今年もやってみます!来春、2023年の第95回センバツ高校野球大会の出場校予想!21世紀枠をのぞいた、一般枠の予想です。
この記事は「予想」であって、私が「ここを選ぶべき」と考えているわけではありません。私自身の考えより、例年の選考会の傾向を考慮した「予想」であることにご留意ください。
今回は「記念大会で増枠された地域がある」「選考基準のガイドラインが新しくなった」という2点が重要です。
記念大会で増枠されたのは東北、関東、東海、四国の4地区です。
選考基準が新しくなった件については、少し詳しく見てみます。
センバツ選考基準の新しくなった点を確認
センバツ出場チームを決める、選考基準の新しいガイドラインはこちらです→センバツ高校野球 選考過程透明化へ「ガイドライン」を作成(スポニチ)
今までの基準に新しく加わった、もしくはしっかりと明記するようになったと思われるポイントを挙げると…
昨年の聖隷クリストファー落選の反省と言い訳を混ぜたような新基準ですね…
…と思わず毒を吐いたワタクシ…。
「出場にふさわしい」とか「マナー面の評価」とかやめてほしいですよ、何その主観的すぎて基準にすらなっていない基準は…。そんなの21世紀枠でやればいいじゃないの。
これまで以上に過剰なマナー合戦になりそうで、個人的にはイヤですね。
マナーは大事ですが、現在の高校野球はやりすぎで、マナーが他者への配慮ではなく外へ向けてのアピールになりつつあるように感じています。脱線しました。話を戻します。
そんな中、地区大会>府県大会を明言したことは、わかりやすくなったかなと思います。
地区によってこの優先順位が違いましたからね。昨年まで府県大会をかなり重視していた近畿地区の選考が変わってくるのかが注目です。
この新しい基準を頭に入れた上で、一般枠の代表校を予想していきます!
北海道…いつもの通り優勝校で決まり
北海道…1枠
北海道1枠の時はモメる要素なし。優勝校のクラーク記念国際で決まりです。
東北…3枠に増えて平和に決まりそう
青森・秋田・岩手・福島・宮城・山形の6県で3枠
東北は今回増枠対象地区で、3枠です。最近の東北勢は強いので、今後も3枠でよさそうな気がしますけどね。
東北大会の決勝は東北VS仙台育英という、同県対決。
通常の年だとと2枠しかない東北地区は、同県決勝の場合は2枠を同県で埋めてしまう形になって地域性の問題が出てきますが、今回は3枠なので問題なし。
優勝の仙台育英と、準優勝の東北は当確でしょう。
そもそも通常の2枠であっても、決勝のスコアが6-3なのと、宮城大会では逆に東北が仙台育英に勝っていることから、東北の選出は問題なしだと思います。
3枠目は、優勝した仙台育英に能代松陽(秋田)が準決勝で1-2と善戦しているので、まあ決まりですね。
関東・東京…「地域性」はどこまで考慮?関東6校出場はある?
今回の関東+東京は記念大会ということで関東が1枠増となり、21世紀枠創設以前の関東5、東京2でスンナリ行くのなと思っていたのですが、結構微妙なことになってきました…。
関東1枠増とかしないで、もともと関東が4.5、東京が1.5だったんだから、関東5、東京2にすればよかったのに…そしたらモメなかったのに…と思います。
しかし、モメる感じになってしまったので仕方がないっ!もう頭フル回転で、考えていきます。
まずは当確の東京1校と関東5校を
まずは先に当確校を。東京優勝の東海大菅生と、関東ベスト4進出校の山梨学院、専大松戸(千葉)、健大高崎(群馬)、慶応(神奈川)。
ここまでは決まりっす!
で、この後、例年なら東京の準優勝校と関東の準々決勝敗退校をくらべるのですが、今回はその前に、関東の5枠目を先に決めてから関東6枠目と東京のナンバー2をくらべる形になります。
関東5枠目が濃厚なのが、準々決勝で専大松戸に3-4と惜敗した作新学院(栃木)です。地域性も問題なしです。
2019年センバツは似たような状況で、地域性に問題のない栃木の佐野日大が落とされ(ギリギリコールド回避)、先に同県のチームが選出されている横浜が選出されたので(コールド敗退)、今回も作新より横浜が優先されるのでは…?という声はあります。
ですが2019年の時とは選考委員長が変わっていて、現在の選考委員長になってから、関東の選考はかなりまともになりました。選考委員長が井上明さんのままであれば、作新は問題ないでしょう。
ココからが難しいので、話を分けます。まず関東6枠目の予想、次に東京2枠目の予想、それから関東6枠目VS東京2枠目の話をします。
関東6枠目は横浜?地域性の発動はある?
作新が5枠目という前提ですすめると、関東6枠目の候補はベスト8敗退の作新以外の3校です。
それぞれ県順位、関東大会の戦いぶり、地域性を表にしてみました。
県順位 | 初戦 | 準々決勝 | 地域性 | |
---|---|---|---|---|
横浜 | 1位 | 2-0浦和学院 | 2-5健大高崎 | × |
山村学園 | 3位 | 4-2土浦日大 | 1-9山梨学院 | 〇 |
昌平 | 1位 | 不戦勝 | 3-7慶応 | 〇 |
関東大会の戦いぶりを見ると横浜が優位なのですが、ひっかかるのは「地域性」。
新しいガイドラインでは「地域性」が考慮されることが、改めて明記されています。基準としてはわかりやすいですしね。
全体として選考委員に「地域性をこれまで以上に考慮してください」という通達があったりしたら…埼玉勢が浮上する可能性もゼロではありません。
ただその場合、関東大会未勝利の昌平を県大会優勝の実績から選出するのか、関東大会1勝を挙げ、準々決勝はスコアが離れたとはいえ前半は食らいついていた山村学園を選ぶのか…。
いつも思うのですが、開催県1位で初戦免除の昌平は1勝分得をしているのか損をしているのか…スーパーシードという制度はあまり旨味はないですよね。
まあ…可能性があるのは、慶応戦はヒット数では上回っていた昌平の方かなあ。
とはいえ確率としては、横浜6枠目が8割以上だと思います。投打の要に昨夏の甲子園を経験したメンバーが残るチームなので、戦力的な評価も高いでしょう。
東京は2枠目を戦略的に選出するかも?
東京2枠目は、普通に考えると準優勝の二松学舎大付です。
ですが、優勝した東海大菅生に準決勝で惜敗した日大三を予想する声が結構あります。
その理由の一つとして日大三は政治力(?)があり、過去のセンバツでも選ばれやすいことが証明されているから…というのがあります。
確かに以前は日大三関係者が関東・東京の選考委員長を務めていて、東京高野連の会長も日大三関係者でしたが、現在はどちらとも交代しているので、あまり関係ない…(三高のためにも)そうであってほしいと思います。
それとは別に、もしロビー活動みたいなものがあるとしたら、東京の高校野球関係者が日大三を推す可能性はあると考えています。その理由は…
ただし関東6枠目が(可能性は低いけど)埼玉勢だったら、今回カギになりそうな「地域性」を前面に出してくることが予想されるため、菅生と同じ西東京の日大三より、東東京の二松の方が対抗しやすいです。
「同じ東京なのに」と思うかもしれませんが、菅生は東京の西の果ての山中、二松は都会のど真ん中で、地域としてはだいぶ別エリアなんですよね。
もうひとつ日大三を推すには、準々決勝で菅生と延長戦を戦った国士館の存在が微妙です。
もし菅生が日大三以外のチームに大勝していて、三高だけが競ったのであれば救済しやすいですが、むしろ菅生は決勝で吹っ切れただけで、それ以外の試合はわりと近い点差の試合をしています。
日大三を選ぶと、こういった外野からの批判がありそうなので、三高を選ぶ可能性はあるとは思いますが、二松に落ち着く可能性の方が高いと考えます。確率はこちらも8割くらい。
関東6枠目VS東京2枠目の行方は?
では最終決戦、関東6枠目=横浜と、東京2枠目=二松学舎大付はどちらに軍配が上がるでしょうか。
まあ…横浜でしょうね。二松は決勝で点を取られすぎました。
横浜はよく関東・東京の最終枠で拾われるため(中には不可解選考もあった)、今回もまた選出されたら何か言われる可能性はありますが、それでも今回は横浜が妥当かな、と。
とはいえ今回、関東は既に5枠もらっているので東京2枠が既定路線かもしれない…というのと、地域性から二松が選出される可能性もあります。
また横浜も二松も最終選考まで残るかどうかが確実ではないので、昌平、日大三にも少ないながらも出場チャンスは残っていると考えています。
イメージとしては横浜60%、二松30%、日大三5%、昌平5%です。
というわけでファイナルアンサー!
東海…1枠増で今回はスンナリ決まりそう
愛知・岐阜・静岡・三重の4県で3枠
昨年は準優勝校聖隷クリストファーの落選と、その理由説明が大多数を納得させられるものでなかったことから、大炎上案件となった東海地区。
今回は増枠され、3枠となりました。
3枠の場合は決勝戦がよっぽどの大差でない限りは、決勝進出校は安泰です。
東邦7-2常葉大菊川というスコアなので、優勝校東邦(愛知)はもちろんのこと、常葉大菊川(静岡)も当確といってよいでしょう。
ベスト4止まりの2校のうち、1校が3枠目をゲットすることになりますが、準決勝二試合の結果は以下の通り。
微妙なスコア差ですが、新基準は地域性の考慮を改めて明記していることから、選ばれると静岡2校目となってしまう加藤学園より大垣日大の方が優位でしょう。
大垣日大の準決勝は優勝校・東邦に最初リードしていた展開だったので、そのあたりが評価されそうです。
北信越…万が一波乱があるとしたら「地域性」
石川・富山・長野・新潟・福井の5県で2枠
ここのところ元気のない北信越勢。
そんな中、北信越大会は「福井の福井による福井のための戦い」みたいになって、福井からの出場3校がすべてベスト4に残るという事態に。
で、決勝も福井どうし。しかも延長戦。しかも福井3位の北陸が、福井1位の敦賀気比に勝利。
これは…福井2校の出場が濃厚かな。
今回は選考基準として「地域性」が改めて明言されたため気になるところですが、ベスト4に残った唯一の非福井チーム・松商学園(長野)は、準優勝の気比に負けているんですよね(0-3)。
もし松商を選ぶと、松商が負けた気比が落とされるというわけのわからない事態になってしまいます。
気比の方が優勝していれば、松商にも10~20%くらいの選出可能性はあったかもしれませんが、この状況だと…うーん、1%あるくらいかなあ。
それでもゼロと言い切れないのは、今回の選考で「地域性」がどのくらい重視されるかが読みづらいからですね。
9割以上の確率で福井2校だと思いますが、「地域性」の重視という観点で、ちょっと注目したい地区です。
余談ですが、今回の北信越は21世紀枠の氷見(富山)が高い確率で選出されるんじゃないかな。そうすれば福井だけじゃなくなるし。
近畿…神宮枠のおかげで出場校自体は予想しやすい
大阪・京都・滋賀・奈良・兵庫・和歌山の6府県で7枠
ここ近年の強さが際立つ近畿。枠もタップリとあります。
記念大会で増枠されてもおかしくなかったのですが、近畿は強いので神宮枠が来ることが想定され、増枠されなかったのかなと思いました。
で、当然のように神宮枠が来たので、今回も7枠です。
まず4強は当確間違いなしで、大阪桐蔭、報徳学園(兵庫)、龍谷大平安(京都)、智弁和歌山はセンバツに向けた準備を進めてくださいって感じですね。
ここからが近畿の選考の本番といいますが、準々決勝敗退校の比較です。
県順位 | 初戦 | 準々決勝 | 地域性 | |
---|---|---|---|---|
高田商 | 2位 | 1-0乙訓 | 0-5龍谷大平安 | 〇 |
彦根総合 | 2位 | 4-2近大新宮 | 4-9大阪桐蔭 | 〇 |
履正社 | 2位 | 10-2瀬田工 | 6-9報徳学園 | × |
社 | 3位 | 13-7天理 | 0-7智弁和歌山 | × |
近畿の選出では、昨年までは府県1位校が他地区と比べて優遇される傾向がありました。
今回は基準に地区大会>府県大会が明記されたため、どうなるか注目だったのですが、準々決勝敗退校に府県1位校がないため、府県1位校の扱いについての答えは次以降に持ち越されました。
さて4校の比較…4校の中では県順位が一番低く、準々決勝がコールド敗退、近畿大会の失点が多い(センバツ選考では守備型チームの方が有利)、地域性も不利…という形で、社が脱落でしょう。
で、今回は7枠あるため、これにて終了。あまりモメないと思います。
出場校はこの予想で堅いと思っていますが、新しい基準が出たことで、ベスト8敗退校3校の序列がどうなるのかが気になります。
私が選考委員であれば、近畿大会準々決勝のライブ配信を見ただけの感想ではありますが、センバツで上位進出が期待できる順に、履正社→彦根総合→高田商の順に選出します。
近畿はここ数年地域性があまり重視されない傾向がありましたが、今回は新基準ができたことで、地域性の扱いが注目です。
もし地域性が大きなファクターになるなら、彦根総合→高田商→履正社の序列になるでしょう。
地域性は重視するけど試合内容や戦力も見る…というハイブリッド型なら、彦根総合→履正社→高田商の序列ですね。
ちょっとマニアックで細かいですが、序列まで予想するなら、今回はちょっと予測が難しいのでハイブリッド型予測でいってみます!(序列がどうでも出場校は同じですけどね)
中国・四国…光、鳥取城北はセーフ、高知/鳴門の選択は難問
関東・東京と同様に「0.5枠」があるため、モメやすい中国・四国地方。
記念大会で四国が1枠増…ですか。
どうかなあ…ここも中国も四国もどちらも0.5枠増で、中国3、四国3にすればよかった気がしますが…。
まずは中国2枠と次点となる3番手、次に四国3枠と次点の4番手を予想し、最後に中国3番手と四国4番手をくらべてみます。
中国2枠と3番手予想
まず中国地方の2枠。1校目は優勝校の広陵(広島)で決まりです。
2校目ですが、準優勝の光(山口)は21世紀枠の中国地区候補になる可能性がありましたが、12月9日に21位世紀枠中国地区候補は広島の神辺旭に決まりました。
個人的にはこれで良かったと思います。一般枠で選ばれる成績の高校は21世紀枠という肩書ではなく一般枠で普通に選んであげましょう。
準優勝した光(山口)は、決勝戦は大差がつきましたが、中国大会で中国地区の強豪に連勝していることは評価されると考えます。
光との比較として、準決勝で広陵に惜敗した鳥取城北の名前が挙がってくるでしょう。広陵と力が拮抗した試合を繰り広げた実力校です。
しかし前回の聖隷クリストファー落選炎上があったため、今回はよっぽどのことがない限り、準優勝校をベスト4が上回る逆転選出は起きないと考えています。
光は地域性に問題ないですし、決勝はエースの連投があったことも考慮され、2枠目選出は光の可能性が濃厚だと思います。
鳥取城北は中国3番手として、四国4番手の比較に回るでしょう。
四国3枠と4番手予想
四国は決勝が香川どうしになりました。
とはいえ今回は3枠あるので地域性が大きな問題にはならず、優勝の英明はもちろん、準優勝の高松商もセーフ。
3校目は英明に2-4の高知(県2位)と、高松商に1-4の鳴門(県1位)の争いです。
英明が優勝していることを考えると、県順位が2位とはいえ高知が優勢でしょうか。
高知は愛媛1位の今治西に勝っているため、県順位はここでリセットされている感がありますし、新基準の地区大会>県大会という部分にも後押しされます。
鳴門(徳島)は準決勝の高松商戦を見ましたが、高松商と力の差があったように感じました。四国4校目として、中国3校目との比較に回ると思います。
高知と鳴門は、6:4くらいで高知が優勢…というイメージです。今回の予想では、全国でもここが一番難しいですね。
もしかしたら21世紀枠の候補に挙がっている徳島の城東高校が選ばれるかどうかも、影響してくるかもしれません。それも考慮して、鳴門が少し不利な状況に思えます。
中国3番手VS四国4番手の行方は?
最後に中国3番手と四国の4番手をくらべます。
鳥取城北VS鳴門。
これは、四国が今回は既に3枠あること、鳥取城北は神宮大会準優勝の広陵と互角に戦ったこと、鳥取城北の地域性に問題がないこと…などから、鳥取城北が優勢でしょう。
もし四国4番手が鳴門でなく高知だったとしても、鳥取城北の優位は揺るがないと考えます。
可能性は低いと思いますが、中国3番手が光だった場合でも、鳴門・高知のいずれも中国準優勝の光を上回ることはないと思います。
よって、光・鳥取城北はいずれにしてもセンバツ出場はセーフ、高知と鳴門が実質最後のイスを争う形になるのではないかと思います。
九州…大分どうしの逆転選出はなさそう
大分・沖縄・鹿児島・熊本・佐賀・福岡・長崎・宮崎の8県で4枠
4枠の九州は、準決勝進出の4校がそのまま出場するケースが多いです。
今回も、準決勝でそれほど点差が開いていないので、準決勝進出の4校で決まる確率が高そう。
準優勝の長崎日大とベスト4の海星が地域性でかぶっていますが、海星は優勝した沖縄尚学と6-7という接戦をしていますので、準々決勝敗退校がこれを上回るのは厳しいです。
心情的には沖縄尚学と準々決勝で好ゲームを繰り広げた明豊(大分)を救済したくなりますね。
ただし、明豊より上のステージ、ベスト4に同じ大分の大分商が進出しています。明豊が万が一選ばれるとすると、海星ではなく大分商との入れ替えになるでしょう。
長崎日大4-1大分商(準決勝)、沖縄尚学8-5長崎日大(決勝)、沖縄尚学3-2明豊(準々決勝)というスコアと、大分決勝では明豊が大分商に2-1で勝っているということから、明豊の名前は選考会で挙がってはくるでしょうね。
ですが、明豊と大分商の試合は接戦だったこと、逆転選出するほど大分商の九州大会準決勝も大差スコアでないこと…などから、明豊の選出は見送られると思います。
5校目があったなら明豊だったんですけどね。明豊はクジ運が悪かったと思って夏に切り替えましょう!
追記
2023年1月27日にセンバツ出場校が発表されました。
その感想を書いた記事はこちらです。