2021年の春季高校野球東京大会の決勝を観戦してきました!
国学院久我山が二松学舎を逆転サヨナラで破った劇的な試合でした。
かんたんに観戦記をまとめます!
東京は波乱が少なくなった?四隅シードどうしの対戦
2016年の早実・日大三のダブル出場以来、センバツへの2校出場から遠ざかっている東京地区。
2019年に断然東京有利という結果で東京2校目を選出しなかったことから、東京2校目を選ぶのが非常に難しくなっていると感じています。
あれで東京2校目を選ばないのであれば、どんな状況なら東京2校目を選べるんだ…という話ですからね。
この非常に困難になった「東京2校センバツ出場」が少しでも近くなるように、東京は昨年の秋季大会からシード制を導入するようになりました。
個人的には、旧チームの成績で新チームのシード序列を決めるのは理に適ってないと思いますが、東京高野連としても何か手を打たないわけにはいかなかったのでしょう。
シード制を取り入れた影響か、波乱は起こりにくくなり、決勝戦のカードはシードの四隅から勝ち上がってきた、昨年の東東京優勝の二松学舎と、西東京準優勝の国学院久我山となりました。
国学院久我山の強さの秘密は?
決勝の二松学舎VS国学院久我山は、前評判としては二松学舎有利という声が多かったです。
国学院久我山は非常に良い野球をしていると感じるチームですが、投手力・守備力が甲子園常連の二松学舎の域には達していない感じがあり、私も「二松が勝つかな?」と思っていました。
しかし国学院久我山は、準決勝でも日大三有利と言われる中で、何と5回コールドで日大三を撃破したんですよね。
この準決勝も現地観戦しましたが、国学院久我山に関して感じたことは、打線の力は東京屈指ということです。
これは単純な打撃力ではなく、「打線」の力です。
打力そのものは日大三や二松の方が上だと感じますが、とにかく国学院久我山の打線はつながりがあって得点力が高いです。
決勝戦の最終回の逆転劇も、奇跡が起こったのではなく、打線のつながる力によってもたらされた、そんな気がしました。
この打線の力の源が何なのか素人の私にはわかりませんが、漠然と思ったのは、二松・日大三が「自分たちのバッティング」を貫くのに対し、久我山は「相手・状況に合わせたヒット確率の高いバッティング」をしているのでは?ということです。
守備でも打者やカウントによって細かく守備位置を変えるシーンが幾度も見られ、野球脳の高い謙虚な野球だと感じます。
そんな国学院久我山にとって、正面からぶつかってくるタイプの日大三や二松は、やりやすい相手だったのかな…と結果的には思います。
ハンターで言えば日大三は強化系、二松は放出系。久我山は操作系。ちなみに関一は具現化系、菅生は変化系というイメージ。久我山にとってこの中では関一が一番やりにくそう…。
さて、来春のセンバツ確定の久我山ですが、課題はディフェンス。投手力と守備力ですね。
ある程度のエラーは想定しているらしく、エラーに動揺してミスが連鎖するということはなかったですが、甲子園レベルを考えると、現在のディフェンス力では厳しい戦いが予想されます。
選抜に向けてディフェンスを強化できれば、やっている野球自体は非常に見ごたえがあるので、選抜での活躍が期待できると思っています!
二松学舎は関東一戦だけ別チーム!?
準優勝の二松学舎に話を移します。
この試合、私が二松が勝つだろうと予想したのは、一日前の準決勝・関東一戦での二松の戦いぶりが完璧に近かったからです。
二松は昔からどこか愛嬌のあるチームで、投打に力はあるのだけど、強豪校らしからぬミスやスキがあります。
それが関東一戦ではスキのない非常に研ぎ澄まされた戦いぶりで、勝負をかけた采配もズバリと当たり、「二松も洗練されてきたな…」と少しさみしさまで感じたほどでした。
しかしこの決勝戦…。
もとの二松に戻っているじゃん…
振り逃げに気づかなかったり、「え?」という場面で無謀な走塁があったり、極めつけは9回裏1死満塁からのセンターライナー後、2塁ランナー飛び出しの見過ごし…。アレ、2塁に投げていれば試合終了ですよ!
ハイ、二松サイドからこの試合を見ると、勝てた試合なんですよね。9回まで拙攻でたったの3点しか取れなかったのが敗因でしょう。
いやー、何なんだろうなあ。二松学舎は昨夏の決勝といい、相手が関東一の時だけ別チームになるのだろうか。関一からすればえらい迷惑ですね(笑)。
二松の布施投手は、全体的に投手が苦しんでいた今秋の東京大会で、最も存在感があった投手だと思います。
速球派の先輩、大江・秋山とは違うタイプですが、二松の左腕エースはマウンドさばきが明るくて、見ていて楽しい投手が多いです。
二松のセンバツ可能性は…現時点では65%くらいかなあと考えています。2019年の謎選考の前例さえなければ、85%くらいなんですけどね。
神宮枠の行方が決まってからしっかり予想してみようと思います。
まとめ
2021年秋季東京大会の決勝戦を観戦した感想でした。
夏大会の準決勝以降は東東京だけブラバンが入りましたが、秋季大会は西東京のチームもブラバンがかけつけ、少しずつ通常の大会に近づいてきました。
もうとにかくこのまま状況が落ち着いて、来春のセンバツがなるべく通常に近い形で行われることを、切に願っています!
東京代表、選抜で頑張ってきてね!
東京の2021年秋季大会全体を振り返った記事はこちら。