院しました。長期入院で気になるのは医療費ですね。
日本には高額療養費制度があり、1ヶ月に支払う医療費は所得や年齢によって上限が決められています。(たとえば年収約370〜約770万円の場合の上限は9万円前後が目安。詳しくは厚生労働省のページへ)
この制度のおかげで、長期にわたる入院や大きな手術があっても、個人が支払う医療費が際限なく増えることはありません。

上限を超えた分は、加入している国民保険や健康保険が負担します。日本の公的保険は月々の支払がしんどいですが、実際に大きな病気やケガをした時のサポートが手厚い!
ただし今回は途中で転院があり、「転院した場合は医療費を合算できるのかな?手続きが面倒だと嫌だなあ…」などと考えておりました。
結論から言うと、転院前と転院先の病院で支払った医療費は合算が可能です。
…ですが条件があったり、手続きが必要だったり、いくつか注意点があります。
このページでは私の経験をもとに、月の途中で転院があった場合の高額療養費についてまとめてみました。

ファイナンシャルプランナー2級。
「もっとお金のことを知りたい!」とFP資格を取りました。資格を取る前の自分でも読めるような、簡単でわかりやすい記事を執筆します。
転院しても医療費の合算OK!ただし条件がある
まずは転院があった場合の、高額療養費の計算ルールを確認しましょう。
高額療養費の計算では、月の途中で転院があった場合、それぞれの病院でかかった医療費を合算できます。以下が具体例です。
- 高額療養費の支払い上限が9万円
- 同月にA病院→B病院の転院あり
- A病院に3万円、B病院に8万円の入院費支払い
→支払った11万円(3万+8万)と支払い上限9万円の差額2万円(11万ー9万)が払い戻し
ただし合算には条件があります。
こちらも具体例で確認してみましょう。
- 高額療養費の支払い上限が9万円
- 同月にA病院→B病院の転院あり
- A病院に2万円、B病院に8万円の入院費支払い
→A病院での支払いは21,000円未満のため合算できない。B病院の支払いだけでは上限に届かないため高額療養費の適用不可
- 高額療養費の支払い上限が9万円
- 同月にA病院→B病院の転院。A病院では入院前に外来診療もあり
- A病院は外来診療費1万円、入院代4万円。B病院は8万円の医療費支払い
→A病院での外来診療費は21,000円未満のため合算できない。A病院とB病院の入院費は合算可能で4万+8万=12万円。12万円-9万円=3万円が払い戻し
転院した場合の医療費は高額療養費として合算できるが、対象となるのは21,000円以上の支払で、入院と外来は別計算になる。
転院した場合の医療費を合算する手順
次に、転院した場合に高額療養費制度を利用する手順を解説します。
重要なのは、自動では合算されないので手続きが必要という点です。
全体の流れをザックリと見ておきましょう。
- 転院前の病院・転院後の病院で、それぞれ医療費を高額療養費限度額までいったん支払払う
- 合算高額療養費の申請を出す
- 転院前と転院後の病院で支払った額が合算され、限度額を超えた分が返金される
それぞれの病院で高額療養費限度額まで払う
マイナ保険証を利用した場合、高額療養費は自動適用されます。そのため、病院の窓口で請求される医療費は限度額までになるのが基本です。
ただし転院があった場合は、まずは転院前・転院後の病院でそれぞれ高額療養費上限額まで支払います。
マイナ保険証利用でも、異なる医療機関どうしの医療費合算は自動で行われません。後から合算し上限を超えた分を返してもらいます。
この後の手続きでは、病院からもらう領収書が必要です。確実に受け取りましょう。
あとから合算高額療養費を申請
それぞれの病院で支払った医療費合計が高額療養費の限度額を超えた場合は、合算高額療養費の申請をして、超過分を返してもらいます。
申請先は、自分が加入している公的医療保険です。会社員なら組合健保や協会けんぽ、公務員なら共済健保、自営業なら国民健康保険など。
申請に必須となる書類は支払った際の領収書。他に必要な書類がある場合は、各保険の公式サイトでダウンロードできます。
ほとんどのケースで電子申請も可能です。電子申請では領収書の画像をアップロードし、他の書類はオンラインで情報を打ち込みます。
私は、けんぽ協会の公式サイトから電子申請しました。所要時間は20~30分ほどで、作業内容はそれほど難しくありません。電子申請なら自分の都合のよい時間にできるかな?と思っていましたが、けんぽ協会の電子申請が可能な時間帯は平日の8時~21時。土日にのんびり申請できないのがネックですね。
自宅にハガキが届いたら完了
合算高額療養費の申請結果が出ると、自宅にハガキが届きます。電子申請をした場合もメールではなくハガキでの通知です。
申請が認められた場合は返ってくる金額が記載されています。減額や不支給(=申請の却下)の場合は理由を確認しましょう。
申請してからハガキが届くまでの期間は…長いです!私の場合は2ヶ月半で届きましたが、3ヶ月以上かかることもあるとか。
「こんなに時間がかかるなんて申請に不備があったかな?」と不安になりますが、数ヶ月かかるのは普通なので気長に待ちましょう。
高額療養費に入れられない費用
高額療養費の通知を見て、「返ってくるお金が予想よりずっと少ない!」と思うことがあるかもしれません。
診療や入院でかかるコストの中には、高額療養費として合算できない費用があります。
差額ベット代や、貸し出し品のリース費用など、1日単位で加算される費用は入院が長引くと高額になります。
「高額療養費があるから大丈夫」と思っていると予想外の出費につながってしまうので、利用時には注意してください。
空きがない、感染症リスクがある等で、病院都合で個室利用となる場合は差額ベット代はかかりません。自己都合でないことを明確にするために以下の対応が必要です。

とにかく部屋代に関するサインをしないことが大事!トラブルになった場合は厚生労働省の地方厚生局や東京都の相談窓口などで相談しましょう。
まとめ
月の途中で転院した場合、高額療養費は合算できます。
先に請求された医療費をそれぞれ払い、あとから申請して精算する形になるという流れを押さえておきましょう。

